個性的な物には少なからず愛好家が現れるのが必然で、この本は発売こそソフトバンククリエイティブですが、文章を書いているのはNIFTY SERVEで集まったそういった愛好家の方々なのです。今でもPC Watchでおなじみの笠原氏も若干参加されています。
ある意味ThinkPad同人誌とも取れるような本ですが、内容は他に類を見ないもので、98年までに発売されたThinkPadの紹介はもちろん、ThinkPadの開発・デザイン・製造の関係者へのインタビュー記事や、実際にThinkPadを使っていてのエピソード、そして、巻末には型番などの膨大な資料集が付いています。
製品の紹介文は、愛好家の方々が書かれていると言う事で、カタログからのコピペでは断じてなく、ユーザーの目線で書かれた部分も多数あります。また、所有していないマシンについても極力IBMから貸し出してもらって書いていると言う事からも気合の入り具合が分かると思います。
また、インタビュー記事も、現レノボCDOの内藤在正氏から、インターネットでよくある新型機の記事でのインタビューではまず出てこないであろう、基盤の設計・デザインの方など、多数に及びます。
91年から、98年と言う事で、ノートPCとしてはPS/55note 5523S(それ以前の5535S等のラップトップについても触れられてはいます)から、535Eや770ぐらいまでの機種が収録されていて、この文章を打っている600シリーズはギリギリ入っていません。なので、Windows 98が出る前の話ですね。
今では、こういった情報はインターネットで簡単に手に入りますし、ThinkPadが以前と比べて堅実なモデルを重視するようになったので、こういった本の重要性が薄れてしまっているのですが、またこういう本が出たら面白いと思います。
また、このような巨大な年表のポスターも付属しています。
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購入金額
4,500円
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購入日
2011年01月27日
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購入場所
ヤフーオークション
リンさん
2011/03/24
愛好家の皆さんで作成した本なんて本当に聖書になりますね☆
名湯さんのIBMにかける熱意が伝わるレビューでした^^
名湯さん
2011/03/24
愛機編と称した、実際にThinkPadを使っていてのエピソードが面白く、ThinkPad 220は単三電池駆動ができるものの、すぐに電池がなくなってしまうので、「単三電池で破産する」とか、バッテリーライフを伸ばそうとして、自分で単一乾電池を使えるようにして、ライフは延びたものの、重くて嵩張ってしまうとか、昔ならでは苦労話がたくさん収録されています。
ThinkPadに興味がある人なら買って損ではない本だと思います。
名湯さん
2011/03/26
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/20110325_434771.html
本文ではレノボ・ジャパン副社長としていたので訂正しておきます。