レビューメディア「ジグソー」

これ1本で動画編集はOK!機能豊富な動画編集ソフト

このレビューは「intel Core i7 2700K速攻レビュー」の同時レビュー権によるレビューとなります。

CyberLinkの動画編集ソフト、PowerDirector 10です。
今までレビューを作成する際に同社製のPowerDirector 8を使用していましたが、最新のPowerDirector 10のレビュアーに選出いただきましたので、早速使い勝手などを中心にレビューをさせていただきます。


■とにかく盛りだくさんな機能群

家庭用の動画編集ソフトとしては驚異的ともいえる、盛りだくさんな仕様になっています。
PowerDirectorは以前から使っていますが、3D対応や64bitネイティブ対応、OpenCLによるハードウェアアクセラレーションなどの最新技術も取り入れられています。

主要な機能は下記の通りです。
・最大100本まで追加できるタイムライン
・300種を超える多彩な編集ツール
・ニコニコ動画、YouTubeのほかFacebookなどとの連携
・専用コミュニティサイトDirectrZone
・64bitネイティブ対応
・OpenCLによるハードウェアアクセラレート
・TrueTheaterによるアップスケール
・3Dの読込・出力のほかトランジションも3D対応


■わかりやすいインターフェース

左上に素材などを管理するメディアルームや各種トランジションを選択するためのウィンドウ、右側にプレビューエリア、下段にタイムラインが並ぶわかりやすいインターフェースです。
画面構造
画面構造

基本的な操作はマウスのドラッグ&ドロップなどだけですので、簡単に動画を編集することが可能です。


■早速使ってみる

今回は、内容はものすごく単純ですが、レビュー用の動画を作成してみることにします。
完成した動画は下記のものとなります。



動画はLUMIXのLX3で撮影した素材を使用します。
動画のクロップなどはTMPGEncの方が手軽ですので、事前に不要な部分を削除するなどの処理を行いました。
もちろん、PowerDirector 10に取り込んだ後に加工することも可能です。
編集した動画は非圧縮AVIとして出力して、後ほど加工することにします。

1,用意した動画をPowerDirector 10に放り込む
すでに加工済みの各動画および画像を、PowerDirector 10のメディアルームにドラッグ&ドロップすると、メディアルームに登録されます。
メディアルームに素材を追加
メディアルームに素材を追加


2,タイムライン上に並べる
今回はHDDとSSDの2つの動画を平行して再生するため、ベースのタイムラインに黒い背景をひき、タイムライン2と3にそれぞれの動画を並べていきます。
動画を並べる時は、タイムライン上で動画をドラッグすると他の動画の開始点・終了点やガイドでスナップしますので、場所あわせは簡単に可能です。
タイムラインに素材を配置
タイムラインに素材を配置


3,配置サイズを変更する
PiPとして配置した動画は簡単にサイズを変更することが可能です。
右上のプレビューエリアで、2枚が平行して表示されるように動画の大きさを変更しました。
ただ、このツールがちょっと使いづらく、自動的にスナップするのは良いのですがスナップする場所が固定になっている上、動画の配置場所をカーソルキーで移動できない(マウスのみ)のため、微妙な位置調整が行えません。
動画を配置
動画を配置


4,トランジションの実装
豊富なトランジションの中から、適切なものを選び、タイムラインの動画にドラッグ&ドロップします。
トランジションはあまり種類を使いすぎるとまとまりが無くなってしまいますので、要所要所で決めたものを使うか、複数種類を使う場合でも方向違いのトランジションを使うなど、あまりちぐはぐな感じにならないようにしています。
PowerDirector 10のトランジションは種類も豊富で、使い勝手が良いのが気に入っています。
トランジション
トランジション


5,タイトルの挿入
タイトルのテキストを入力します。
タイトルにもエフェクトを設定できますので、プレビューを見ながら使いたいエフェクトを設定します。
テキスト編集
テキスト編集


6,書き出し
すべての作業が完了した後、書き出しを行います。
OpenCLによるエンコード支援のおかげで、HD画質のビデオですが3:49秒の動画書き出しは3:42と、ほぼ等速でのエンコードが可能でした。
OpenCLによるアクセラレート
OpenCLによるアクセラレート



■PowerDirectorシリーズの使い勝手の良さ

PowerDirector 10の気に入っているところは、マニュアルを見なくても操作出来る点です。
動画をタイムラインへドラッグし、表示したい位置に調整してトランジションを加えるといった操作が簡単に行えます。
エフェクトやトランジションもプレビューで動きを確認できますし、編集した動画をプレビューエリアで確認できますから、思ったような動画が作成可能です。


■3D機能に挑戦

TrueTheater 3D機能を利用して、2D動画を3Dに変換することが可能です。
早速、3D変換について実験してみました。

・3Dに変換するには設定が必要

3D変換に使用したのは、地上波デジタルをMPEG2-TS形式で録画した動画となります。
MPEG2-TS動画をそのままPowerDirector 10のメディアルームにドラッグ&ドロップし、タイムラインへ貼り付けます。
この際、動画の編集→パワーツールを選択し「2Dから3Dへ」を選択します。
パワーツールメニュー
パワーツールメニュー


シーン深度のスライダを+方向に動かすことで、立体感を出すことが可能です。
複数の動画に適用させる場合は「すべてに適用」ボタンを押せば適用可能です。
動画の出力に3Dがありますが、パワーツールで3Dに変換させないと立体になりませんので注意が必要です。
深度設定
深度設定


出力はH.264による出力ではH.264マルチビューコーディング、サイドバイサイド、アナグリフから選択可能です。
3D方式
3D方式

今回はHMZ-T1での立体視にチャレンジするために、H.264マルチビューコーディングおよびサイドバイサイドにて出力しました。
書き出しの際に3D変換を行うとハードウェアによるアクセラレーションが効かないため、フルHDのH.264マルチビューコーディングでは、Core i7 2700K@5GHzの環境でも2:30の動画書き出しに8:06もかかりました。

3D動画を再生するには、3D対応のプレーヤーが必要となります。
今回はCyberLinkのPowerDVD 11を使って視聴することにします。

・若干立体にはなるものの…

結論から言うと、やはり2D→3D変換は限度があります。
多少厚みが増した感じにはなりますが、驚くような立体感は得られません。
もともと深度がない情報を元に3D処理を行っていますので、このあたりは限界があるのかもしれません。
手軽に2Dの画像を3Dに変換できる面白さはあるものの、やはり3D専用のコンテンツに比べるとリアルさには劣ってしまいます。
3Dのトランジションやエフェクトも若干立体感が出るくらいの感じで、思ったよりは変化がありませんでした。


■まとめ

タイムラインも使いやすい上に複数のビデオトラックやオーディオトラックを配置でき、直感的に使えるインターフェースはPowerDirector 10の魅力です。
OpenCLでのハードウェアアクセラレーションも使えますので、HD画質の動画の書き出しも楽々対応可能です。
機能が多すぎて一部分しか使っていませんが、私の使い方からすると十二分の機能を有していると言えます。
惜しくはタイムラインに配置したパーツの移動をカーソルで行えないなどの細かい修正が効かない点ですが、家庭用なので使い勝手の簡単さを重視して作られているための割り切り方なのかもしれません。

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • aoidiskさん

    2011/12/25

    な~るほど、おもしろいですね。

    そんなこともできるんだ。ずっと使っていたのに、

    知らなかったです。参考になりました。

    レビューお疲れ様です。
  • ちょもさん

    2011/12/26

    aoidiskさん:
    3Dの深度設定は私も最初は気づきませんでした。
    他にも気づいていない機能が多々ありそうです…
  • ぽんさん

    2012/01/17

    レビューお疲れ様です♪

    3D深度、そういうことだったんですか。
    わからなかったこともあり、先日アップした動画は以前つかっていた3D作成フリーソフトをつかってました^-^;;;

    今度挑戦してみますね。
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