所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。「楽曲の良さで購入」、「アーティストが好きで惰性買い」、「ジャケットで惹かれてジャケ買い」、「参加プレイヤーが良くてマニア買い」まで様々な入手動機を当時を振り返りながらコレクターが熱く語ります。
もともと音楽やっていたので、アーティストよりもプレイヤーに注目して「どんな演奏をしているのだろう?」という興味でCDを購入することがある。これはまさにそんなアルバム。プロデューサーとしても著名な角松敏生の本領発揮で、このアルバムの曲ごとに様々なプレイヤーを使い分け、すばらしい完成度の楽曲に練り上げている。
基本日本セットとアメリカセットが2つずつあり(つまり4つの組み合わせのバンド)、それを曲によって振り分けている感じ。はっきり言って豪華。
アメリカセット1:ドラムス=Rick Marotta、ベース=John Peña、キーボード=Joe Sample、ギター=Larry Carlton、パーカッション=Paulinho Da Costa、シンセサイザー=小林信吾
アメリカセット2:ドラムス=Carlos Vega、ベース=John Peña、キーボード=Randy Kerber、ギター=Buzzy Feiten、パーカッション=Lenny Castro、シンセサイザー=小林信吾
日本セット1:ドラムス=村上秀一、ベース=後藤次利、キーボード=佐藤博、ギター=鈴木茂、パーカッション=斉藤ノブ、シンセサイザー=小林信吾
日本セット2:ドラムス=村上秀一、ベース=青木智仁、キーボード=佐藤博、ギター=鈴木茂、パーカッション=斉藤ノブ、シンセサイザー=小林信吾
日本セットはベーシストが違うだけだが、アメリカセットは逆にベーシストのみが共通で後は異なる(シンセサイザーの小林信吾除く)。
この4種のバンドに適宜、ソロをとるプレイヤーが加わる。そのメンツもサックス=Kirk Whalum、本田雅人、ギター=Michael Landau、加納秀人らと超豪華絢爛。これだけ個性が強いプレイヤーをうまくまとめているのは角松のプロデューサーとしての力量か、すべてのバンドにプレイヤーとしても加わる共同プロデューサーの小林信吾の力か...
どちらかというと暗めの曲でアメリカセット、明るめの曲で日本セットを使っている。結果、アメリカセットのギターソロは泣きのプレイになるのだが、特にセット2のBuzzy FeitenとMichael Landauの大泣きの掛け合いソロ展開がアウトロで聴かれる9曲目「彷徨~STRAY AT NIGHT~」がすばらしい。Buzzファンはこの曲聴くためだけでも買っていい(タイトル曲「ALL IS VANITY」でのプレイも傑出しているが)。
一方オープニングの「夜離れ~YOU'RE LEAVING MY HEART~」で聴かれるLarry Carltonのソロは、伸ばした音の消え去り際にスッとネックをスライドさせてベンドアップしていくのが、まさにCarlton節。そもそも中間部ソロへの入り方が、スケール下って入っていくし~(普通この展開ならスケール上ってソロ始まるダロってところで)、エンディングソロはハーモニクスソロだし。あれは彼にしかできないな。
サックスも、Kirk Whalumと本田雅人という東西フュージョン界の(当時)若手プレイヤーが才を競っている。
はっきり言ってプレイ聴くためだけに買う価値あります。
凄腕プレイヤーのプレイを好きなフリークは聴くだけでニヤリ、です。
【収録曲】
1. 夜離れ~YOU'RE LEAVING MY HEART~
2. 夏回帰~SUMMER DAYS~
3. 海~THE SEA~
4. この駅から・・・~STATION~
5. ただ一度だけ~IF ONLY ONCE~
6. ALL IS VANITY
7. UP TOWN GIRL
8. DISTANCE
9. 彷徨~STRAY AT NIGHT~
10. WHAT IS WOMAN
角松敏生 Official Site
「彷徨~STRAY AT NIGHT~」
角松にはこの路線をもう少し極めて欲しかった...
彼のセンス、心情、人脈が高い位置でクロスする名盤。明るい「夏!」「海!」「女!」という彼の従来路線?とは一線を画す。
脇を固めるプレイヤーもいいプレイが多いんだよな...
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購入金額
3,000円
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購入日
1991年07月頃
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購入場所
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