レビューメディア「ジグソー」

インテルコントローラー搭載SSDの実力

INTEL 730シリーズSSDは、データセンター用の同社製品DC S3500シリーズと同じINTEL社製コントローラーチップを使用したというのが売りのSSDだ。

(530シリーズではSandForce社製のコントローラー)

 

ところが、実は書き込み速度は530シリーズよりわずかに遅く消費電力はアクティブ時5Wと7200rpmクラスの2.5インチHDDとほぼ同じスペック、530シリーズに至っては0.2Wであり、較べれば約25倍という驚愕のスペックである。

 

消費電力の一覧(W)

 

 

回転体の存在するHDDに対して、物理的に動くものが何一つとしてないSSDは当然消費電力が低いだろうと考えていた自分の浅はかさが良く分かるデータである。

少し考えれば、やたらパワーを食うグラフィックカードもCPUも動くものなど何一つとしてないわけで、性能が上がると消費電力はどうしても上がる傾向にあるらしい。

 

では、今回のレビューに当たって私が出したレビュー課題を見てみよう。

 

1. 一時的な作業領域としてのSSDの利用

2. 現在、HDDで運用しているノートパソコンをSSDに換装した場合、どれくらい起動速度が速くなるか。
  そして、動画を見続けた場合、バッテリー駆動時間は延びるのか?

 

そして、動画を見続けた場合、バッテリー駆動時間は延びるのか?

 

 

結論:延びる訳がないorz

 

全く伸びないどころか、短縮されてしまったため確認をしたところ、まさかSSDがこれほど電力を食うとは思っていなかった。

もし、駆動時間延長を狙うならIntel530を。

 

気を取り直して、課題をこなすことにする。

更新: 2015/02/03

Intel 730 は凄いのか??

今までSSDを使用してみて、体感的にSSDは早い。これは間違いない。

では、Intel 730は本当に凄いのか?

 

雫さんに聞いてみた。

Intel 730 240GBのスコア

 

比較するのは以下のSSD、HDD

 

 

ただし、この数値はRAID0構成時

 

そして、ノートPCで使用するHITACHI 5K750-500GB

 

まとめてみると以下の通りである。

 

 

 

 

 

数字的に見ると、連続する大きなデータを扱う場合に影響を及ぼすSeqはSSDとしては普通である。これは、単純に大きなファイルを移動する時などは驚くほど早くはないという意味だ。

 

WEBなどを使っているときに影響を及ぼす512KもSSDとしては凡庸といえる。

 

なお上記二つはSATAの規格の関係もあり、いずれにしろ頭打ちになってしまっている状態だということも付け加えておく。

 

圧倒的な差があるのは4K、4K QD32だ。これらは、実際にファイルを使用する、例えばOSやアプリケーションの起動や、実際の動作に直結する数値だが、SSDの中でも特にWriteは頭二つ飛びぬけた数値である。

 

実は240GBモデルは上位の480GBに較べて、Writeは1/2近く遅い。それでもこの数値である。

実際の数字で見ても、消費電力に見合う速度が出ているということが確認できた。

 

Intel 730シリーズのもう一つの特徴は、耐久性の高さらしく、一般的なSSDの耐久性能が20GB/日、3年間に対して50GB/日、5年間と約4倍とのことである。

ただ、これは長く使った場合には影響が大きく出るであろうが、今のところ体感できる様な差にはなっていない。

更新: 2015/02/13
使用感

同じSSDでも体感速度が変わる!

バタバタしていて出来なかったことの一つに、起動ディスクの切り替えというのがある。

つまるところ、今までCドライブとして使用していたCFDのSSDを一時データ用ドライブに、Cドライブを730にしようという話だ。

 

つまり起動ディスクを↓↓コレ↓↓

から

↑↑コレ↑↑に変えるという話

 

狙いはスワップ領域などの安定した確保だったわけだが、起動時間を計ったところ、デスクトップの表示まで70秒ほどかかっていたのが52秒ほどに短縮されていた。

何気に体感速度が異なり、驚いている。

 

なお、ソフトウェアの起動時間が大きく向上した感じは今のところはない(普段意識をしていないため、本当は向上していても気付いていない可能性大)

更新: 2015/02/01

一時的な作業領域としてのSSD

メインで使用しているソフトウェア、VegasProは、動作こそ軽快だが、他のソフトウェアを使用すると、その間、バックグラウンドで作動せず、再度使用しようとした際に、配置しているトラック上のデータを読み込みに行き、それが終わらないと次の作業が出来ない。

テロップなどをテキストファイルに入れている場合、それらをコピペすると、そのたびにデータを呼び込みに行くため、多大なタイムロスが発生する。

また、マスクエリアや素材をFireworksやPhotoshopなどで微調整して貼りなおす際にも同じくタイムロスが発生する。

もし、この呼び込み時間を低減することが出来れば、作業効率が大幅にUPするのではないか?

 

そもそも、このアイデアは作業環境を新しくするときには持っていたが、映像処理をする際は100GB-150GB程度の映像を使用することもあり、予算の都合上、大型のSSDを導入することができなかった。

 

今回、240GBのSSDを使用できることになったので、早速データをHDDに入れた際とSSDに入れた際とでその違いを確認することにした。

 

なお、使用したPCに関しては以下の通り。

 

Intel 730の内容物は極めて単純。

本体のほかには固定用のネジ、SATAケーブル1本、取り扱い説明書(pdf)の入ったCD-ROM、SPEED DEMONシール。以上。

3.5インチベイに装着する場合には、マウントが必要なので注意。

今回使用するIN-WINのケースには2.5インチディスクを取り付けられるスペースが二個あるため、難なく装着が可能だった。

 

 

 

 

OS自体はそのままCFDのSSDに入れてあり、IntelのSSDはデータ用にのみ使用。

どちらも同じデータを使用し、VegasProを立ち上げている状態で、Firewoks対応のPNGファイルを開くことによってFireworksを起動し、その後、VegasProに復帰するという単純な行為を行った。

 

では、早速その差をご覧頂こう。

 

いずれも比較的早く少々分かりにくいが、共に復帰開始をしたのは6秒5フレーム目、復帰はIntel 730が7秒5フレーム目、WD20EZRXが7秒16フレーム目であった。

1秒=30フレームなので、Intel31フレームで復帰したのに対し、WD20EZRX47フレーム目の復帰となり、Intelの方が約1.5倍早いことが分かる。 

 

今回は素材の都合もあり、全体的な映像の量も400MB程度と小さかったが、先ほど、25分(全部で30GB程度)ほどの映像素材を使用して同じ事をしたところ、Intelはほぼ同じ速度で復帰したのに対して、WD20EZRXは110フレーム程度=4秒近くを要した。

 

当たり前ではあるが、データを読み込んできて復帰をするタイプのソフトウェアにはIntel 730の導入は極めて効果的であった。

更新: 2015/01/31

ノートPC内臓の5400rpmHDDと交換してみた

現在サブマシン扱いのノートPCにOSをクリーンインストールし、そのHDDをSDDにクローンとしてコピー、まずは起動時間と終了時間がどうなるのかを試してみた。

 

使用したPCはこちら。

Intel i7-2670QMを搭載した、一昔前のノートPCである。画面解像度が低いことを除いては、WEBサイトの編集や、簡単な作業、ブラウジング程度には困ることがないため、リビングなどで使用している。

 

純正はHITACHI製5K750の500GB(5400rpm/8MBバッファ/SATA3GB規格)である。

 

 

起動にかかった時間(ようこそが消えるまで)は今までのHDDが1分24秒だったのに対して、わずかに22秒であり、体感差云々というレベルの差ではない。

また、シャットダウンも倍速以上のスピードである。

 

その上で、当初、SSDはHDDに較べて圧倒的に消費電力が少ないと妄信していたため、12GB程度の映像をエンドレスで流し続け(実際には最後までは上映できなかった)、いかにSSDが省電力で、入れ替えることによって、バッテリー駆動時間を延ばすことが出来るのかを謳いたかったのだが、結果は以下の通りである。

 

HDD 使用時

満充電よりシャットダウンまでの平均駆動時間

1時間48分(3回平均)

 

SSD 使用時

満充電よりシャットダウンまでの平均駆動時間

1時間42分(4回平均)

 

わずかではあるが、SSDの方が駆動時間が短く、どうしても納得いかずに調べたところ、本SSDは極めて高い性能と引き換えに、消費電力も極めて高いことが分かった。

 

というわけで、2.5インチの低性能HDDと較べると、性能と引き換えに意外と電力を食うのがこの730シリーズという結論となった。

 

なお、試してはいないが、Intel 530シリーズは、性能もそこそこだが、極めて消費電力が低いらしいので、こちらであれば十二分に魅力のあるレビューが書けたのではないかと感じる。

更新: 2015/02/01
総評

オーバースペックかもしれない

レビューを通じて一貫して言えたのは「とにかく快適だ」ということ。

もちろん、240GBという容量は、単体で使用するには心許なくも感じる。

特にノートPCにこれ一台でというのはほんの少し不安が残る容量だ。

また、2.5インチSSDとしては膨大な5.0Wという最大消費電力は、モバイル用途のノートPCには向かないかもしれない。要はオーバースペックなのだ。

 

しかし、Intelは530というSSDも持っている。

使い分けとして、ノートには比較的大容量でも値段がこなれており、消費電力の極めて少ない(最大で0.2Wだ)530を、そして、デスクトップのような、別段5.0W程度は誤差でしかない用途には730を。こういうメッセージなのではないかと思う。

 

その上で、今回メインではデスクトップ用として使ってみて、なるほど快適である。

 

ただし、残念ながら、他社製のSSDとの体感差はそこまで強く感じることがなかった(数値上は十二分に認知できる差があったし、また、アプリケーションの起動も、心持ち早くなった感じはある)

ただ、自分の作業環境の場合、映像を入れ替えながら(SSDを一時的な作業領域として使いながら)作業をすることになるわけで、仕事が切り替わるごとに、100GB前後のファイルを書き換えることになる。

そう考えると、この耐久性はありがたい。(むしろ、今まで一般的なSSDの耐久性が20GB/日程度しかないということを全く知らなかった。無知は恐ろしい。)

 

確かに普通に使うにはオーバースペックな面はあると感じるが、予算さえ許せば非常に安心して使うことが出来るドライブだと感じた。

12人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • cybercatさん

    2015/02/01

    消費電力は相手が省電力に振った低回転のWD20EZRXとはいえまさかの盲点でしたね。自分も今までの経験からSSD<HDDと盲信してました。参考になりました。
  • Kazma Kotobukiさん

    2015/02/01

    常識的にSSD<HDDだろうという気持ちでいました。
    本当に、こういう機会がないと気が付かないものですし、思い込みは怖いなと。
    もちろん、全体で見ればHDDの消費電力はさして高いものではないのですが、それでもちょっと前まで「0スピンドルでバッテリー寿命が云々」と聞いていた気がするので…

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