XFX HD-577X-ZMF3 は2010年8月に香港PINE Technology製XFXブランドから発売された、Radeon HD 5000シリーズのミドルレンジHD 5770を搭載したビデオカードだ。
この頃のビデオカードは既に現在と同じ様な製品構成となっていたので、ミドルレンジビデオカードでも大半は2スロット厚のビデオカードが多く、小型フォームファクタのPCには搭載しづらい製品が多かった。
そんな中で本製品は1スロット厚のサイズであり、PCI Express x 16形状のスロットが隣接しているマザーボードでもCross Fire Xを実現する事が可能な(実用性はともかく)数少ない選択肢の一つだった。
また1スロットに収まるサイズのビデオカードとしては高性能であり、比較的近い時期に存在したGTX260と比較しても高性能であった。
但し本製品にはCross Fire X用のブリッジコネクタが同梱されないので、本製品でCross Fire X環境を構築するにはマザーボードに付属するコネクタを使用するか、別途なんらかの手段で入手しないとならないのはマイナスポイントだった。
当時HD 5770を搭載したビデオカードは先にも書いた様に2スロット仕様のカードが大半だった訳だが、本製品はクーラーを小型化したにもかかわらず思いの外静かで、失礼な話だが思わぬところで驚いたのを良く覚えている。
コンパクトな製品であるので、クーラーの排気方向が外排気方向では無く、PC内部に向かった排気方向となるのは致し方ない所か。
1スロット厚故のトレードオフで、出力インターフェイスはDVI-I x 2、mini DisplayPort x 1と割り切りを感じる出力ポート数であるが、Eyefinityテクノロジーに対応し3画面同時出力を実現していた。
当時は今ほど多画面運用が進んでいた訳では無かったので、これでも十分ではあった。
本製品は、1GBのビデオメモリを搭載しているが、PhotoShop CS5では正常に認識されず、OpenGLを使用した機能が正常に機能しなかった。
何分やや古い製品でもあるので、経年劣化による不具合の可能性もあるが他には特に不具合らしい不具合は出ていないので気になる所ではある。
ちなみにPhotoShop CS3では正常にカンバスの回転を行える。 非常に狭い範囲の問題であるし、全ての環境で同様の事象が再現されるかはわからないので、参考までに…
ここまで振り返ってきたが、近年では特にシングルスロットに収まるビデオカードはローエンドに属する製品が多く、ミドルレンジのGPUコアを搭載しながらこのサイズに納めている事、思いの外静かである事など前世代の製品ではあれどもなかなか侮れない製品であるのは間違いない。
更にローエンドGPUはIGPの進化に伴いその存在意義が薄れつつあるある様に思う。
今後のミドルレンジ向け製品にもこういった製品が出てくれば、PCIスロットの資産を多く所有しているユーザーや、拡張スロットに多数のカードを載せているユーザーにはありがたい。
多様性は自作PCに与えられた非常に大きな優位性だ、本製品の後に続くちょっと尖った製品が我々ユーザーを楽しませてくれる未来に期待しつつ、本製品と付き合っていきたいと思う。
ヘビー級のPCゲームなどには向かないが、普段使いでは今でも十分に戦える
ともかく小さい、場所を選ばないというのはケースやマザーとの兼ね合いを考えても有用だ。
省スペースPCなどに使うアップグレードパーツとしても選択肢に入る。
古い製品ではあるが、状態によっては中古で入手しても面白いだろう。
一昔前のスタンダードは押さえている
ビデオカードはPCパーツの中でも進化の速度が速いパーツだ。
流石に最新世代のものと比べると見劣りするが、現在においても普通に使う分には問題ない機能は押えている。
特にDirect X 9.0世代のゲームなどで遊ぶ分には全く問題ないだろう。
物理的なメリットが大きい
実用性とも重複するが、1スロットに収まるサイズは本当に使い勝手が良い。
サウンドカードを増設したり、USB3.0カードを増設したりと多くの拡張カードが使い回せる。
性能面で目をつぶっても大きなアドバンテージだと言える。
-
購入金額
7,980円
-
購入日
2015年02月03日
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。