レビューメディア「ジグソー」

前世代を超えられるか!?


この度はジグソープレミアムレビュー「GIGABYTE 板祭リターンズ Vol.02」に御選出を頂き有難う御座います。
この様な機会を下さったzigsow様、日本ギガバイト様、CFD販売様に心より御礼申し上げます。

今回レビューさせたいただくRADEON 7770ですが、RADEON7000シリーズのミドルレンジの製品で、コードネーム「Cape Verde」を採用した製品。RADEON7000シリーズには、ハイエンドの7900シリーズとミドルハイ7800シリーズがあり、今回のレビュー製品は一番下位の製品群になります。

7770搭載の「Cape Verde」コアは、64基のStream Processorsと4基のテクスチャユニットなどで構成されるCompute Unitを最大で10基備え、7900シリーズの「Tahiti」コアと同じ第9世代のテッセレーターをジオメトリエンジン内に備える。メモリインターフェイスには、GDDR5対応の64bitメモリコントローラを2基備え、128bit幅でグラフィックスメモリと接続する。

他には、インターフェイスにはPCI Express 3.0を採用し、省電力機能の「AMD ZeroCore Power Technology」や、4K解像度(4,096×2,160)に対応した映像出力ポート(HDMI 1.4a 3GHz、およびDisplayPort 1.2 HBR2)、手振れ補正機能「AMD Steady Video 2.0」など、GCNアーキテクチャ採用のRadeon HD 7000シリーズでサポートされた新機能に対応します。

と能書きはこれぐらいで、早速レビューに入ります。
まずは製品の外観から。

ビデオカード本体以外に、取説、ドライバCD、4Pinペリフェラル×2-6PinPCI Express補助電源変換が付属しています。


ビデオカードの長さは、212㎜と長くはありません。一般的なミドルタワーケースならまず収まると思います。ただし、ロープロファイルには対応してませんので、スリムタイプのケースには搭載出来ないでしょう。

2スロット仕様で、出力はHDMI×1、DVI-I×1、Mini DisplayPort×2となっています。


補助電源は、6PinPCI Expressが1つ必要となります。


今回のプレミアムレビューの必須のお題は、「100mmオリジナルクーラーの冷却性能、騒音、デザインについて」でした。


まず冷却性能とデザイン。
今回お題以外でベンチマークを実施しましたが、比較がないといけないので、こちらと比較しました。


そちらの製品レビューをご覧になってもわかるように、比較対象のビデオカードが冷却性能の優れた製品です。
レビュー製品は100㎜ファンでコア、メモリにはアルミのヒートシンク。カバーはプラスチックのあっさりとしたデザイン。見た目だけで判断するなら、比較対象の6850のほうが冷えそうです。しかし、レビュー製品の冷却性能が劣るとまずい、大人の事情がありますので、祈りつつ比較してみました。

結果はこちら。

温度に関しては誤差の範囲以内。消費電力が若干下がってるのがGoodですね。

さて騒音ですが、これを文字だけで表現するとなると、「思ったより静か」「快適」とかになるんでしょうが、何か表現出来るものがないかと探しました。

ありました!!

アンドロイドスマートフォンを使って、音量を測定してくれるアプリです。
それでは早速測定してまいります。

まず測定場所の私のPC部屋の生活騒音です。窓は閉め切って、電器製品などの騒音の元となるものは一切起動してません。当然PCもです。
生活騒音
生活騒音

私の家は大きい幹線道路から50mほど入った住宅街です。一般的な生活騒音でしょうね。

次にビデオカードのファンのみを回転させました。「えッ!?どうやってビデオカードだけのファンを回転させたの?」と思われるでしょう。CPUファンとケースファンは手動で切りました。残るは電源のファンです。
このようにして、ファンを止めました。

電源を解体してファンの端子を外しても良かったんですが、面倒くさいので、細いドライバをフィンの間から差し込みました。
これでビデオカードだけのファンを回転させることができました。
結果はこちら。
ビデオカードのみ
ビデオカードのみ

少し騒音レベルは上がってますが、今回騒音測定をして思ったのが、家の前の道を車が通っただけで、35dB前後まで上がります。またデジカメでピントを合わせる時に鳴る「ピ、ピッ!」って音でも、35dBまで上がります。参考にしてみてください。ちなみにビデオカードのみではOS起動出来ませんので、BIOS起動までで測定しました。

次にOSを起動した状態です。PCに搭載されてるすべてのファンが回転した状態です。
結果はこちら。
PC起動
PC起動

35dB前後という結果になりました。先ほどビデオカードだけのファンを回転させた時より騒音が大きいということは、つまりビデオカード以外のCPUファン、ケースファン、電源ファンの発する騒音のほうがビデオカードのファンの騒音より大きいということですね。
騒音が大きくなった原因は、恐らくこちらのCPUクーラーだと思います。

静かなんですが、独特の高周波の音を発します。

以上でお題は終了します。

これからはビデオカードの性能の比較をして参ります。
性能比較は先ほど使ったこちらのビデオカードを使います。


比較はそれぞれの定格クロックと、それぞれオーバークロックした状態で比較します。
定格比較
定格比較

まずは定格での比較です。左が6850、右が7770です。それぞれの製品がリファレンスよりオーバークロックした製品なので、定格とは言えないかもしれませんが、製品での定格という意味で考えてください。
結果はわずかながら6850が勝ってます。しかし誤差の範囲内で、同等と言えるスコアとなりました。

次にオーバークロックした状態での比較です。
6850はコアクロック・メモリクロック共に5%オーバークロックしてます。
7770も同じようにしたかったんですが、5%のオーバークロックをすると、3D Mark Vantageが完走しませんでした。よって、コアクロック・メモリクロック共に3%オーバークロックとしました。
結果はこちら。
OC比較
OC比較

2%のオーバークロックのマージンを考えれば、互角といったところでしょう。ちなみに今回の7770ですが、先ほども述べたとおり、既にリファレンスからオーバークロックした製品です。よって、更なるオーバークロックのマージンは極めて少ないように思われます。

性能比較の最後に参考までに、PCIE Gen3でのベンチマーク結果です。
今回の7770は冒頭述べたとおり、PCIE Gen3に対応してます。しかしこの性能を活かせるのは、PCIE Gen3対応のマザーボードと、第3世代intelコアシリーズ必要になります。
ということで、こちらのCPUとマザーボードを使いました。


結果は7770定格での状態です。
7770定格gen3
7770定格gen3

上で定格での比較した時とほぼ変わりませんでした。このあたりですが、ひょっとしたら上位版のビデオカードでは多少変わってくるのかもしれません。しかし、そうしたハイパフォーマンスモデルを持ち合わせていませんので、あくまで推測になります。

あと消費電力も計測したかったんですが、手持ちのワットメーターが調子が悪く計測出来ませんでした。
HW Monitorを見る限り、ビデオカード単体で若干の省電力になってますが、システム全体では恐らくわずかだと思います。

ついでになりますが、添付のユーティリティを紹介します。

これが起動したところです。コアクロック・メモリクロックを調整出来ます。またファンの回転数も任意に設定出来ます。今回ベンチマークをかけてみた気付いたんですが、このビデオカードのファン回転数は私が見る限り、40%で固定になってるようです。高負荷時にも騒音も変わりませんでした。高負荷の作業をする場合は、こちらで回転数を上げたほうがいいかもしれません。

またこのユーティリティから、ビデオカードのファームのアップデートもできます。Sheltieさんの日記で目にして、最初にアップデートをして、レビューに入りました。貴重な情報ありがとうございます。



今回レビューさせていただいた7770を使ってみて、いわゆるエントリーモデルであっても、前世代のミドルレンジの製品に引けを取らないパフォーマンスを見せつけて、正直ビックリしました。上位版の7800シリーズだとしたら、どんなことになるんでしょう。
只今エントリーモデルと言いましたが、発売間もないこともあって、エントリーモデルでも結構いい値がします。ことGIGABYTEの製品に至っては、まだ6850のほうが高いですが、他のメーカーになると逆転現象が起きてます。つまり、他メーカーだと前世代のミドルレンジの6850のほうが安い。
このあたりが購入するに当たって、悩ましいところでしょうね。せめて6850と同価格帯になれば、新しいチップが搭載されたビデオカードを買われると思います。

最後に興味深い結果をお見せしてレビューを終わりたいと思います。
Windowsエクスペリエンスインデックス比較
Windowsエクスペリエンスインデックス比較

左が6850、右が7770です。3D Mark Vantageでのスコアも互角でしたが、Windowsエクスペリエンスインデックスの比較では、グラフィック、ゲーム用グラフィック共に「0.2」下がりました。

何故このような結果になったかは、凡人の私には理解出来ません。

ということで、見苦しいレビューとなりましたが、以上で終わります。
ありがとうございましたm(_ _)m

5/6追記
クーラーを外してみました。

グリスがてんこ盛り状態。
早速キレイに除去して、手持ちのグリスを塗りました。
そして3D Mark Vantageを走らせて、HW Monitorで観察してみました。
グリス塗り直し
グリス塗り直し

高負荷時でも7℃ぐらい下がりました。
しかし、グリスのてんこ盛りは良くないですね(^^ゞ

コメント (16)

  • harmankardonさん

    2012/05/05

    レビューお疲れ様です.

    ノイズメーターとは.いいアイデアですね.
    スマホ持っていないので,使えませんが,今後,いろいろなレビューで活躍してくれそうです.

    他の方のレビュー見て,付属ユーティリティの存在をすっかり忘れている事に気がつきました.



    真打ちネタが見つけられませんでした.
  • ナンチャンさん

    2012/05/05

    harmankardonさん

    お疲れ様です。

    このあとゆっくりレビューを拝見させていただきます(^^)
  • CLWさん

    2012/05/05

    レビューお疲れ様です。
    HD6850との比較は良かったです。

    ノイズ(音)をスマホで測定するとは・・・成程今風ですね。(*^_^*)
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