レビューメディア「ジグソー」

Intel製SLC採用SSD

IntelのSLC SSD 32GBモデル。私が購入したのはバルク品です。
エンタープライズ向け製品として位置付けられたこのSSDは「Single-Level Cell (SLC)」を採用し、高性能と高耐久性を両立しています。

当時、本製品とメインストリーム向けのX-25M、ACARD ANS-9010のどれかを次期メインストレージとして検討していました。
MLCの耐久性への不安、ANS-9010のコストパフォーマンスと運用性の難から、消去法で本製品を選択しました。
容量の不足、書込回数の低減を考慮し、本製品を2個購入してRAID0で運用することにしました。

【製品URL】
http://www.intel.com/jp/design/flash/nand/extreme/index.htm

【基本仕様】
記憶容量:32GB
NAND:50nm SLC Intel製NAND Flash Memory(並列10ch)
対応規格:2.5'' SATA 1.5 Gb/s 及び3.0 Gb/s (NCQ対応)

連続読込:最大250MB/s
連続書込:最大170MB/s
Random 4KB読込:35,000 IOPS
Random 4KB書込:3,300 IOPS
読込レイテンシ:75ms

MTBF:2,000,000時間
消費電力:2.4W(アイドル時:0.06W)
動作時衝撃耐性:1,000 G/0.5 ms
動作保証温度:0~70℃



規格通りの2.5''SATA(厚さ7mm)サイズです。
初めてのSSDでしたので、まずその軽さに驚きました。

2.5'' SATA規格に対応した環境でしたら、何の問題もなく導入可能でしょう。
私は3.5''ドライブ用のエンクロージャを使用していたため、2.5''→3.5''変換アイテムを使用しました。

RAIDコントローラとして(当時は)Adaptec ASR-2405を使用、問題なくRAID0アレイを構築できました。


購入当時は、ASR-2405に接続しての運用でした。
購入初期のベンチマーク結果は無くしてしまって手元にありませんが、連続読込で500MB/sを超えるスコアをマークしていました。
参考までに手元に残っている、ある程度使用した状態でのCrystalDiskMarkの結果です。
Intel X-25E 32GB*2 RAID0@Adaptec ASR-2405
Intel X-25E 32GB*2 RAID0@Adaptec ASR-2405

ところが、実際にOSをインストールして運用してみると、確かにWindowsの起動時間、大量のファイルコピー時などはベンチマークの通り間違いなく高速なのですが、下記のような不満を感じました。

 ・確かにトップスピードは申し分ないが、速度にムラがある。
 ・稀に(一瞬ではあるが)プチフリーズに近い、ラグが発生する。

それまで使用していたのが15,000RPMのSAS HDD、RAID0構成ということもあると思いますが、「巷で言われている程速くない」、「最高速度がどんなに速くても、瞬間的な速度低下(ムラ)があると、かえって不満に感じる」という結果になりました。

そのため予定を変更し、しばらくの間はゲームデータ用として使うことにしました。
ゲームのローディング時間への貢献度は大きく、オンラインFPSなどではほぼ間違いなく一番乗りでMAP読込完了、ゲームスタートできました。

その後、より高性能なRAIDカードを導入し、OSをインストールして試したところ、先に述べた不満点は解消され、非常に快適になりました。
Intel X-25E 32GB*2 RAID0@LSI MegaRAID SAS9260-8i
Intel X-25E 32GB*2 RAID0@LSI MegaRAID SAS9260-8i

しかし、これでもRAIDカードのキャッシュから溢れた場合の"4K QD32"の落ち込みが気になります。
Intel ICHに直結した場合の他の方のデータから推測するに、SATAのNCQが最大限有効に働いていないように思われます。
あくまで推測になりますが、RAIDカードの性能によってはオンボードのSATAコントローラに直結した方が快適だと思います。

私はSSDへの書込みの低減、キャッシュ内での高速性を優先してこのままRAIDカードに接続して運用していくつもりです。
現在はOSをインストールし、メインストレージとして活躍しています。


【+評価】
・SLC採用による書込み耐久性への安心感
・圧倒的な高性能(特に書込み時)
・駆動部分が無いことによる高衝撃耐性
・省消費電力

【-評価】
・それでもいつかは来るであろうSSDの寿命
・Trim非対応
・容量当たりの単価が高い


SLC採用による書込み耐性・高速性能、運用性はOS用途としては最高峰の製品だと思います。
ですが、最新のMLC製品でしたら低価格化、大容量化、Trimコマンドなどの寿命への考慮が図られていますので、あえて旧製品のこちらを選ぶ必要はないかもしれません。
  • 購入金額

    43,000円

  • 購入日

    2009年02月頃

  • 購入場所

29人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (10)

  • ひろひさるさん

    2010/06/30

    >最新のMLC製品でしたら低価格化、大容量化、Trimコマンドなどの寿命への考慮が図られていますから、あえて旧製品のこちらを選ぶ必要はないかもしれません。

    そうですよねぇ。
    とはいえ、何時かは試してみたいIntelのSLCですね、自分に取っては。
    ハイエンドなストレージ構成…甘い響きですもんね♪
  • Sheltieさん

    2010/06/30

    ベンチのスコアがとんでもない結果になってますね。一度体験してみたいです(>_<)
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