普段、ヴィンテージキーボードを使っているような自分ですが、イマドキな光り物のキーボードと言う事で、新鮮な気分でレビューしたいです。
さて、このキーボードは見て通り通常のキーボードよりも多くのボタンが付いています。ゲームで割り当てれるキーが18個(Gボタン)に、設定用のボタンが幾つか、そして正面には液晶ディスプレイが付いています。
フライトシュミレータのような、キー割り当ての多いゲームでは、その機能を単純にGボタンに割り当ててやるだけでかなり操作が楽になりますし、あれをして、これをしてという風にコマンドを指定しておく事も出来ます。さらに、このGボタンは3つのプロファイルを持つ事ができ、実質54個のボタンを持つことになります。
自分が感心したのは、左上にあるMRボタンを押す事で、パソコン側で操作することなく、キーボード単体でキー割り当てができる事ですね。
当然、パソコン側での設定も可能で、スクリプトエディタという、より複雑な設定も行えますし、キーボードバックライトの色の変更もできます。
正面の液晶ディスプレイには、時計や、メディアプレイヤー、ストップウォッチ、CPU使用率等が表示できます。自分は、主に時計を表示して使っています。ドットマの液晶なので、かなりチャチですが、あるとなかなかに便利だと思います。
このように、ゲーム用途以外でも高機能を発揮できるキーボードですが、キーボード本来の役割を考えてみるとどうでしょうか。
言うまでも無く、キーボードの役割はパソコンに文字を入力する事です。その行為を、心地良く行うことができるかどうか、そして間違いなく行うことが出来るかどうかが、キーボードとしての性能だと思います。
自分が、キーボードに興味を持ち出した頃に買ったIBM ModelMは、キーの中にバネを仕込み、これが折れ曲がる事でクリック感を出しています。これにより、通常のキーボードには無い、パキッとしたクリック感を出しており、心地よい打鍵が可能となっています。このように、キーボードとしての性能を高めている製品は存在するのです。
G510は、発売時の価格は1万円オーバー。高機能キーボードという点を除いても、その打鍵感は期待が持てたのですが、思いとは裏腹に、良い打鍵感とは言えませんでした。
同じラバードームを使ってクリック感を出している、NMBのRT6656と比べると、キーを押した瞬間の、ラバードームの変形の仕方にキレが無く、ラバードーム特有のグニャッという感触がより出ています。また、底打ち感もたわみによって、グニャグニャした印象を持ちます。
また、打鍵感以前にこのキーボードは妙な打ちにくくさをもっています。それは、普通のキーボードがチルトアップスタンドを立てれば、キーボードに傾斜が付く事で上部のキーの位置が下部のキーに比べて高くなるのに対し、このキーボードは、スタンドを立ててようやく全てのキートップが水平になるという、謎な造りをしています。IBM ModelMがスタンドを立てなくても、キーの位置が変わるという造りをしているのとは正反対です。
時代が違うと言えばそれまでですが、1万円も払って、キータッチがメーカー製PC付属のキーボードなんかよりも悪い、というのはちょっと酷いんじゃないかと思いますね。パソコンを使っていて、文章を打たないような場面は無いはずで、いくらゲーム用キーボードと謳っていても、キーボードとしての基本が抜け落ちていてはダメだと考えます。
きっちょむさん
2012/03/03
ここ最近の立て続けのキーボードレビューで、
キーボード熱が復活しちゃってます。(笑
ModelMが欲しいぃ。
名湯さん
2012/03/03
ModelMは、高いものと安いものとの差が激しいですね。テンキーレスのSpaceSaverなんかは2万近くになったりしますし。
リアルフォースや、FILCOも触ってみましたが、やっぱりヴィンテージキーボードの方があってる気がした自分でした。