まぁ聞きながら、このCDの核となった小林径氏(以下、小林氏)を調べる事に。
ほんで、Wiki探したら見つけたので軽くご紹介。以下を参照の事。
(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%A1%82)
何気に経歴が凄い。15歳でプロとかありえへんよ……。
なにジャズドラマーって……。俺もうすぐ31になるけど、ジャズのドラムだけは叩ける気が全くしないよ。
ジャズのドラムってすんごい難しいんだよー。おいらもドラマーをチョコチョコ大体3年くらいは時間で計算して叩いているけど、ジャズだけは叩ける気がしません。
世の中には余り目立たない天才って多いのよねー。この人もそんな感じなのかしら。
って事で、まずは曲目から
1. フィリップ・グラス:弦楽のための「カンパニー」- 第1楽章
2. ペロタン:ベアタ・ヴィスチェラ(トーヌス・ペレグリヌス)
3. クロード・ドビュッシー:アルバムのページ - 負傷者の服のための小品
4. イーゴリ・ストラヴィンスキー:ピアノのための「タンゴ」
5. オットリーノ・レスピーギ:優しいワルツ 作品44の1
6. ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 - 第25変奏 (グレン・グールド、1955年)
7. ジョージ・ガーシュウィン:ポピーランド
8. フレデリック・ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調作品35 - 第4楽章 (ヴラディーミル・ホロヴィッツ、1950年)
9. ゲオルク・テレマン:食卓の音楽 TWV42:e2 - アレグロ
10. アストル・ピアソラ:天使のミロンガ
11. モーリス・ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ - 第2楽章 ブルース
12. マリオ・コスタ:汝我の命となり死す(エンリコ・カルーソー/ヴィンチェンツォ・ベレッツァ、1918年)
13. ジョン・アダムズ:フリジアン・ゲート
14. エリック・サティ:あなたがほしい
じゃぁ曲ごとの感想を。
一曲目 フィリップ・グラス:弦楽のための「カンパニー」- 第1楽章
この曲、聞いた瞬間から鳥肌が止まらないという現象が。
なんといえば良いのか…凄く難しいのだけども、この曲の為だけにこのアルバムを手に入れても俺は多分後悔しないと思う。
ジャズとはまた違うのだけれども、弦楽器特有の陰鬱とした力強さがかなり効いている。だからといって、じゃぁクラシカルか、と問われればそうでもない。
表現の出来ない、物凄い何か。
こればかりは聞いて貰わないと分からないと思う。
二曲目 ペロタン:ベアタ・ヴィスチェラ(トーヌス・ペレグリヌス)
……何語!?
というのがまず曲名の感想なんだけども、この曲も相当余分なものを削り落として出来上がった美しい彫刻の様な存在。
雨の滴り落ちる音に響く、女性の歌声。
この歌声も非常に秀逸。俺は聞いた瞬間聖母をイメージしたんだけど、優しさと力強さ、そして決して見せない弱き心。久しぶりに歌に魂が入っている歌声を聞いた。
一曲目からのこの繋ぎはもはや卑怯とも言いたくなる(褒める意味で)
三曲目 クロード・ドビュッシー:アルバムのページ - 負傷者の服のための小品
どこら辺が負傷者で、どこら辺が服で、どこら辺が小品なのかは全く持って不明だけれども、ジャジーなピアノが凄く存在感をかもし出している。
四曲目 イーゴリ・ストラヴィンスキー:ピアノのための「タンゴ」
これもまたピアノオンリーの一曲。ピアノのための『タンゴ』というタイトルの通り、基本的なタンゴの旋律なんだけど、これもまたいい曲。基本的なのに、どこかジャジー。不思議。
五曲目 オットリーノ・レスピーギ:優しいワルツ 作品44の1
だれよ!?というのは置いておいて、肝心の曲である。三曲目からピアノのみの構成になっているんだけど、これはナニカの前振りなのかな?
曲としてはやはりタンゴとジャズの融合みたいな感じです。個人的には好きです。飽きが来ない音作りって凄いよね。
六曲目 ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988 - 第25変奏 (グレン・グールド、1955年)
レコード?レコードの音を直録りしたような感じがする……。というかそう言う構成に敢えてしているのか。ある意味、アルバムの中ではかなりのアクセントになっているかな、とは思うけど……。
個人的には、これはどうも頂けない……。もっと違うアプローチがあっても良かったのでは?
七曲目 ジョージ・ガーシュウィン:ポピーランド
ジャジーな音に、温もりのある女性の歌声。ピアノと歌のみの凄くシンプルな構成。
浅学ゆえ、多分英語なのだろうけど、何を歌っているのかは分かりません(笑)
でも、二曲目と違って、こちらは凄く庶民的な感じがします。
好きです。こういう音w
八曲目 フレデリック・ショパン:ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調作品35 - 第4楽章 (ヴラディーミル・ホロヴィッツ、1950年)
まさかのレコード直録り二つ目。確かに凄い難しそうな曲なんだけど、だから何故この手法を使うか。天才の考えるこたぁよく分からんです。
九曲目 ゲオルク・テレマン:食卓の音楽 TWV42:e2 - アレグロ
なんか牧歌的でかつ陽気な音楽。ちょっとケルトが入っているかな?
軽快な音に、軽快な雰囲気。聞いているだけでちょっと笑顔になれるような曲。
好きです。っていうか、幅広いねぇー。ジャズからクラシック、ケルト(間然にではないにしろ)まで。
十曲目 アストル・ピアソラ:天使のミロンガ
鳥肌三つ目。すこし陰鬱な始まりの曲ですが、同時にロマンも感じられる曲です。
ほんと感情が豊か。喜び、絶望、憂い、そういう物が沢山詰まっています。これをどう表現したらいいのか分からないのだけれども、弦楽器は卑怯だと思うよ(を バイオリンとか。そういうの。
十一曲目 モーリス・ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ - 第2楽章 ブルース
不穏な始まり方ですが、バイオリンの表現が豊かです。弦楽器は卑怯だと思うんだ。
全体的に凄く不穏です。でもそれがいい。
十二曲目 マリオ・コスタ:汝我の命となり死す(エンリコ・カルーソー/ヴィンチェンツォ・ベレッツァ、1918年)
タイトルなっが!!(笑)
そしてまさかのレコード直録り三つ目。
アクセント入れすぎるとくどくならないかな……。
十三曲目 ジョン・アダムズ:フリジアン・ゲート
ピアノ一つでここまで壮大な曲を演ずるか……。なんだろう、凄く表現がしにくい曲でもあるんだけど、物凄く壮大な曲。テーマは自然です、そう言われても『あぁなるほどー』と思えてしまう位に壮大な曲。
壮大な中にも密かに息づく焦燥。
まるで現在の人類の様だ。
というか、この曲だけで24分以上あるよ。長すぎだろ……。いい曲だけれども、のんびりと時間とらなきゃ聞けないなー……。
十四曲目 エリック・サティ:あなたがほしい
直球でっせあんさん!!すんげぇ直球でっせ!!w
曲調としては、物凄くロマンティズム。どっかで聞いたメロディのような気がするのだけど思い出せない。
なんかパリとかで演奏されてそう。
総括
アクセントの為かレコードの音源直録の様な音源が三種もあったのはちょっと頂けないのだけれども、それらを考えても尚、このアルバムは凄いと素直に賞賛できる。
一曲一曲を聴いてみると、チグハグな曲でまとまりが無い様にも思えるのに、聞き終わると、全体の一体感が非常に秀逸に思われる。一曲一曲の個性も強いのに、アルバムとしても完成度が非常に高い。
あるいはアクセントになっているレコード音源がそのつなぎをしてるのかも知れないのだけれども。
ともかく、このアルバムは凄く秀逸だと思われます。
ただし、何度も言うがレコード音源は頂けない!!
なので、☆四つで。
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