単に一般向けに発売されたという意味では、HGST HDS721010KLA330が先駆者といえますが、この製品は500GBを2台買った方がずっと安いという価格設定であったため、単体大容量を必要とする一部ユーザーが買うだけに止まっていました。
その後に発売されたSeagate ST31000340ASも、HDS721010KLA330より若干安い程度の価格帯でした。WD10EACSも初回価格は約4万円と高額ではありましたが、間もなく実売価格が急速に下がりはじめ、他社製品よりも1万円以上安いという価格帯に定着します。
発売から半年を経過する頃には既に初回価格の約半額の2万円弱程度がごく普通の販売価格という状況になり、この頃から一般ユーザー向けにも1TBが浸透しはじめました。この辺りまでのWD10EACSは4枚プラッターの製品だったのですが、実売価格が15,000円前後となる辺りで、WD10EACS-D6B0と末尾に枝番が付いたモデルが出回るようになります。
このD6B0が付加されたWD10EACSは3枚プラッターで1TBを実現するべく、プラッター1枚の容量を334MBと高密度化したモデルでした。同じ面積により多くのデータが記録されているため、結果的にはシーケンシャル速度を中心に高速化も果たしたことになります。
ただ、安くて手軽に買ってこられるというメリットがあった反面、回転数可変技術IntelliPowerを採用していたためか、体感速度という点では他社製品にやや劣っていたため、私自身は専らデータ保管用として買っていました。
当時はこの製品が値下がりすると、しばらくあとで他社もそれに追従するように値下げを行っていたため、このクラスのプライスリーダー的な存在であったといえます。売り文句の一つであった省電力性能は体感できるほどであったか疑問ですし、性能面で特にみるべきものは無かった製品でしたが、HDDの低価格化を牽引した立役者として評価されるべき存在でしょう。
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購入金額
11,980円
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購入日
2008年08月08日
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購入場所
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