もちろん,editionシリーズは買えないので,とても尖っているといわれるDJ1PROです.そのため,好き嫌いがはっきりしていているようです. しかも,今回は(も?)JUNK品.
付属品は,ケーブル3本,CD,スペアのイヤーパッド,ステレオ→ミニ変換プラグなどです.カールコードの1本には途中にボリュームが付いていました.欠品は外箱のみ(たぶん).
肝心のJUNK理由はコレ.音は問題ない様子.
イヤーパッドが劣化していて,片側はひどい状態.
でも,その他の状態は非常に綺麗です.イヤーパッド以外は,ほとんど使用感は無く,キズもありません.不思議な状態です.
イヤーパッドは,予備が付いているので,無問題(お店の人は知らないにかも?).
なので,6480円という値段は,破格?
清水の舞台から落ちました.
その他,細かいことは抜きにして,DJ1PROの音は,特殊な音場で,明るいの一言です.
傾向的には,ドンシャリなんでしょうが,一般的にいわれるドンシャリではなく,中域が抑えられているというかある特定の帯域が凹んでいる感じです.高域はしっかり出て,あくまでもキラキラ.低域は重厚感はないものの引き締まっています.
では,スカスカな音かというとそんなことはなく,しっかり聞き応えがあります.解像度も厚みもあり,エッジがしっかり聞き取れますが,響きの部分が,異質です.
しかも,一般的にいわれている音場とは異なる拡がりで,開放型の広がりとは異なり,頭の周りに少し遠目に広がります.定位のはっきりしたスピーカーで聴く感じに近いです.
原音忠実性を求めるピュアオーディオ,モニター用には不向きです.
基本的にクラシックには向いていません.
ジャズもジャンルを選びますが,しっとり聴かせるタイプでなければ大丈夫です.
男性ボーカルより,女性ボーカルのほうが合います.
ポップスや明るいロックとは相性が抜群です.
打ち込み系の曲が最適です(perfumeを聴くためにあるようなヘッドフォンかも?).
宇多田ヒカルも曲によってはすごくマッチします.たとえば,1曲目のautomaticは,普通ですが,12曲目のautomaticは,ピッタリです.また,甘いワナ~Paint It,Blackにも合いますが,First Loveは,別の曲に聞こえます.
S-LOGICが搭載されているので,位置合わせ/角度あわせが必要になりますが,好みの音にマッチしてしまえば,逆にこれ以上のヘッドフォンは無いと思えるくらいに,楽しい音を聞かせてくれる1台になります.装着位置を前側にズラした方が,間接的に音が届くようになり,本来の意図になる気がします.後方にずらすと,高音がきつくなりすぎます.
ケーブルは片出しの脱着式で,ヘッドフォン側は3.5mmステレオミニプラグです.3.5mmミニプラグなので,リケーブル対応可能ですが,ねじ込み式になっているため,太いプラグは奥まで刺さりません.
いろいろなプラグと比較してみました.
ねじ込みする必要はありませんので,細めのプラグやプラグ自体の加工(右から2本目のように,3mm程度を外皮除去する)で,一般的なケーブルが使用可能になります.だいたい,7mm以下なら全く問題無く,8mm以下だとちょっと強引に,8mm以上だと刺さりません.
手持ちのケーブルで,延長ジャックや変換ケーブルなどを使い.簡単にリケーブルしてみました.
①ULTRASONE純正カールコード(ボリュームあり) 3m
低域も高域もそれなりにでます.
②ULTRASONE純正カールコード(ボリュームなし) 3m
①と同じです.
③ULTRASONE純正ショートストレートコード 0.7m
②に対して,少し締まった音になります.
④ELECOM延長ケーブル DH-MPJ15 1.5m
③を延長します.③の純正ショートケーブルに対しては変化を感じません.なので,③の延長としては使えます.
⑤で使うと低域が少し増した感じを受けます.
⑤オーディオテクニカ AT-CA44S/1.0 1.0m
純正よりバランスのとれた感じです.解像度は少し良くなった感じです.
⑥オーディオテクニカ AT-344A/1.0 1.0m
⑤のAT-CA44S/1.0とほぼ同じですが,少し甘い感じがします.
⑦BELKIN Mini-Stereo Audio Cable 6ft
低域がしまって,解像度が上がります.高域が延びますが,きつくなりません.
⑧メーカー不明 スリムプラグケーブル 1.5m
高域だけ目立ちます.中低域が欠落した感じです.
⑨上海問屋 シルバーコートOFC 1.2m
シルバーコートOFCの実力を見るために,RCA-3.5mm変換を利用して聴いてみました.
明らかに解像度が上がります.そのため,高域がきつく感じます.低域はあまり変わりません.
結果として,ULTRASONE純正のカールケーブルの音質はあまり良くないことがわかりました.ショートケーブルなら,一般的なケーブルレベルですが,室内用ではちょっと短いので,延長ケーブルが必要です.このショートケーブルを使うなら,そんなに高価な延長ケーブルでなくても大丈夫そうです.加工無しで,入手しやすさの面から考えても,③+④がオススメな組み合わせだと思います.
量販店で入手できるスリムプラグケーブル(500~1000円)なら,③+④の純正ケーブルを使った方が良さそうです.
オーテクのGOLDLINKクラスのケーブルなら,純正ケーブルより,解像度が増した感じを受けますが,加工が必要になるので,ショートケーブルからわざわざ交換するレベルではないと思います.
唯一,BELKINケーブルが,純正ケーブルよりより低音がしまって,解像度が上がった印象を受けます.ただ,このケーブルはプラグ部が金属製なので,加工できません.よって,スリムプラグに交換するか,延長ケーブルを加工する必要があります.しっかりしたスリムプラグは高価なので,折角ならケーブル毎自作してしまった方が良いと思います.
最後の⑨は現実的ではありませんが,リケーブルによる音質変化がしっかりわかります.解像度が上がり,高域がさらに押し出されて,ちょっときつく感じますので,余りよい組み合わせでは無さそうです.
今回試した中でのおすすめは,お手軽さで③+④の組み合わせ,音質で⑤+⑦をプラグ中継アダプタで使用する組み合わせです.ただ,この組み合わせは中継アダプタ部が重くなるので,リスニング位置に左右されます.それに,わざわざ購入してまでリケーブルする程の価値はないと思います.手持ちであれば,試してみるとおもしろいというレベルです.
音質改善はリケーブルよりイヤーパッド交換のほうが効果が大きいと思います.
DJ1PROは,側圧も頭頂圧も強めですが,圧迫感はあまりまりませんが,接続がステレオミニなので,左肩にあたります.HD650の装着感には及びませんが,2時間くらいのリスニングは苦になりません.
このDJ1PROをしばらく聴いてから,HD650やATH-M50などに戻すと物足りなく感じます.
ある意味,ハマルと危険なヘッドフォンであることは間違いないと思います.
最初の1台にこのDJ1PROを選択すると失敗すると思います.2台目以降の選択肢としては,すごくコスパのいいヘッドフォンだと思います.
決して,これ1台ですべてを網羅するようなオールラウンダーではなく,すごくジャンルを選ぶけれど,はまるとこれ以上のヘッドフォンはないと思えるような危険な1台です.HD650でも物足りなく感じます.
ヘッドフォンは2台目以降で,ゾネホンチャレンジの1台としては,オススメできると思います.ただ,余裕があるなら,editionシリーズのほうがいいとは思いますが...
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購入金額
6,480円
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購入日
2014年07月頃
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購入場所
harmankardonさん
2014/08/03