所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ヒット曲をインストでアレンジするというのはよく見られる手法ですが、そんな中にもプレイヤーの情熱が溢れている一枚がある場合があります。そんな埋もれがちな演奏を掘り起こしていきます。
“ピアノ・ピュア~ メモリー・オブ・XXXX”。これはピアニスト加羽沢美濃が手がけていたシリーズで、その年のヒット曲を彼女のアレンジで、「ピアノ曲」として聴かせるインストアルバム。1997年に始まり、2005年まで続いたらしい(!珍しくコンプしていない=2002のまでしか持ってないらしい)。これはその2000年版で、気に入っているアレンジが多い。
彼女は確かなテクニックを持っていながら、学府にこもることなく、わかりやすく親しみやすい曲を、独自の感性でアレンジして、情熱的な情感がこもった演奏で届ける演奏家。ヴァイオリニストで、高嶋兄弟のいとこである高嶋ちさ子とのユニット「Chisa&Mino」でも、取っつきやすいクラシックを届けている。
「Wait & See ~リスク~」。1コーラス目はすごく静かにはじまり、メロディラインをなぞっているので、聴き流していると2コーラス目のダイナミックな演奏で張り飛ばされるような一曲の中で起承転結がある曲る
倉木麻衣の「Secret of my heart」は、コード弾きの美しさとサビの旋律が、ピアノにジャストフィットですごく美しい。
美濃はクラシカルなテクニックはもちろん持っているのだが、リズミカルな曲の方が本領発揮か?プッチモニの「青春時代1・2・3」は左手のベースラインが力強くドライヴ感抜群。
そのクラシックのテクニックが垣間見えるのは、浜崎あゆみの「SEASONS」。イントロの怒濤のピアノ、ラフマニノフかと思ったぜ。
こういったヒット曲のインストアレンジアルバムは、ともすれば「喫茶店のBGM」風になってしまうところだが、そこは彼女の編曲能力と、それを支える確かなテクニックがそれを許さない。
彼女の音世界に引きずり込まれそうになる、そんなアルバム。
【収録曲】()内オリジナルアーティスト
1.桜坂(福山雅治)
2.Wait & See~リスク(宇多田ヒカル)
3.らいおんハート(SMAP)
4.secret of my heart(倉木麻衣)
5.青春時代1・2・3!(プッチモニ)
6.楽園(平井堅)
7.あなたのキスを数えましょう(小柳ゆき)
8.SEASONS(浜崎あゆみ)
9.TSUNAMI(サザンオールスターズ)
10.ギブス(椎名林檎)
11.海の上のピアニスト(Ennio Morricone)
12.今夜月の見える丘に(B'z)
13.モーニング娘。メドレー
ハッピーサマーウェディング~LOVEマシーン~I WISH~恋のダンスサイト
(モーニング娘。)
14.Goodbye Yesterday(今井美樹)
日本コロムビア|加羽沢美濃
元曲に思い入れがあれば、美濃のアレンジの妙が味わえる
元曲を識らないと、「美しい」で終わってしまうかもしれないが....
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購入金額
2,940円
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購入日
2000年12月頃
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購入場所
N-DRさん
2011/04/15
cybercatさん
2011/04/15
ようこそN-DRさん。
彼女のこのシリーズは意外なアレンジもあり、楽しめます。
静かな曲が激しかったり、ビートがきいた曲が緩やかに流れる曲になったり...
彼女の解釈がおもしろい。
「Wait & See~リスク」の2コーラス目のたたきつけるような左手は1コーラス目のぽつぽつとした弾き語りのバック風な音とは全く違います。
ダイナミックです。
あ、当然これ一発録りでレコーディングは2日間だけって、すげプレッシャー...
N-DRさん
2011/04/16
ちなみにプロフが変わったのは間違って押しちゃったからですw
cybercatさん
2011/04/16
アーティスト、特に生音系の人たちは最初の解釈を大切にしますよね。もちろん腕あって、の事でしょうけど。