1943年頃から1945年の春のドイツ敗戦までを黒騎士中隊の隊長車の乗組員を主人公として描かれる戦車劇画。
原作有だったり完全史実準拠ならまだしもオリジナルストーリー作品なので、詳しくいうとネタバレが残念すぎるので内容は特に触れません。
当初ホビージャパンで連載され、その人気から別冊化。さらに単行本化されたのがこれである。
クルツ・ウェーバー(ヴェーバー)が東部戦線(独ソ戦線)の補充兵としてやってくるところから話は始まる。
この手の作品ではやたら解説口調で不自然なことも多いが、黒騎士物語はよく考えてある。
リアリティを保ったまま、詳しい説明を入れるのにペーペーの補充兵クルツが先任から訓練されたり指導される形をとっているため全く違和感がない。
そして実際の戦闘では中隊長にして戦車長のエルンスト・フォン・バウアーの死闘が続く、その指揮下で闘う乗組員の一体感も見ものだ。
ちなみにこの作品は基本的にオリジナルストーリーだが、戦線全体の流れは史実に沿っているのでリアリティが保たれている。「本当にいてもおかしくないな」と思える納得感がある。
さすが画力が魅せる!
キャタピラ(履帯)が跳ね飛ばす泥。走り去るオートバイの砂埃。爆風。黒煙。これが小林源文お得意のペン画と薄墨で描かれる。さすがメカの細部にこだわるホビージャパンで連載されて人気を保っていたわけだと思う。
余談:大判コミックスではあるが、本来のサイズはホビージャパンと同じA4サイズなので絵の細部が気になる人は頑張ってホビージャパン別冊版を探すか、復刻された愛蔵版の方がいいと思う。
作者のサイトGENBUN-WORLDの売店から買えば、サインを書いてもらえる。
ちなみにカバーデザインはこの日本文化社版が一番味わい深くて好きだ。
・・・まあなぜかカバーのデザインテキストはドイツ語じゃなくて英語だったりするが
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購入金額
1,000円
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購入日
2004年頃
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購入場所
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