レビューメディア「ジグソー」

一巻と同時に買いました

6人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (1)

  • カレーを箸で食ってるかもしれない男さん

    2009/02/26

    洛陽から長安に都を移し、暴君董卓の悪政は間逆の意味で頂点を極めようとしていました。

    一方、着実に力を蓄えてきた孫堅。
    しかしながら、37歳にしてありえない最期を遂げます。
    あまりにもあっけない去り際に驚きました。
    が、それもこの三国志のある意味魅力の一つではないかと。
    非常に多くの知将、豪傑が登場しますが、刹那に生きるその生き様に魅せられるのです。
    とにかく三国志は展開がスピーディ。
    重厚長大な物語ですが、サクサク読めてしまいます。
    吉川英治の文章力の流麗さがそうさせるのでしょうか。

    ---

    子供らの童歌。
      青々、千里の草も
      眼に青けれど
      運命の風ふかば
      十日の下は
      生き得まじ
    李粛にその意味を尋ねて、漢室の終わりというでたらめな解釈に納得していた董卓。
    哀れです。
    「千里の草」は「董」、「十日の下」は「卓」を暗示した歌詞だったのですから。
    歌の歌詞が何かを暗示している、というのがこの作品にはよく出てきます。

    そして、ついに董卓は━━━。

    ---

    老人ながら陳珪の優秀さが印象深いです。
    袁術から呂布に持ちかけられた「縁談」を回避させ呂布を救いました。
    呂布へ言った台詞が素晴らしい示唆を含んでいます。
    「あなたのご臨終もはや近づいたので、今日は、お悼みをのべに上がりました」

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