レビューメディア「ジグソー」

無難な選択肢

その人気のためか、世にも珍しい左手用モデルまで販売されたRazer社のゲーミングマウス。形状は左右非対称の右手用で、左側が凹んで親指が掛けやすくなっている。マイクロソフト社のIE3.0に似ているが、それよりも一回り小さい辺りより日本人向けと言える。

 左右非対称だが重量バランスは良好で、変な片よりは感じられない。サイドの部分はつるつるした素材でいかにも滑りそうだが、二年以上使ってきて一度も取り落としたことは無いので致命的と言うほどでもない。どうしても気になるならグリップテープを貼るという手もあるが、この手の製品は耐久性が今イチで割と頻繁に張り替えなければならないのが面倒である。

 ホイールとロゴの部分にLEDが仕込まれているが、ロゴの方は何故か点滅する。ずっと点灯している方がかっこいいと思うのは自分だけだろうか……。

 さてボタン類だが、左右のクリックはストロークが短く、使用感も連打性能も高い。またサイドボタンは左のくぼみに二つあるが、これが非常に使いやすくて好印象である。数あるマウスの中でこれほど押しやすいものは少なく、これだけでこのマウスを選択する価値がある。ただ欠点はホイールで、ノッチが緩く少しヌル付くところがある。ホイールクリックこそストロークが短く良好だが、ノッチの緩さ故に誤爆する恐れがあるのが残念だ。

 ちなみにドライバさえ入れれば、どのボタンもソフトウェアマクロの割り当てができる。

 センサーの解像度は450、900、1800、3500の四段階。何故か3500だけ倍数では無いが、おそらくセンサー能力の限界が近いため念のため控えめにしているのだろう。ポーリングレートも125、500、1000の三段階に調節できるが、1000Hzまで上げるとネガティブが発生しているような気がするので、500Hzあたりに留めておいた方がいいと思う。

 今現在、1800DPI、500Hzで使用しているが、だいたいのマウスパッド上で問題ない追従性を発揮している。

 また、発売当初こそリフトオフディスタンスの長さが問題であったが、ファームウェアの更新でかなり改善されている。購入当初は国内販売がまだ行われていない時期で、そのときは一円玉四枚分くらい持ち上げないとセンサーが反応していたが、今は二枚で反応しなくなっている。

 Razer社のマウスには何かと問題がある場合が多いのだが、DeathAdderに関しては度重なるファームウェア更新とドライバのアップデートで随分使い勝手がよくなった。センサーの能力も申し分なく、ゲーミング用途で使うのなら十分に満足できるであろう。

 国内販売価格も昔に比べれば大分改善されているので、ゲーミンググレードのマウスではおすすめできる一品である。ただロジクールがかなり多機能で挑戦的な価格設定のマウスを出してきているので、それに比べると定価が高く感じてしまうのが欠点だが。
  • 購入金額

    5,200円

  • 購入日

    2010年頃

  • 購入場所

    海外公式

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