歴史シミュレーションといえば、三國志、信長の野望、というのが、一般的になり始めた頃に出たソフトです。
時代の流れは、武将個人は能力値、特技等々、細かな情報が設定されて、見られるようになっていくゲームが主流。
お叱りを受けるかもしれませんが、その能力値や、特技の有無で、「使える武将」「使えない武将」なんていう括りを付けていましたねぇ。
地元である愛知県は、戦国時代に幕を下ろした人物に縁がありましたので、地元で名前を聞いた事がある武将は強くて、格好良く描写されておりましたけれども。
他の地方では、「あの武将を苦しめた事もあるのに、こんな能力なんて…」という事もしばしば。
また、国単位での取り合いになっていましたので、地方の区分は確かに平安辺りまで遡る分国制の呼び名ながらも、江戸時代の一国一城制度のように、主城が国の真ん中にポツンとあるだけ、という地図でした。
戦国、というか歴史物に、とっつき始めた人にとっては、その位の方が簡略的で、覚えやすいという利点があるものの。
初代信長の野望は大名家の当主だけ人物として登場していたから、と言い訳できましたが、武将個人が出だすとなると、ある程度の身分の武将たちは己の居城(砦なども含む)が有ったハズなのに…。
桶狭間の戦いも、丸根砦、鷲津砦の攻防とか、鳴海城の重要性とか、そういうものを含んだ上での奇襲成功ではあるので、そういった城が無いと、この地形のここで進軍止まったのは何で?と思っている、こういったゲームから歴史にハマった入門者はいました。(私も、教科書以外ではあんまり詳しく知らなかったですし)
という歴史マニアの不満が燻ります。
その不満を解決しようとしたのが、天下統一(システムソフト謹製)だったり、このゲームだったりする訳です。
そう、このゲームには、能力値の表記が無いのです!!
更には、石高は有りますが、兵糧や金銭自体の備蓄数値が有りません。開発値、なんていう収入に直結する便利な指標も無いのです。
国の境目が有りません。城単位で、奪い合う形になります。
ビックリするほどの画期的システム!!
これまでの歴史シミュレーションゲームの概念を吹き飛ばす、とっつきにくいとか、そういう次元を超えた異邦人です。
そして、何気なく、このゲーム、戦国物としては初の、プレイヤー大名の作成が出来るゲームかも。
歴史IFを更に発展した、「もし、自分が大名(武将)だったら」や「地元のこの人物は登場していたら活躍したハズ!」を叶える夢のようなIF。
なんですけれども。
前述のように、能力値の詳細は伏せられており、自分の担当する武将に比べて、同僚や上司の能力が上か下か、が色で示される程度となっております。
そうなると、基準となる自分の担当する武将の能力次第で表示が変わる訳ですから、よく分かりませんw
とはいえ、新規大名作成時の質問に答えて、能力が決まる感じは、好きでした。
何度も繰り返してみたなあ。
収録されている、高円寺博士と桜子の講座は、結構面白かったです。こういう講座、この時期流行っていましたねぇ。この部分は時代に媚びているみたいですw
秀逸だなあ、と思うのはモーツァルトの後宮からの脱出(多分?)という曲に乗って流れるオープニングですね。
凄くワクワクしました。後、クラシックの曲を聞き始めた切っ掛けかも。
覇者、云々の所に信玄、謙信、信長を並べるのは、当時の歴史ゲームのセールス的には仕方ない事かなあ。
天下に近いというのであれば、信玄、義元、長慶辺りを並べる方が、1552年辺りの認識に近いかもしれないですねぇ。
とかいうと、マニアック過ぎるかなw
パッケージは、渋すぎますw
これ、表紙がバーンと並べられていても、普通は手が伸びないです。
貴重なお小遣いをこれに投入するのは、よっぽどの歴史ゲームマニアですよね(自虐)
マニュアルには、国割りの白地図と、ゲームに登場するその国の城の名前が載った付録があります。
その記述では場所までは分からないのですが、一国一城でゲームが進んでいた他の物と比べて、新鮮でしたねぇ。
もう一つの付録は、武家が名乗る事を許された(?)或いは、ゲーム上取り入れた官位表です。
こちらも、位階が妄想をかきたててくれて、ワクテカしました。
ただ、私がこれを購入した時には、セーブ機器である天の声が壊れてしまっており、また、本体の調子も良くない状態になり始めた頃でした。
ゲームスピードを上げれば、数秒でゲーム内時間が三日程過ぎるとはいうものの、処理が重い部分があると、急激に速度が落ちる事もあり、セーブなしで長時間プレイする事は弟とのゲームプレイ時間の割り振り、親との約束もあり、不可能でした。
そんな中、本格的にプレイする前に本体が壊れてしまって、結局は講座だけを聞いた記憶しか残っていないのです。
今、振り返ってみると、
上記のゲームに通じるコンセプトであり、リアルタイムストラテジーとして、歴史シミュレーションとして、究極的にリアリティを出そうとすると同じ思考に辿り着くのかな、と感慨深いです。
登場する時代が早すぎたのかもしれません。
今のゲーム機の処理能力でコンセプトを正統進化したもの、出ないかなあ。
と、思わなくもないです。(上記のストラテジーを翻訳したサイバーフロントの解散を見るに不可能でしょうけれども)
2015.12.26追記
辛うじて動作する本体を発掘したので、OPデモキャプチャしてみました。
更にパッケージ画像追加。
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購入金額
9,240円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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