レビューメディア「ジグソー」

音に清冽な色気がある

オーディオなんちゃってマニア道。
オーディオ道は入ると底なし沼であることがわかっているので、「なんちゃって」ですがそれでも一般の人から見ればずいぶん金をかけているかもしれません。

それもどちらかと言えば、作り手のこだわりのある(物好きな)、古いと言われながらもガンコに王道を行く(かたくなな)ものに惹かれる傾向があり、一般的なメーカーは殆ど持っていません。

それはカーオーディオの世界でもまた。

夜帰るのが遅いこともあって、現在cybercat家の音楽鑑賞はPCに取り込んだ音楽データをDAC内蔵スピーカー

で鳴らす、というのがメインとなっている。このスピーカー、大変音に艶があり、また小さいわりにはガッツがある音だけれども、さすがに6cm少々(2.5インチ)の一発、低域が「朗々」というわけにはいかない。

そこでたまの休みにメインアンプ

に火を入れたりもするが、家族もいるので独身時代と違ってそんなに心ゆくまで聴けるわけでもない。

そんな状況の中、一人になれる貴重な時間が、そしてある程度の音量を出しても気兼ねがないのが車中(まわりは畑ばっかりなので昼なら沿道の近隣迷惑と言うこともない(^^ゞ)。そんなこともあってカーステレオは今まで3回に分けて施工・増強してきた。今はだいぶ思い描いた音の形に近くなっている。そのキーファクターが、2回目施工時に導入した本機。

家庭用の高級オーディオブランドLUXMANが、静置と車載、ACとDC、ピュアオーディオと多チャンネルタイムアライメント....といろいろと環境が異なるカーステレオ分野に、家庭用の王道の方程式を持ち込んで、でもそれが諸手を挙げて大歓迎されたのが20世紀末の1999年。当時100W2chのCM-2100と50W4chのCM-4050の2機種だったが、3年後の2002年にモデルチェンジした。4chモデルは正統進化でCM-4000に、多chニーズに合わせて6chモデル(CM-6000)追加、そして2chモデルはCM-20000へ....そうCM-2000でなく20000。
CM-2000でないのは2chなのにフラッグシップだから
CM-2000でないのは2chなのにフラッグシップだから
気合いが入っていた。

初代のCM-2100/4050の時代は4chである4050の方が5000円定価が高かったが、この2chモデルは4chを遙かに凌駕し、回路が3倍となる6chとは10000円しか違わない。

物量投入。

家庭用オーディオと同じ方程式で名機CM-2100をブラッシュアップした2chアンプ。LUXMANの家庭用オーディオでも導入されている入力波形と出力波形を比較検出した差成分=歪成分のみを抽出し、それを打ち消し用の歪成分として増幅回路にフィードバックするODNF回路はVersion2を搭載。主要部は6Nケーブルで配線、厚さ1mmの極厚シールド隔壁によってノイズを抑え、実にS/N比110dBというスペックを確保。
リアのフロア引きはがしたスペースに鎮座(施工は今は亡きニックスオーディオ館)
リアのフロア引きはがしたスペースに鎮座(施工は今は亡きニックスオーディオ館)
デカイ!(およそ50cm×30cm)重い!(約10kg)

限られたスペースの中でのやりくり、運動能力向上には重量物の排除によって挑む自動車分野にはどうかと思う方程式だが、でも音は.....澄んでいて味がある。澄んでいる...そう10年前のホーム用、「L-570X's」

とはちょっと違う端正さ。特にボーカルの帯域が良い。色、艶、ニュアンス、空気感....そしてボリュームを上げても歪まない怒濤の駆動力。

超高音域などは現在ではもっといいのもあるかも知れない。デジタルアンプもそのスペース効率でカーステレオ分野では大きな存在感を示しているが、あくまでこの王道アンプは...暖かだ。ボーカリストの存在感がイイ。ヒトが在る。

スピーカーはへたって2回交換したが、アンプは元気。この機種自体も10年後の2012年まだカタログモデル。では細々作っている死に体モデルか...いや2010年にはこれをベースにさらに高品質パーツの投入と、ODNF回路はVersion3に改良した限定モデル「CM-20000 Limited」が発売されたくらい。まだまだ一線級。他社がデジタル系に傾倒する中、我が道を行く。
姿も端正なアンプです
姿も端正なアンプです
車自体はすでに満13年経過、走行距離も12万キロ強で半年前の車検時にかなり手を入れたにもかかわらず、また左フロントのロワーアームのあたりからの音が大きくなり始めているので、(消費税が上がる前に)ソロソロ踏ん切り時かなと思い始めているけれど、地デジ対応でないカーTV等はともかくこのアンプは必ず移設しようと画策中。それだけの個性があるアンプ。

気合いの入ったLUXMAN入魂の「作品」です。

【CM-20000諸元】
連続実効能力:100W×2ch(4Ω)、400Wx1ch(4Ω、MONO)、1600Wx1ch(1Ω、MONO、瞬時最大)
S/N比(定格出力):110dB以上
全高調波歪率:0.005%以下(4Ω、1kHz、DIRECT)、0.008以下(4Ω、20~20.0000Hz DIRECT)
周波数特性:20~20,000Hz(+0、-0.2dB、DIRECT)、5~100,000Hz(+0、0.2dB、DIRECT)
消費電力:33.6W(2.8A、無信号)、354W(29.5A、4Ω、定格出力)
外形寸法:480(幅)×302(奥行き)×76(高さ)mm
重量:9.5kg(本体)

CM-20000製品情報
  • 購入金額

    350,000円

  • 購入日

    2003年09月05日

  • 購入場所

    ニックスオーディオ館

コメント (6)

  • harmankardonさん

    2012/06/25

    過酷な使用環境に良く耐えていますね.

    こういう,きちんとチューニングされた気合いの入った音を聞いてみたいです.
  • cybercatさん

    2012/06/25

    harmankardonさん、
    >過酷な使用環境に良く耐えていますね.
    たしかに。
    もう既に設置後9年なんですが、カロのナビやFocalのスピーカーと比べるとびくともしませんね。
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