このアンプは見ての通りカーオーディオ用です。名前の通り40Wと数値的には非力っぽく見えますが、40Wもオーディオのスピーカーにかけたら普通の家では騒音問題になりかねませんので問題なしです。(ステレオアンプですが内部にスイッチがありモノラルアンプとしても機能させられます。理論上1ch当たりのパワーが倍になります)
初めて買った車にこのモデルの一つ前、「CLSS A 40」を装着して使っていましたが非常に綺麗な音でスピーカーを鳴らしてくれました。大音量時にパンチに欠けるという印象はあったのですが、綺麗な音という表現は、優しい音と似ているのかも知れません。とは言うものの普通に音楽を聴く分には力不足は感じませんでした。カーオーディオなら当然車で移動できますから、無人地帯で人に迷惑をかけない場所で大音量で鳴らしてみて気づく位のもんです。安定化電源を使って自宅のオーディオ用アンプ(3WAY-300W程度)で鳴らしたら非常にクリアな音がして驚きました。当然ながらスピーカーの利得によっても実際の出力音量は違いますからね。
ちなみに輸入品の上にハンドクラフトで生産量が少ないこともあり新品の価格は12万円だったと記憶しています。(カーオーディオショップに数件飛び込みでこのモデルを置いてたら売ってくれと頼んで買いました)
残念ながら車を売る時にオーディオ機器一式も込みで査定にだしてしまったので(かなりあしもと見られた・・)泣く泣く手放してしまいましたが、10年以上経ってから手放した事を後悔することになります。中古市場、オークションを探し回って数ヶ月、ようやく出てきたのが後継機種の「CLSS A 40II」でした。2本まとめて出品されていたので迷う事なく二本購入しました。もう二度と出会えないと思ったからです。(1本は予備アンプとして保管中)
組み合わせるアンプは「BOSE 101MM」にしました。中古で調達するので、なるだけコストパフォーマンスが高く、耐久性のあるアンプ、かつ音響特性の素直さが欲しかったからです。このアンプの特性を素直に空気の振動に変換してくれるスピーカーという狙いです。この目論見は概ね成功だったと思います。昔聞いた「CLSS A 40」と遜色ないクリアさを奏でてくれるセットが出来ました。パンチ力が上がっているのは、101MMのせいなのか、後継機種(II)の改良点なのかは今となってはもはや比較検証出来ません。
ただし予想はしていましたが難点があります。このアンプは40WのA級アンプです。つまり40WをA級動作で消費しますので常に40Wを消費します。言い換えると常に最大出力と同等の電流を流しっぱなしですから、音量を絞っても発熱は減りません(逆に発熱が増えます・・)。言うなれば小さな大食らいアンプです。AC100V->DV13.8Vの安定化電源を部屋に置いておくと・・・かなり発熱します。ただでさえアンプが発熱するのに、安定化電源もべらぼう発熱します。冬季は暖房機具にもならない位の発熱なのでほんのり暖かい程度ですが、夏期はエアコンが無いととんでもない事になります。(定格内には収めていますが安定化電源が発火するかも・・)
夏の代替手段としての工夫は、車用のバッテリーに充電して使用することです。車のバッテリーはエンジンをかけるときに回すセルモーターが最大電流と考えて良いと思います。セルモーターに比べたら40Wのアンプなどかわいいもんです。充電するという手間は発生しますが発熱という面ではほぼアンプが消費する電力分の発熱で済むのでAC100VからDC12Vに変換する際に生じる熱が省けて大違いになります。ただしバッテリーを部屋に置くという事は本来の使い方から外れた用法なので注意が必要です(有毒なガスが発生しかねない)。
てなわけで我が家では扱いに注意が必要ですがこのアンプをメインにオーディオ環境をシンプルに組みました。極力お金はかけない方向で。個人的にはイージーリスニングから、ちょっと本腰を入れたリスニング程度は余裕でこなしてくれます。非常に満足度の高いアンプです。全く同じモデルではなかったけれど中古ながら再び出会えて良かったと本当に思っています。(コンデンサーの劣化だけが心配)
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購入金額
20,000円
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購入日
2006年06月頃
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購入場所
ヤフオク
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