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DX11世代のRADEONシリーズの普及モデル

好調なセールスの続いているDX11対応GPU「ATI RADEON HD 5770」を搭載するHIS H577F1GDを購入してみました。発売からすでに数ヶ月が経過しているため今更感もありますが上位モデルのRADEON HD 5850と比較を交えつつレビューしてみたいと思います。


PCの構成は下記のとうりです。
ドライバーはATI Catalyst 9.12 hotfixを使用しています。

<Bloomfield/LGA1366>
・CPU:Core i7-920 @3.80GHz(BCLK190MHz、TBoff)
・マザー:Asus Rampage II Extreme (BIOS 1406)
・メモリ:Patriot Memory PVT33G1600LLK 3GB (1GBx3)
・VGA:HIS H577F1GD
・電源:Amacrox FreeEarth AX1000-GLN (1000W)
・ケース:NZXT TEMPEST(E-ATX PCケース)
・OS:Windows Vista Ultimate 32Bit SP2

<GPUのクロック設定>
・定格:HIS H577F1GD (850MHz/4800MHz)
・OC:HIS H577F1GD (950MHz/5000MHz)


●HIS H577F1GD
今回購入したのはHIS H577F1GDのBOX品。値段が安めなのは中古品のためです。

RADEON HD 5770はDirect X11対応するJuniperコアを搭載したミドルレンジ~アッパーミドル向けのGPUです。 40nmプロセスで製造されているので消費電力当たりの性能が高いことでも有名です。

コア性能としては上位のCypressコアの丁度半分の機能となっています。

中古品を購入したのは価格を安く抑えるという意味もありますが、最近販売されているのは内排気ファンを搭載するRev2と呼ばれているタイプのため、外排気ファンを搭載するRev1が欲しいので探して購入した次第です。


●付属品
付属品はドライバーCD、DVI>RGB変換コネクタ、CrossFireコネクタ、ペリフェラル>PCI-E6pin変換ケーブルです。(中古品ですから正確な付属品はわかりませんので参考までに。)


●ボードのサイズと重さ
ボードのサイズは意外と長くRADEON HD 5850とあまり変わりませんでした。サイズ比較用にRADEON HD 5970/5850と並べて撮影してみました。(写真1)

本体の重量は軽いので取り回しは楽です。

注意点として、外排気モデルのためM-ATXマザーボードではS-ATAポートを塞いでしまう可能性があります。購入まえにチェックを忘れずに。


●ファン形状について
今回のモデルチェンジの理由はコストダウンが主と思います。個人的には外排気モデルが好きでMainPCはHIS製のRADEON HD 2600PROからRADEON HD 4670と繋いできたのでRev2の内排気タイプは歓迎できません。(余談ですが、HISからRADEON HD 5650(?)のオリジナル形状外排気ファン搭載モデルも登場するとの噂です。)

外排気ファンを搭載したGPUは長時間運用時でもケース内温度の上昇を抑えるという重要なメリットがあります。

Rev2の内排気は頂けませんが補足としてGPUの冷却性能はRev2のほうが良好らしいという情報もありますが、内排気ファンの場合はケース内のエアフローが悪いとケース内温度が上昇していきますので、環境次第では冷却性能は高いとは言えませんので鵜呑みには出来ません。


==================


●ベンチマーク
ミドル~アッパーミドル向けのDX11対応GPUの性能をチェック!
ということでベンチマークテストを定格動作とOC動作の2パターンで計測してみました。
比較用にRADEON HD 5850のスコアも載せています。カッコ内はOCした状態です。

<RADEON HD 5770のスコア>
・Heven 1.0 FPS:37.5(41.0)
・Heven 1.0 Sco:944(1033)
・3DMarkVA P:11048(11910)
・3DMarkVA G:9412(10236)
・3DMarkVA C:23086(23385)
・3DMark06:17556(18369)
・3DMark05:27397(26359)
・3DMark03:50129(53201)
・MHFベンチ:14679(15615)
・FF Bench3(HI):10163(10297)

<RADEON HD 5850のスコア>
・Heven 1.0 FPS:46.8(50.1)
・Heven 1.0 Sco:1180(1262)
・3DMarkVA P:1572(16582)
・3DMarkVA G:14183(151302)
・3DMarkVA C:23359(23283)
・3DMark06:22447(23713)
・3DMark05:29361(30229)
・3DMark03:71452(75645 )
・MHFベンチ:20665(22391)
・FF Bench3(HI):10214(10254)

Heven 1.0はスコアは低いですが動きはそれなりに滑らかで悪くない印象です。MHFベンチやFFベンチ3HIの結果も良好です。3DMarkVAはさすがにカクカクでした(^-^;

コアクロックが高いためでしょうか。全体てきなスコアはRADEON HD 5850の2/3といった感じで予想よりは優秀かなと思います。OCによるスコアの上昇も確認できました。


●消費電力
ミドルレンジ向け製品ということで気になる消費電力を計測してみました。
カッコ内はOCした状態です。

<RADEON HD 5770>
アイドル時:174W(177W)
負荷時:263W(275W)

<RADEON HD 5850>
アイドル時:175W(175W)
負荷時:303W(298W)

アイドル時の消費電力はRADEON HD 5850とかわりませんでした。160W台になるかと予想していたので残念です。負荷時の消費電力についてはRADEON HD 5850より40Wほど低くなっています。


●発熱
排気口にサーミスタをセットして排気温度をチェックしてみました。
カッコ内はGPU-Zによるコア温度です。

<RADEON HD 5770(定格)>
アイドル時:25.0度(コア温度:33度)
負荷時:41.4度(コア温度:58度)

<RADEON HD 5770(OC)>
アイドル時:27.4度(コア温度:35度)
負荷時:43.8(コア温度:62度)

<RADEON HD 5850(定格)>
アイドル時:31.4度
負荷時:45.5度

冬という季節も手伝って低めな温度になっています。発熱も少ないようで良い感じです。


●オーバークロックについて
OCについてはCCCで設定できる幅は上位のRADEON HD 5850より広く、コアに関しては960MHz、メモリに関しては1445MHz(QDDRで5780MHz)まで設定可能です。 (写真3)

今回は余裕で安全圏内と思われる950/1250MHzで試してみました。
コアに関しては最大値の960MHzでも動作可能で、メモリに関しては搭載チップが5GHz動作対応品のためこれ以上は試してません。


●感想
40nmプロセスのおかげでOC耐性も高く、コアは950MHzでも余裕な感じです。OC時の消費電力の増加もRADEON HD 5850と同様に少ないので好印象です。発熱に関しても上位モデルより低くなっていますので扱いやすいと思います。

上位のRADEON HD 5850との性能と価格差が気になる方も多いと思います。性能的にはハイエンドモデルには一歩劣るため、消費電力と3D性能とのバランスを気に入るか次第かと思います。もちろん値段を気にしないなら上位モデルのRADEON HD 5870/5850の購入をお勧めします。

1万円以下で販売されている同社の旧ハイエンドGPU RADEON HD 4870/4890やGeForce GTX 260/275あたりと比べると性能がさほど変わらないため価格的に割高感はありますが、DX11に対応し消費電力面では2/3と大幅に低く低発熱になっているので、この部分にどの程度お金を出せるかといったところでしょうか。

メモリバス幅が128bitということで、どの程度性能が落ちているのかと思いましたが十分な性能を発揮してくれたので安心しました。現在は在庫も豊富で新品(Rev2)の価格は17,800円あたりまで下がっているためコストパフォーマンスは高いと思います。
  • 購入金額

    13,800円

  • 購入日

    2010年01月頃

  • 購入場所

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