かつてヤマハから発売されていたMIDI音源です。同社のXG規格に対応しています。MU2000を含むMUシリーズはすべて生産終了しており、中古流通しているものを入手することになります。今回は実店舗でMU2000の中古品を買う機会がありました(購入前に店員に言って音出しまでしてもらっています)。なお、付属品はACアダプタとリストブックのみで、それ以外は欠品でした。
1990年代のPCは性能上の制約からMIDIケーブルやシリアルケーブルで(最末期にはUSBケーブルでも)接続して音を出すのが一般的で、市販のPCゲームでもMIDIファイルが使用されていました。
MIDIファイルとは要するに(テープ録音ではなく)楽譜で、情報量としては圧倒的に少なくなります(非常に長い曲として知られるサティの「ヴェクサシオン」でさえMIDIファイルであれば「フロッピーディスクに」入る大きさです(1MB未満でした)。これをリニアPCM(44.1ksps, 16bit, stereo)に直すと11.7「ギガバイト」(!)になる計算です)。
今ではMIDIファイルを見る機会は殆どなくなりましたが、作曲では今でもMIDIキーボードなどが使われていますし、過去のMIDIファイルの鑑賞には音源が必要です(Windowsに標準搭載されているMIDI音源は音があまり良くない)。
MU2000は1990年代後半に発売されたフラグシップ機で、MUシリーズのラインナップはこれの廉価版であるMU500(マイナーチェンジを含めると後述のExtended Edition)が最後になってしまいました。なのでMU2000を「XG音源の決定版」と言っても差し支えないでしょう。
また、MU2000にはExtended Editionという改良版があり、ファームウェアアップデートでExtendedにできますが、MU2000については最初からExtended Editionとなっているものも発売されており、今回入手したのはこちらでした。Extended EditionではGS規格(ローランドの音源で採用されていた同社の規格)に正式対応したため、フロントパネルにGS規格のロゴが追加され、「TG300B」(GS音源をシミュレーションするモード)の代わりに「GS」と書かれています(最初からExtended Editionとして発売された個体の話)。
実際に音を出してみる
MU2000への入力はMIDIポート、シリアルポートの他、USBポートに対応しています。USBポートはノーマルB端子なので、ケーブルは普通のケーブルで大丈夫ですが(せっかくなので私はノイズフィルタ付きケーブルにしました。しかもプラグが金メッキ)、接続しただけでは使えず、ドライバが別途必要です。ドライバは今でもヤマハから配信されており、Windows 10もサポートしています(32ビット、64ビットとも)。
実際にUSB接続で音を出してMidRadio Playerの音源と聴き比べてみましたが、明らかにMU2000のほうが透明感があります(曲によってはあまり変わらないものもありますが)。昔のソフトウェア音源と比べるほうが間違っているのでしょう。
デジタル出力!
この機種の特徴として、光デジタル出力(S/PDIF)に対応している点があります(ローランドの音源ではSC-8850やSC-8820でも対応しておらず、SC-D70(ベースはSC-8820)でようやく対応しました)。これを活かすには光デジタル入力に対応しているデバイスが必要ですが、私が以前別の目的で買った Sound BlasterX G5 が光デジタル入力に対応しているためすぐに試せました。説明書(PDFで公開されています)によると、元はMDプレイヤーを想定していたようです。
デジタル出力ができるので、DAWに使ってみるのも一興です……(ASIO対応しているオーディオインターフェイスを持っていることが前提ですが)
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購入金額
19,418円
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購入日
2018年06月08日
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購入場所
ソフマップなんば店
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