更新履歴
2015/9/24 誤字修正
2015/1/24 レビュー課題以外でやってみたい内容、総評を追記
2015/1/23 新規作成
目次
■製品概要
■ユニークなSSD実装シナリオの提案(レビュー課題)
1.古くなったPCの再生シナリオ
2.外付けのパフォーマンス向上
■レビュー課題以外でやってみたい内容
1.オンラインゲーム(PSO2など)のパフォーマンス向上
■総評
■製品仕様
■検証環境
このSDDが発表されたのが2014/3ですから、そろそろ1年経つ訳ですね。
しかも昨年、既にプレミアム・レビューに登場しており、
さんざんレビューし尽くされた製品なのですね。
何を今更・・・
えー、それはさて置き、年明け早々に「お年玉企画」で15名ものレビュアーが
選出され、幸運にもその一人に選ばれたワケで。
よっ、太っ腹
これはどう見てもお年玉なのだから今更とか言わない、言わない。
さて、本レビューの観点は、
・古くなったPCの再生シナリオ(HDD→SDDへ換装)
・外付けのパフォーマンス向上
・オンラインゲームのパフォーマンス向上
以上の3点についてHDDとSDDの性能比較を行い、いかにパフォーマンスが向上したかを
検証するレビューです。
製品概要
オフィシャル・サイトに明記されてる730シリーズの基本コンセプトは、
「データセンター用ストレージ製品には必要不可欠な耐久性と信頼性に、
本格的なパフォーマンスを融合します。」
とのことですが、英語直訳で分かりずらいですね。
つまり・・・
「データセンター向けSSD技術を踏襲した耐久性と信頼性に富み、
本格的なパフォーマンスを実現するコンシューマ向けの製品です」
ってことですナ。
さて、気になる性能ですが、240GBのメーカー公証値によりますと・・・
・シーケンシャル読み込み550MB/秒、同書き込み270MB/秒
・2ドライブ構成のRAID0でのシーケンシャル読み込み1020MB/s、同書き込み530MB/s
・4KB ランダム読み込みは 8万6000 IOPS、同書き込み 5万6000 IOPS
・2ドライブ構成のRAID0での4KB ランダム読み込み136,000IOPS、同書き込み136,000IOPS
・更に530との比較で、コントローラーのクロックは1.5倍、
・NAND のバス速度も1.2倍ほど高速化
・耐久性は24時間/週7日の長時間駆動に耐え、1日50GBの書き込みで5年間保証
・平均故障間隔(MTBF)は200万時間
・耐久性(書き込み/日)は50GB
この製品のウリは高い耐久性と書き替え回数で他社のコンシューマ向けSSDでは、
1日最大20GB程度が一般的であり、ワンランク上の耐久性を持つとの事。
次に届いた製品を見ていこう。
まずは外箱から。
中身を取り出してみると・・・。
左から、本体、SATAケーブル、CD-ROM、ネジ、ステッカー。
本体のドクロマークが格好良いのとステッカーが何気にウレシイかも。
ユニークなSSD実装シナリオの提案(レビュー課題)
1.古くなったPCの再生シナリオ
メインPCのHDDと換装を行い性能比較を実施する。
(1)換装手順
SSDをデスクトップPCにマウントするには変換マウンタが必要なワケだが、
730シリーズには付属してないので、別途用意しなければならないマンドクサさ。
今回、利用したマウンタは「変換名人 HDM-25/35」。
SSDをマウンタに装着して本体PCへドッキング。
つづいて、HDD→SDDへお引越しですが添付のCD-ROMにはマニュアルしか
入ってないので、インテルのオフィシャルサイトからIntel(R) Data Migration Software
をダウンロードして使用。
起動したら、コピー先/元を自動認識してくれるので「今すぐクローンを作成」ボタンを
押下してPCを立ち上げ直すだけ。立ち上げ中にコピーが開始される仕組み。
約20分でクローニング終了。簡単、速い、便利。
(2)起動時間測定
BootRacerによる起動時間を測定し、換装前に使用していた
HDD(1TB Seagate ST1000DM003)との比較をグラフ化してみた。
「デスクトップ表示までの時間」で50%減、2倍の性能が出た。
「ログオン画面までの時間」で、70%減、3.3倍の性能差となった。
体感的にPCの立ち上げ時間が、もの凄く速くなった印象。
(3)R/W性能テスト
まずはWindowsエクスペリエンスで測定、ディスクのデータ転送速度をHDDと比較し
グラフ化してみた。
スコアを振り切って7.9をマークし、1.34倍向上。
CrystalDiskMarkによるR/W性能を測定し、HDDとの比較をグラフ化してみた。
SeqReadで2.48倍、SeqWriteは293.2Mb/sと当方の環境ではスペックが低い為、
Readと同等までは行かなかった。Core i7-4770KあたりのCPUを積んでいれば
同等性能まで叩き出せたハズ。それでも1.58倍の性能差が出た。
512K rdm/Rで9.46倍、rdm/Wは3.28倍となりrdm R/W性能は飛躍的に向上した。
続いて、4K rdm/Rは81.79倍、rdm/Wが53.55倍とサイズが小さいほど性能差が
見られた。さらに4K QD32 rdm/Rで257.29倍、rdm/Wで226.15倍と
NCQ機能を使ったランダムアクセスでは鼻血が出るほどの性能差となった。
また、ランダムデータと0filの性能差が殆ど無いことから記録時の圧縮は行っていない
と推測される。よく言われる事だが圧縮を行わない製品は、どのようなデータでも安定した
性能が得られる。
(4)CPU負荷テスト
CINEBENCHによる性能測定を実施し、HDDとの比較をグラフ化してみた。
グラフから見て分かるようにHDDとの性能差は殆ど見られなかった。
ここでSSDの温度測定を行った。
アイドル時の温度と変わらずに13℃をキープしたまま。音もしないし、温度も安定。
ノートPCには持って来いですナ。
(5)オンラインゲームのベンチマーク(PSO2、FF14など)
PSO2ベンチマークの結果、及びHDDとの比較をグラフ化してみた。
<高解像度設定時>
簡易描画設定:5
画面サイズ:1920×1080
インタフェース倍率:1.5倍
テクスチャ解像度:高解像度
シェーダ品質:標準
1.01倍と僅かだが一応の性能差は出た。ディスクへのアクセスよりはグラフィックカード
によるものがデカイから仕方ないか。
FF14ベンチマークの結果、及びHDDとの比較をグラフ化してみた。
・最高品質(1920×1080)
こちらも1.00倍と性能差は僅か。
2.外付けのパフォーマンス向上
HDD/SDDケースにBlackHexagon HD2HEXS-U3-CLONEHDDを用い、
USB3.0接続にてHDDとの性能比較を実施する。
(1)R/W性能テスト
CrystalDiskMarkによるR/W性能を測定し、HDDとの比較をグラフ化してみた。
SeqReadは204.1Mb/sと流石にUSB3.0接続ではSATA3との性能差が
あって当たり前。それでも1.14倍、SeqWriteで1.09倍の性能差が出た。
512K rdm/Rで2.55倍、rdm/Wは2.23倍となりrdm R/W性能は飛躍的に向上した。
続いて、4K rdm/Rは32.00倍、rdm/Wが23.17倍とサイズが小さいほど性能差が
見られた。さらに4K QD32 rdm/Rで34.21倍、rdm/Wで36.42倍と性能差は
歴然としている。
(2)ファイルコピー時間測定
外付け利用はデータのバックアップで用いられる事が多いため、4GBのファイルコピー
時間を測定し、グラフ化してみた。
外付けSSDへの書き込み性能は1.09倍と僅かだが性能差が出た。
次に外付けSSDからの読み込み性能だが、1.20倍とこちらも僅かだが性能差が出た。
サイズの小さいファイルを複数コピーする分にはもっと性能差が出るかもしれない。
レビュー課題以外でやってみたい内容
1.オンラインゲーム(PSO2など)のパフォーマンス向上
SSDに換装してどのように向上したか。
(1)起動時間の比較
PSO2起動時間をストップウォッチで測定し、グラフ化してみた。
ランチャーのスタートボタンを押下してからムービーが流れるまでの時間で、
1.14倍の性能差が出た。ディスクへのアクセスより通信に掛かってる時間の方が
長いのかもしれない。
起動してからランチャー画面までなら1.33倍ほどの性能差が出るのだが、元々、起動は
速いほうなので体感出来るほどでは無い。
(2)プレイ時の使用感
SSD換装後のプレイに何か違いが有ったか?
換装前でも当方の環境ではプレイ中にカク付いたりは皆無の為、通常プレイ時には
差が感じられない。この為、プレイ中のブロック移動によるロード処理に注目してみた。
4秒差で1.28倍向上。体感的には、「おっ、ちょっと早くなった?」ぐらいか。
総評
1.良かったところ
・HDDとの比較だと性能差は歴然としており、高いパフォーマンスを見せてくれた。
Windowsの立ち上げから、Officeなどのよく使うアプリなどは起動時間がもの凄く
速くなり、体感できるレベルなので作業がサクサク進む。もうHDDには戻れない。
「古くなったPCの再生シナリオ」と言う観点では十分満足の行く性能であった。
・性能差が顕著に見られたのは、
(1)Windows起動でデスクトップ表示までが2倍
(2)SATA3接続時、特に4K QD32におけるランダム性能が200倍以上
(3)外付け利用時、特に4K QD32におけるランダム性能が30倍以上
以上から、体感的にも格段に作業時間の短縮が図れる事が解った。
・耐久性については時間を要するため本レビューでは実施できなかったが、
通常、HDDで2年~5年持つところが本製品の場合5年と謳われており、
従来のHDDと比較しても見劣りしない。
・容量については、SSDが巷に出回り始めた頃の32GBクラスから見れば、
240GBは十分な容量であり、OSは元より、よく使うアプリも入れて問題ない。
さらに本製品には480GBも用意されているので、自分の環境にあった容量を選べば良し。
2.悪かったところ
・最近発売されたSSDにはマウンタや厚み調整用のスペーサーなどが
付属しないモノが多いが、別途買い足すのが面倒。しかも純正品でないと
ネジ穴が合わないなどトラブルも多い。
以前の機種には付属していた訳だし、ぜひ本製品にも付属して頂きたい。
(オプション販売だけでも合わせて買えるから助かるのだが)
・SSD換装後に「性能が出ない」事がよく起こると言われており、原因として
挙げられる主な理由に
(1)AHCIモードではなくIDEモードになっている。
(2)SSDを誤ってSATA2ポートに接続している。
(3)IRST(インテルR ラピッド・ストレージ・テクノロジー)が6Gb/sになっていない。
(4)アライメントがズレている。
などが有りますが、恐ろしく古いマザーボードを使っているとか、
普段から「慌てん坊」で無い限り(1)~(3)は無視して良いレベル。
一番問題なのが(4)で、パーティション開始オフセットが4096の倍数に
なっていない事がよく起こる。
HDDからの換装で、マイグレーション・ソフトが対応していない、
あるいはVerの古いものを使うとまず起こる。
そこで最新版の「Intel(R) Data Migration Software」を使えば意識することなく、
自動で調整してくれるので初心者にはありがたい。
さて、本題はココから。
にも関わらず添付8cmCDには入ってない。しかも、ダウンロードURLが小さく小さく
ラベルに書いてあるだけ。
初心者には分かりづらいかも?
どのみち、古いVerのシェアウェアやら対応してないソフトを使ってハマり込むのが
目に見えているのだが。ここは初心者向けにぜひともCD-ROMに収めて頂きたい。
製品仕様
ブランド:インテル
商品重量:68 g
商品の寸法:2.5 x 2.5 x 2.5 cm
メーカー型番:SSDSC2BP240G4R5
商品の寸法:幅 × 高さ 25 x 25 mm
HDD容量:240 GB
HDDインターフェース:SATA3 6Gb/s
消費電力 アクティブ:5.0W
アイドル:1.3W
検証環境
1.実装を試みたPCのスペック
OS : Windows 7 Professional 64bit
CPU : インテル Core i7 3770 [3.4GHz / 95W / L3 8MB / 4C 8T]
CPUクーラー : インテル 純正クーラー
メモリ : 【Micron】SanMax DDR3-1600 SMD-8G68CP-16K-D-BK 8GB[4GB×2]
マザーボード : ASRock H77M [intel H77チップセット/2メモリスロット]
グラフィックスカード : ASUSTeK NVIDIA GTX650-E-1GD5
ハードディスク : 1TB Seagate ST1000DM003
電源 : Silverstone SST-ST50F-P ATX 500W [静音 80PLUS BRONZE認証 ※ケーブル着脱式]
2.外付けに使用した機材
HDD/SDDケース:BlackHexagon HD2HEXS-U3-CLONE
比較するHDD:1TB Seagate ST1000DM003
ー 以上 ー
アラクレさん
2015/01/23
このSSD性能はそれほどでもないですけど、耐久度すごいですよね!
レビュー課題以外でなにをされるか、楽しみにお待ちしておりますー
ゴンタさん
2015/01/23
た、たいしたモノは出ませんが・・・
ゲームの起動時間測定とかですからw