今まで使ってきたヘッドフォンは、リケーブルに対応するもの自体SONY MDR-1Rシリーズだけであり、バランス接続に対応するものは皆無でした。
今まではあまり凝ったヘッドフォンアンプを使ってこなかったため、それで不満を感じることはなかったのですが、最近入手したRATOC製品はいずれもバランス接続で真価を発揮するものです。
そこで将来的にバランス接続に対応させることが出来、かつ音質的にも定評がある製品ということで購入したのが、このSENNHEISER HD650です。
付属品がきちんと残っていて比較的安いものを探したのですが、結果としてはヤニ汚れがひどいものでした。非洗剤系の洗浄液で散々磨いてようやく匂いやべたつきが収まったというところです。
写真は開封直後のものですので、4枚目などを見るとヤニっぽい色が付いていることが見て取れるかと思います。
演奏者のすぐ近くで聴くイメージ
今回はどうせバランスケーブルがあるわけではありませんので、常用しているLUXMAN DA-100のヘッドフォン出力に接続して試聴してみました。厳密にはDigital Audio Labs CardDeluxe CDX-01の同軸デジタル出力からの信号をD/A変換して聴くという形です。
基本的な傾向としては、これまで常用していたaudio-technica ATH-AD10と同様にオープンエア型であるだけに近いものがあります。モニターライクというよりはリスニング系です。
しかしATH-AD10との決定的な違いは生々しさや質感という部分でしょうか。同じく耳のすぐ脇で鳴っているはずなのに、HD650の方が楽器やヴォーカルの間近で聞いているイメージがするのです。臨場感で上回っていると表現すれば良いのでしょうか。
雰囲気型が基調となっているとはいえ、正確性も充分確保されていて、ベースラインのかなり低いところからハイハットに至るまできちんとレンジは確保されていて、頭打ちに感じるような部分もありません。
最近試聴用ソースとして最もよく利用している、
のようなハイレゾソースを聴いてみると、特に情報量の多さが際立ちます。
今日は他にやることが貯まっていたので試聴はあまり出来ていませんが、後日他のヘッドフォンアンプでの試聴結果も追記したいと思います。
2015/04/02追記
時間が取れましたので、ヘッドフォンアンプを替えて試聴してみました。組み合わせたのはこちらです。
ソースはDA-100と同様です。
RAL-DSDHA2では、ローエンド・ハイエンド共に解像度が増して緻密さが出て来ますが、その反面少し表情が乏しくなったように感じられる部分があります。よりHi-Fi傾向ではあるとはいえるのですが。
音場の密度感などはRAL-DSDHA2の方が上なのですが、ヴォーカルの質感や弦楽器のなまめかしさなど、DA-100の方に魅力を感じる場面も少なくはなく、この辺りは好みの問題としかいいようがありません。強いていえば、DA-100の場合には送り出し側の音量を抑えめにして、マスターボリュームの方を上げて使った方が好結果になりますので、使われているボリュームの品質はさほど高くは無いのかもしれませんが、意外とヘッドフォンアンプのクオリティも悪くはないといえます。
純粋にどちらで使った方が高音質といえるのかといえば、それは間違いなくRAL-DSDHA2の方です。しかし、HD650の持ち味であるリスニング用途を重視するのであれば、聴かせ方の巧さがあるDA-100との組み合わせもまた魅力的といえます。
ついでにDAPとの組み合わせも一応試してみました。
しかし、こちらは結論からいえばどちらもHD650をきちんと駆動出来る力はありません。確かにそれなりの水準で鳴らすことは出来るのですが、特に低域方向は質・量共にRAL-DSDHA2やDA-100と同列で比較出来るほどの水準には達していませんし、ヴォーカルなどの質感も大きく落ちます。
HD650を鳴らすためには、一定の水準のヘッドフォンアンプがあれば、それぞれの特徴を楽しむことが出来るが、気の利いたDAPという水準の機器ではとりあえず鳴らすだけで精一杯というのが結論となりそうです。
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購入金額
25,800円
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購入日
2015年03月30日
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購入場所
ソフマップ
harmankardonさん
2015/03/30
標準ケーブルもなかなかの実力ですが,銀ケーブルにすると解像度が上がりモニターライクになります.
さらに上のケーブル,特にバランスケーブルを使うと別世界のようです.
今後が楽しみですね.
jive9821さん
2015/03/30
有難うございます。
DA-100では本領を発揮出来ていないかも知れないのですが、それでも惚れ込む人が多くいるというのが理解出来る音質を持った製品ですね。
実はつい最近まで自分がこのヘッドフォンを買うとは思っておらず、上海問屋のバランスケーブルを買っておくという発想が無かったことを後悔しています。
まだ3.5mmミニプラグの銀ケーブルはドスパラで入手出来るようですので、複数買って改造用に使おうかと考えているところです。既に上海問屋の直販や楽天では売り切れとなっていて、これも時間の問題かもしれませんので、早めに手を打っておくことにします。
harmankardonさん
2015/03/30
少し前,XLR仕様のバランスケーブルが,ドスパラの店頭に残っていた気がします.
ゼンハイザーの専用プラグは,ハンダ付けが難しいので,アンプ側プラグのほうを変更した方が楽だと思います.
銀ケーブルをしばらく聴いて,標準ケーブルに戻すと,やっぱりHD650は標準ケーブルのほうが合う気がしますが,銀ケーブルも捨てがたい良さがあります.
jive9821さん
2015/03/30
ドスパラの店頭については、しばらく行けそうにないのですが、一応秋葉原に行った際にチェックしてみるつもりです。千葉店では最初から無かったような気がしますので…。
標準ケーブルの音は、これはこれでよくまとまっているのではないかと思いますので、銀ケーブル(先程発注をかけました)でどのように性格が変わるか楽しんでみたいと思います。