Scytheの刀といえば現在「刀4」まで出ている伝統(?)の名で、全てがサイドフローでありながらナナメ下に排気するという傾斜構造を特徴としている。
しかしこの刀2は恐らく歴代でもっとも地味というかシンプルなデザインだ。初代は凝った曲面形状のフィンにヒートパイプ&ファンごと傾斜した本体を持ち、後継の3は放射状に生えるヒートパイプがやはり全体を傾斜させたヒートシンクを支える構造、そして4は3連の傾斜フィンを備えた形状だ。
…が、この刀2は一見フッツーのサイドフロー。ファンもヒートパイプも傾いていない。窓用シャッターブラインドの如くフィンだけが傾斜しているのが「刀」たる要素。
付属ファンは同時期のサイズ製クーラーによく採用された9cm穴を持つ10cmファンで、鎌クロスやスサノヲで使用されているものと同じ。3pinなのでPWM制御は不可能。一部のマザーやファンコン併用時以外は固定回転数となる。
ナナメフィンの分9cmクラスサイドフローとしては全高が高めでカタログ値149mm。12cmサイドフローのナイトホークがカタログ値159mmなのでその差は僅か1cmだ。
水平に吸気した空気がフィンに当たり下に向かうという構造は写真1枚目を見ていただけると判りやすい。これにより排気方向の基盤をある程度冷やす事ができる。排気風量自体は大したことがないが、大型の電源フェーズヒートシンクを持つマザーならその効果は無視できないだろう。
マウンタ部は鎌クロスと兼用で、LGA775はプッシュピン、AM2&478は純正リテンションを使い固定するタイプ。水平面積が大きい鎌クロスと比べると格段に装着はし易い。
10cmファンの回転数はうるさくもなく静かでもなく。但し固定回転数故に融通がきかなく、冷却能力も極端に高い訳ではない。E6750を4年間ノートラブルで冷やしたのだからデュアルコアクラスなら十分な性能だが、逆を言えばそれ以上の発熱を持つCPU相手だと力不足かもしれない。
ファンのマウント形式が独特なのも特徴で、クーラー下部にファンをはさむ為の金具が設置されており。そこにファンをはめ込んでネジで締め付けるカタチ。
下部1箇所のみの固定なのでファンの厚みさえあればどんなサイズのファンでも固定できるのだが
12cmファンは大幅にはみでて不恰好&ただでさえ高い全高が悲惨な事になるのでもし換装するとしても結局9cmファンに落ちつくだろう。12cm前提なんじゃないかと思う鎌クロスとは好対照だ。
締めた直後はしっかり固定されるのだが、長年の使用でネジが緩むのか、取り出したときはファンがグラグラになっていた。やはりこの固定方法はあまりよろしくなかったのか、後継のモデルでは採用されていない。
もらってきたはいいが当然世代的にLGA115Xには非対応。なので115X対応クーラー(Loki)のついたCore2Duoマシンにこの刀を装着、115X対応クーラーを玉突きで捻出するカタチになりそうだ。
ちなみに名前が刀なのでサイズお得意の触ると怪我するフィンかと思いきや、案外そうでもなく清掃のためにペタペタ触りまくったが大丈夫だった。まあそれでも他社クーラーと比べるとフィンが薄いので取り扱いにはやはり注意だ。
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購入金額
0円
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購入日
2012年04月18日
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購入場所
miraさん
2012/04/20
今となっては流行ってる構成がTDP95Wの4コアとかなのでちょっと力不足感はありますが、E6750とか次代のE8000番台とかその辺の時はみんな良くつけてたイメージあります。
>サイズお得意クーラーが凶器
たしかに怖いです。
一部のクーラーみたいに、側面を折り曲げてエアフローと怪我しないようにとか絶対考えないですからね。笑
まぁその薄さ故の性能と価格で人気のブランドになっているのでしょうが…
しかし羅刹とか夜叉とか、絶対殺意ありますよ。クーラーなのに。
下小川さん
2012/04/20
今早速E8400にくっつけたんですが、ナナメ排気がちょうどマザーのヒートパイプに当たるのでいい感じです。
あの薄さがスムーズに熱を放出させているんでしょうけど、ほんと怪我率高いですよねw
今回の刀は斬られませんでしたが、忍者参とオロチになんど斬られたことか…
ある意味物騒な名前に似合った殺傷能力ですがw