SL-C3200からHDDをカットしてフラッシュメモリに変更したモデル

2005年発売。ちょうどソニーがPalm OS搭載PDA「CLIE」の完全撤退を発表したころで、PDAというデバイス事態が収束を迎えつつある時期に登場した、Linux（組み込み向けLineo uLinux）を搭載した、いわゆる”リナザウ”の中では最後期に登場したモデルになります。同時に発表されたSL-C3000から4GBのマイクロドライブを削除してストレージを128MBのフラッシュROMに変更した廉価モデルという扱いのモデルでした。CPUはIntel PXA 270 412Mhz、RAMは64MB、液晶はVGA(640x480)タッチパネルという構成で、物理キーボードを搭載。画面を回転させることにより今のタブレットデバイスのような形での利用も可能になっています。

ザウルスといえば初代は電子手帳から派生したモデルとして登場し、当時からパソコン通信に対応するなど日本におけるPDAの走りともいえるようなモデルで、（手書き入力システムはAppleとの共同開発で、スティーブからは失敗作扱いされてしまったニュートンにも実装されていました）２００２年にはOSを独自のZaurus OSからLinuxベースに変更したいわゆる”リナザウ”に切り替わる形で販売されていました。

2002年当時から気になっていたのですが、当時使っていたPDA端末がWindows CE(Pocket PC/Handheld PC)搭載機とPalm OS搭載機メインだったこともあって結局今の今まで買わずじまいだったのですが、先月

を購入しに行った際に寄った秋葉原ハードオフでジャンク扱いとはいえ付属品も完品でそろっている本機を見つけたため即購入。実に１２年たってようやくリナザウを手に入れたことになります。

さすがに今となっては環境構築は厳しいし、動画プレイヤーとしても厳しいものの、文章作成マシンとしては秀逸。

さすがにリナザウ最終機のSL-C3200発売から８年経過していることや開発者の方がAndroidやiOSデバイスに移行しているようなケースも多いこともあってか現在入手できるソフトは限られてきますが、ある程度はザウルスシリーズのポータルサイトであるZaurusFan!で入手可能です。

当時は規格として存在しなかったため、標準ではSDHCカードを認識しませんが、こちらのSDHCドライバを適用することにより、最大32GBまでのSDHCカードに認識が可能になるので適用は必須になると思います。マイクロドライブ内蔵のSL-C3xxxxシリーズでもこのドライバを適用することで内蔵HDDよりより多くのデータを取り扱えるようになるので、今運用するのであれば適用は必須になると思います。

またスペシャルカーネルを適用するとCPUのオーバークロックが可能になるほか、NTFSフォーマットの外付けHDDの読み込み（Linuxカーネルの制限により書き込みは不可）も可能になるので適用しておくと幸せになれるとおもいます。

当時はモバイルARMCPUとしては高性能だったIntel PXA 270もいまとなっては１０年近く前のCPUとなってしまっていることもあって、最近のHD画質の動画の再生は無理ですが、標準搭載されているHancom Officeの性能が当時のモバイル向けOfficeスイートの中では表現力が高いほうだったことや打ちやすい物理キーボードを内蔵していることもあって文章作成マシンとしては今でも活躍してくれる一台になっています。また、

68kMacのエミュレーターである「BasiliskII」を使用して”ポケットに入るMacintosh”にすら変身させることができます。AndroidでもGoogle Play Storeでmini VMacがリリースされていますが、これはMac PlusやMacintosh SEといった初期のモノクロMacのエミュレーターで、BasiliskIIは68k後期のマシンのエミュレートも可能となっているのでMac OS 8まで動作させることも可能。さすがにオリジナルのBasiliskIIにあったネットワーク機能は未実装のまま終わってしまったようですが…

またこの時期のPDAはエロゲの勝手移植も積極的に行われていた時代でした。現在ではメーカー自らがスマホやタブレット向けに移植して販売していますが、当時としてはちょっと信じられない状況で時代は変わったなぁと。

PocketPC版では１０年前お世話になった「わっふる」でAVG32版Kanonも動くので試そうと思ったのですが現在は入手できない模様。またRealLiveエンジンの互換エンジンであるxClannadもあったのですがこちらも配布サイトの消滅で入手できなくなっているのはちょっとさみしい限りですネ・・・やはは。