マウス形状はぱっと見左右対称に見えるかもしれないが、実際には左側の窪んだ左右非対称型のマウスだ。左側のサイドボタンくらいなんでもないと、左利きの人が買うと失敗するので要注意である。自分は元左利きで、今でも偶に左手で字を書いたりマウスを使ったりする。そのときになってあれ、なんか持ちにくいときが付いたわけだ。
形状はVX-Nと同じらしいが、自分はそのマウスを持ったことが無いのでその違いについては分からない。
流石に高級モデルだけあって、メインボタンのクリック感やホイールのできに関しては申し分ない。ホイールはロジクールでは定番となりつつあるフリー、ノッチ付きの切り替えモデルだが、M905のそれはロジ各種製品の中でも抜群の使用感を誇っている。ノッチを付けているときはきっちりと止まり、フリースクロール時はベアリングが滑らかに回る。トラックボールに通じる快適なスクロール感がある。
ただその切り替えがホイールクリックになっているため、その点に関しては注意が必要だ。慣れないうちはついついホイールクリックと間違えてしまうだろう。このシステムでは同様の機構を搭載したゲーミングモデルも出せそうに無いので、これに関しては残念な限りだ。
ホイール下とマウス左側にボタンが用意されているが、ホイール下のボタンはホイールクリックに割り当てることになるだろう。
電池は単三のものを二本使用するが、流石に二本搭載すると重い。デフォルトのソールがあまり滑らないものなので、布製マウスパッドの上で使うと尚更である。一応、電池一本でも動作するが、その場合左右のバランスが狂ってしまう。電池一本でも一ヶ月は持つため、最初から真ん中に一本だけにしてくれれば良かったのに、とは思う。
また高級モデルなのにエネループのような充電電池、及び充電機能が搭載されていないことも残念だ。定価だけを見ればG700のように充電機能があっても不思議ではないラインだが、その辺りは小型マウス故の宿命なのかもしれない。そういう機構を取り入れると、ケーブルまで持ち運ぶ羽目になるため、商品としての方向性が合わないと判断したのだろうか。代わりに専用ケースが付属している。
最後に本製品の目玉、Darkfieldレーザートラッキングである。
搭載センサーは最高1000DPIと近年のマウスの中では控えめな数字であるが、トラッキング能力は群を抜いている。公式ホームページにあるとおり、ガラスの上でも普通に動作するし、更に言うならアルミ板の上や鏡の上でも動作した。またトラッキング能力が高いにも関わらず、そのリフトオフディスタンスも一円玉一枚くらいと良好で、センサーの能力に関しては文句の付けようがなかった。神がかっていると言っても過言ではない。
携帯用マウスとして置く場所を選ばないというのは大きなメリットだ。ときどき事務机の上ですらまともに動作しないマウスもあるので、この能力はありがたい限りである。
結局として、このマウスが今イチ注目されていないようなのは、見た目から高機能さが伝わってこないところにあると思う。例えば兄弟機のM950はその外観から多機能型高級マウスであることをいかんなく発揮している。対してM905は携帯用小型マウスで形状も一見普通のマウスにしか見えない。そういった特別感の無さがこのマウスを地味なものにしてしまい、人気が今ひとつである理由の最たる原因となっているのだろう。
しかしDarkfieldレーザートラッキングという素晴らしいセンサーは携帯用マウスであるM905にこそ必要なもので、そしてその真価を発揮するものだと思う。一見地味であるため、その価格こそ高いように感じてしまうのだが、素晴らしいセンサーとホイールだけでも価格分の価値はある。
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購入金額
5,200円
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購入日
2010年頃
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購入場所
ロジアウトレット
aoidiskさん
2012/07/13
スゴイゆがみのマウスって思って
思わず見ちゃいました。