レビューメディア「ジグソー」

モバイル用13型"ネットノート"

ネットブックがAtomプロセッサーを使用するのに対して、Core2世代のCULV(コンシューマ向け超低電圧(≒低消費電力))CPUを採用した、ネットブックで不足な所をカバー出来る、私に言わせればネットブックに"毛の生えた"ではなく"毛の生えまくった"物がこの機種の様なネットノートだ。
もっとも、ネットノートと言ってどのような物なのか分かる人がいるのか疑問だが…(余談だが、"ネットノート"と言っていたのはこの類のノートPCを東芝が出したとき位で、結局ネットブックの様に名詞的には流行らなかった。)
CPUは低クロックのCore2DuoやPentium Cereron、メモリは標準2GB程、サイズは11型から13型、重量が1.3-1.8kg程と、東芝や松下のハイエンドモバイルノートPCと比べるとスペックやモバイルビリティに差を感じるが、15万以上するそれらと比べると性能と価格のバランスがちょうど良く手を出しやすい。
ネットノートは7万程度、最安では4万円台から買えるのでコストパフォーマンスは比べるまでも無い。

その中でもこの3810Tを選んだ理由は、ネットノートの中では大きめの13.3型液晶搭載と、1.6kgという13型液晶搭載機種では軽い更に薄いという理由だ。
CADを使う上で画面が大きいことに超したことは無いが、出来ればPC専用のバッグに入れず普段使用しているバッグにすっと入れて持ち歩きたかった私は出来る限り軽い物を選びたかった。
同価格帯でもっと軽いMSIのX340という13型液晶で1.3kg程のノートPCがあったが、CPUがシングルコアCeleronかCore2Soloのみという理由でやめた。
加えてMacBookAirのプラスチックボディという感じで、熱が籠もりそうだったからだ。

性能は、特にずば抜けているところも無ければへこんでいるところもない、という印象。
購入当時はVista Homeだったのだが、購入して数時間後にWindows7に入れ替えた。
故にVistaでのレスポンスは不明だが、Windows7での不満などは全くない。
普段は持ち歩くとき休止状態を利用しているが、休止状態からの復帰は十秒も待たずにパスワード入力画面に入るし、休止状態に入るときもあまり待たされない。
動画サイト閲覧を含めたブラウジング、自宅サーバーから配信されたTVソースの鑑賞、VectorWorksによる設計を行っているが、性能による不満を感じたことはない。
Windows7のWMPで使えるGPUアクセレートによって、H.264の2Mbps程度のFullHDソース鑑賞であれば視聴に問題は無い。
MacBookAirの様に薄くて軽くてそれなりにパワーがあると、マシンが熱くなったりファンが唸るように回ったりする物があるが、現在の使い方であればまずそんなことはない。
平常時ではファンの音が気になることはまず無いし、膝の上にのせていたりパームレストに手首を置いていても熱いと感じることはない。
あまり大々的に流行らなかったので知らない人も多いと思うが、本機はintelの開発したLaminar Jet Technologyという、取り込んだ風を筐体に匍わせて流すことにより筐体に熱を伝えない、という技術を用いている。
この技術のお陰なのか低発熱CPUだからなのかは分からないが、マシンが熱くてorなんかアホみたいにファンが回ってて不安、というのが無いのは安心だ。
本機には光学ドライブが搭載されていないが、リムーバブルストレージとしてUSB接続のHDDやフラッシュメモリが流行っている今日あまり問題にはならないだろう。
メインマシンとして使用するならともかく、私のようにデスクトップが他にあってサブモバイル機として使用するのであれば、わざわざドライブがある必要はない。

公称バッテリー駆動時間は8時間だが、無線LAN/Bluetoothを利用しなければ6-7時間は軽く動いてくれる。
無線を使用しつつだと、4時間程度という所だろうか。
電源の無い所で4時間以上も無線を利用しつつ使うことはまず無いので、バッテリー容量に関する不満は全くない。
1.6kgという重量ながらこれだけの駆動時間を確保しているのはすごいの一言だ。

メモリやHDDへのアクセスも容易なので、増設やSSDへの増設も簡単にできるだろう。
光学ドライブが無い分ファン以外ではHDDのみの1スピンドルなので、SSDにすれば冷却以外で0スピンドルにすることが出来る。
持ち歩くのにSSDは安心だし、バッテリーの持ちや通常使用時のレスポンス向上も期待出来るのでノートPCのSSDへの換装はかなり有効だろう。お金が回せたら是非やりたいところだ。
端子類も多すぎず少なすぎずで、不足無く使えている。
たまにマウスやヘッドセット等使うとき、Bluetoothが内蔵されていることもポイントになっている。
持ち歩きやすさも、軽さと薄さが相まってあまり苦にならない。
天板が金属なのも多少ではあるが高級感があって悪くない。
画面は反射のあるグレア画面で、発色がいい一方映り込みがあるという特徴は他製品と変わらず。
視野角は一般的なTNパネルのそれといった感じで、実際一人でノートPCを使用するにあたって問題にはならない。
薄さ軽さが原因となり画面を捻ると確かにたわむが、モバイルノートの金字塔dynabook RX1,2シリーズhttp://www.toshiba.co.jp/about/press/2009_01/pr_j1901.htmの頼りないペラペラ画面に比べればさほど問題ではない。


さんざん褒めちぎってきたが、このマシンの一番の欠点は液晶バックライトが二度も大外れだった事だ。
購入から半年後、さらに修理から半年後と二度も液晶のバックライトが破損、保証内の修理に出す羽目になってしまった。
保証内に二度共修理に出せたので出費は無かったが、安かろう悪かろうを垣間見てしまう。
この液晶バックライト騒動はリコール沙汰にもなったようで、ネットでも検索すると同じ症状の方を複数見かけた。
'11年2月に2回目の修理から帰還し現在も使用しているが、バックライトの不調が出る気配は今のところ無い。


コストパフォーマンスの良さと引き替え?にハズレクジ付きな物を買ってしまったが、いい買い物であったと思っている。
この後継機種では重くなっているし、現在これに代替出来る物と言ったら10万以上は最低する、各社のハイエンドモバイルPCしかないからだ。
是非末永く生きながらえてもらいたいものだ。


110525 少し加筆修正した。
また22日、zigsowプレミアムレビュー intel SSD 320レビュー当選の通知を頂いたので、物が届き次第組み込んでレビューを行いたい。
初プレミアムレビューなので手順等分からないところが多いが、折角のチャンスなので色々な方の役に立つ様なレビューを目指してみようと思う。
  • 購入金額

    59,800円

  • 購入日

    2010年01月頃

  • 購入場所

    川越 ソフマップ

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