所有欲をくすぐる
デザインは一言で言うとなかなかいいです。
サンバーストブラウンはギターをイメージしたカラー、マイクまで伸びているステム部分は金管楽器をイメージしたゴールドカラーなど楽器をイメージした要素を所々に用いています。
また、ケースにも楽器のケースをイメージしたシボが入れてあったりとこのクラスのイヤホンで実はあまりなかったしっかり所有欲を満たしてくれる見た目を有しています。
しかもハウジングには自己修復塗装(自動車業界では日産のスクラッチシールドが有名)が施されていていい見た目を維持できるのは魅力です。
結構いい感じ
イヤホンで大事なのは音質はもちろんなんですが、着けた時に快適かどうかというのも重要な要素です。
せっかくいい音の機種でも耳に着けた時にどこか痛みが出るようではストレスでせっかくの音が楽しめません。
というわけでWOOD masterの装着感なんですが、結構いい感じです。
前作FW1000Tはハウジングが大きく、お世辞にもいいと言える装着感ではなかったのですが、今回はというと本体形状をショートステムタイプに変更したことでハウジングを小型化。
耳への収まりがよくなりました。
パーソナライズ前提
今回のWOOD masterではVictorの代名詞的存在ともいえるウッドドライバーに新しい考え方を採用しています。
先代のHA-FW1000Tでは無垢の樺材のウッドドームにカーボンコーティングされたPET樹脂のエッジを持ったドライバーユニットでしたが、WOOD masterではパルプにアフリカンローズウッドを混ぜ込んだハイブリッドWOODドライバーに変更されました。
Google Pixel 8aに接続、コーデックはLDAC 660kbps(2025年9月のシステムアップデートでBluetooth接続安定性が大幅に悪化したため)イコライザはFLATです。
NCはオフでイヤーピースは純正(SpiralDot Pro SF)のMLサイズです。
箱出ししてアプリ入れてLDACを有効にするだけの状態ではWOOD masterの真価は発揮できていません。
正直なところこの状態だと低音は弱く、高音が騒々しいだけ。(使っていくとマシにはなります)
失敗したかなと思ったのですが、Victor Headphonesアプリでパーソナライズサウンドをオンにして測定を実施すると嘘みたいに低音もしっかりするし高音も抑えられます。
このことから、パーソナライズ機能を使用することを前提に音作りがなされている印象を受けます。
店頭試聴でパーソナライズまで試すことはないでしょうからここは買ってみてどうかという運要素が強いです。
そんなことはさておき、パーソナライズ測定を実施するとそこに広がるのは曇りのない晴れ渡るクリアサウンド。
パーソナライズを行う前と比較すると明確に空気感が増します。
UIに改善の余地あり
このクラスになると当然スマホアプリでのカスタマイズなどの連携機能が搭載されています。
WOOD masterでは『Victor Headphones』というアプリがiOS/Android向けに配信されています。
コーデックの設定やパーソナライズ測定、イコライザ(Professionalモードも)、タッチセンサーの操作割り当てなど機能は充実しています。
しかし、すべて1画面で縦に配置した結果として下までスクロールして探しに行かないといけないというのは一見するとシンプルですが少々難しいUIに感じます。
SNSのアプリでも機能ごとにタブ配置をしてどこに何があるかを整理するのが一般的ですのでそういったUIの改善などがあるともっといいかなと思います。
もう一つ、イヤーピース装着テストは最適なイヤーピースを自動で判定してくれるものではないのが残念ポイント。
とりあえずちゃんと装着できている”っぽい”というのはわかるのですが、最適なサイズはどのサイズなのかを判定はしてくれません。
1サイズ変えてもOK判定は普通に出るので、どのサイズにするかの参考になるかというと難しいところ。
4万円クラス2025年最強は…?
WOOD masterが位置する価格帯は4万円ほど。
有名メーカーの上位モデルが集結する価格帯です。
私も1月に発売となったTechnicsのEAH-AZ100を所有しています。
正直4万円クラスで、音質と機能性のバランスを求めるとAZ100か今回のWOOD masterの2択だと思います。(Appleユーザーは除く)
BOSEはNC全振り。
SONYは新型になってちょい値上がり&未評価です。
JBLは好みにハマれば最強ですが外すと全然ダメです。
SENNHEISERは5万円クラスになります。
比較条件は音質評価と同じ。
Google Pixel 8aに接続、コーデックはLDAC 660kbps、イコライザは両者設定されていない状態(AZ100がダイレクト、WOOD masterはFLAT)、イヤーピースは純正品で比較します。
早速ですが、価格帯や音質傾向が結構似通ったこの2機種。
しかし、細かく見ていくと両メーカーの目指す方向性は違うみたいです。
まず違いを感じるのは空気感。
AZ100のレビューでは空気を感じるという表現をしました。
この空気という目には見えないものを感じるサウンドというのがTechnicsの言う”生音質”に繋がっていると考えています。
ある一点に向かってあらゆる方向から音の波が飛んでくる感覚です。
一方のWOOD masterではどうでしょうか?
こちらはというと、各楽器、ボーカルとリスナーの間の空間は感じながらも方向性としてはまっすぐ飛んでくるという感覚です。
AZ100は空気感も感じられてゾクッとするところがあるのですが、その空気感には靄がかかるような湿度感までも再現してしまうのでそれが籠り感という評価になる場合もあります。
WOOD masterではそういった湿度感の再現は少ないためAZ100ほどの生々しさがない代わりに靄がかからないクリアなサウンドになっています。
おそらく一般ウケという意味で言うとWOOD masterの方が評価は高そうな感じがします。
もう少しわかりやすいポイントで違いがあるとすれば表現の軸となる音域が少し違います。
AZ100は明確に低域に表現の軸を持っていて、その軸に支えられて中高域が乗るようなイメージですが、WOOD masterはこの軸がもう少し中域寄りにあります。
抜けの良い中高域があって、低域は縁の下の力持ち的な役割分担に感じます。
楽曲全体の空気感を味わうならAZ100、ボーカルを前面に浴びたいならWOOD master。
4万円クラスはこんな感じです(finalのTONALITEは未評価ですが、DTASの影響なのかLDACの接続安定性が良くないらしいです)
ここまでの感想で思い浮かぶ機種がもう一つ。
AZ100の前モデルになるAZ80です。(こちらも所有しています)
こちらは値下がりしてAZ60M2のポジションを埋める存在になりましたね。(AZ60M2は廃盤)
本題に戻りまして、AZ80はAZ100と比べた時に湿度感が少なく、音の表現軸が中高域寄りにあるのはWOOD masterと似た特徴です。
違いがあるとすれば、まさにここまで話題にしてきたアーティストとリスナーの間に存在する空間です。
これに関してはAZ80の方がよりドライ且つまっすぐに音を飛ばしてくるイメージで、目の前感が強いです。
一方でWOOD masterはより広く見渡したようなイメージでAZ80とAZ100の中間~少しAZ100寄りくらいの空間の広さ感があります。
AZ80の正統進化系はもしかしたらWOOD masterなのかもしれません。
そういう意味でもこのWOOD masterの空気感とクリアさのバランスというのは非常に高次元にできていてその中にVictorの考える音の究極系があるのかなと思います。
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購入金額
41,800円
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購入日
2025年12月06日
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購入場所
ヤマダ電機
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