組み込みやフィジカルコンピューティングとかいう分野では、
研究でPLCやDSPボード、趣味でArduinoとIntel Galileoを触ってきましたが、
前者2つは高すぎてお金があるときしか使えない。Arduinoはプロセッサ性能が低いし、シリアル通信なので準備が若干面倒、Galileoは性能はいいけどIO、リアルタイム処理が苦手など、それぞれの得手不得手がみえてきたような気がします。
そんな中、mbedはArduinoと使い勝手がそんなに変わらず、性能が高く、めんどいところが改善されてるようにみえました。
ということで、目的はありませんが、このmbedを買ってみました。
たぶんArduinoより性能が高く、Raspberry Pi2やGalileoのように汎用OSではないはずです。
使い方はネット上で山ほどあるので、今回はちょっとだけ触ってみた感想を書きます。
開発者登録を済ませ、下記画像のとおり、プログラムを回すところまでやった結果です(LCDなどはBoard Orangeという製品を使ってます)。時間は個人差が大きいと思いますが、これで1時間くらいでした。
必要なのはネット環境だけ
開発環境はウェブアプリになっているので、パソコン側に開発環境、コンパイラ、ライブラリなどを用意する必要がありません。
ユーザー登録は必要ですが、それだけで無償で使えます。
開発環境は見た目Eclipse、VSみたいな感じで非常に管理しやすいです。ウェブ上で管理なので、端末が違っても開発できるというメリットもあります。Chrome bookとかでもできそうです。
ライブラリもウェブ上で管理、かつ大抵のものは揃っていそうです。
実行ファイルはダウンロード後、USBストレージとして認識されるmbedに転送、
リセットボタンを押すと実行されます。
シリアル通信のポート設定も要らず、非常に明快です。
mbed開発環境(Lチカ+LCD 冒頭画像のプログラム)
若干高いが、互換品で格安もある模様
Arduinoに比べると、6000円弱と高いです。もちろん性能はいいんでしょうが,ちょっと高めです
ところが互換品のnucleo boardは、Arduinoと似た形状でピン配置が同じ、
さらに1500円~と非常に安価なので、十分Arduino競合になると思われます。
今回は冒頭画像に示した通り、Board Orangeという製品が入出力強化に便利そうなので買ってみました。
ただ、1万円程度になってしまったので、今は互換品のnucleo boardが実用的と思われます。
PC初心者向けマイコンボード
感想はここまでのとおりですが、
何が見えてくるかというと、パソコン側の作業がほとんどないことです。
性能やリアルタイム性を気にして購入しましたが、触ってみると「手軽さ」こそが一番の特徴といえます。
いままでArduino含め、マイコンの開発はポート設定や開発環境のインストールなど、ローカル側でPCの知識がある程度必要でしたが、
これならローカルマシンで必要なのはプログラムをUSBストレージに転送する作業だけです。
もしかすると、USBホスト機能付きのAndroidマシンでも開発できるのでは?
互換製品の安さも相まって、今後Arduinoを脅かすまでありそうです。
非常に好感触なので、次に何か作るときには絶対使いたいと思いました。
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購入金額
5,940円
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購入日
2016年03月頃
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購入場所
Amazon.co.jp
sorrowさん
2016/03/27
kilifさん
2016/03/27
コメントありがとうございます。
Arduinoと勝負するつもりで出してるでしょうし、後発なので相当考えられている印象です。
シリアルLEDっていうもの自体知らなかったのですが、WS2812というチップには対応しているようです。ライブラリはArduinoのほうが一日の長です。