「NO-PCI」というPCIを否定してそうな型番をもつ拡張（？）カード。

基板上にはコンデンサが3つのみ。異様にでかい基盤の余りスペースには巨大な玄人志向ロゴ＆謎のグラサン男。

裏面はコンデンサ部以外ぎっちり箔で埋められていて見た目よりも重い。

コイツの機能については、公式サイトを引用させていただこう。

・SANYO製OS-CONをPCIバス上の電源(±12V,+5V)のバイパスコンデンサとして使用することでPCIバス上の電源ラインノイズを軽減
・銅箔板により電磁放射ノイズをシールド

すげぇ！きっとすげぇ！！
なるほどこの実装パーツの割りに妙にでかい基盤はまさに銅箔の盾。ブロンズシールド。あまりにでかすぎてノイズどころかケース内エアフローまで阻害しそうなイージス。

 
パターンの割りにコンデンサの数が少ない気がするが、限定販売ながらNO-PCI LTDというコンデンサ数強化版もリリースされていたらしい。他にも「NO-PCI」で培った技術をフィードバックしたというグラフィックボードが展開されていたとか。そして後継品としてPCI express対応となった「NO-PCI-EXPRESS」も登場することになる。

そこまで商品展開されたという事実から導かれる結論はズバリ「それなりに売れた」のだろう。

何気に玄人志向での扱いも「キワモノ」シリーズではなく「アシスト」シリーズだったりする。
 

 で、こういう謎というかニッチなパーツが大好きな私も気にはなっていたのだが…、ジャンク品を扱う小さな店に他の拡張カードと混じっていたコイツを発見。すいよられるようにしてレジに持っていった。

ジャンク品とはいえ入手したら使ってみたい。しかし今更PCIスロットが余っていて、サウンドカードを挿しているPCつったら…

正真正銘のメインPC（X79 Extreme6）しかありませんでした！コレを挿す為にM9138用の冷却ファンを1スロットモデルに入れ替えるハメに。そのファンも丸ごと隠してしまうサイズ。やはりでかい。

もちろんOS上からはデバイスとして認識されないのでドライバ類は不要だ。

 その2段下にはONKYOのサウンドカードが収まっているのだが…そもそもコイツでノイズが乗った記憶がない…というかノイズを認識した記憶が無い。光物と適当配線によるノイズのカタマリみたいなPCにも関わらずだ。

 なぜかといえばコイツが繋がっている先は1980年製の古いオーディオアンプ。PCのノイズ以前にアンプ側が経年劣化でノイズがのりまくっているので少々のノイズはかき消される。そもそもノイズ計測装置なんてもってない。

という訳で今回は「効果不明」という結論で逃げさせて頂こう。

NO-PCIから答えを導き出す能力が私には無かったようだ。

 尚、この「NO-PCI」、後継品の「NO-PCI-EXPRESS」共々公式サイト上では現行製品扱い（2013年現在）。発売は2003年なのだから、製品ライフサイクルが短いPCパーツ業界においては異常なロングセラーだ。

このパーツの効果に対する様々な意見…喜びや嘆きさえもノイズとして吸収し、それを糧として生きながらえていく恐ろしいパーツなのかもしれない。

…このレビュー自体も「レビューネタとして取り合げた」時点でまんまとこのカードの糧とされたのだろうか。