とは言うものの、その最高に神秘的で現実的なウェルズのSFは100年以上経過した今でも読み手に迫る物があった。
ウェルズの作品の背景には知らない事/見えないものへの恐怖感と好奇心が隣り合わせにある。
確かに幾つかのパーツについては、時代遅れな所がある。
しかしながらも、時代を超えた何かをウェルズの作品には感じる事が出来る。
今、自分たちが抱いている”宇宙人”のイメージを最初に世間に伝えたのはウェルズである。
そして、彼が見ていたビジョンはいかにもおどろおどろしく、日本で言うならば妖怪の類に近かったのが分かる。
しかしながら、彼がイギリスに居たため、それは宇宙人という別の存在へと変貌を遂げた。
同様に、タイム・マシンで描かれた未来人たちは、未知への恐怖という姿を借りてウェルズのそして読者の前に姿を現れた。
この作品は人によっては退屈かもしれない。
しかし、SFの基礎知識として目を通しておく事は悪くないと思う。
もちろん、SFはこれを読まなくても十分に楽しめるジャンルではあるが。
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購入金額
546円
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購入日
2008年頃
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購入場所
どこかの本屋さん
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