顔認証パッドの設置について、通常ならドア横の壁に付けるというのが当たり前だと思うのですが、僕は、この金属製の有孔ボードにマグネットで付けるようにしました。
金属製の有孔ボード2枚を縦に並べる、浮かせる収納棚となっています。
この扉は玄関内を入ってすぐのプライベート空間に繋がる2枚目の内扉なのですが、宅配や集金などで必要になるものを置いたり、メモ帳やチラシなどを一時的に貼り付けたり、マグネットフックに傘やコートをひっかけたり、いろんなことに使えるのかなと思いました。
壁に穴を開けないというところも優秀です。ウチは持ち家なのであまり気にする必要はないのですが、いつか売る時、大事に使ってもらうためにも綺麗にはしておきたいと思って、カレンダーや時計など設置しないようにしています。ほとんどが突っ張りかマグネットですね。
この突っ張りラック、製品名が特に無いので形式番号っぽい「WJP-768M」で呼称していきますが、天井と床への突っ張り構造により設置できる、有孔ボードを備えたスリムなラックです。
突っ張り式というと、どうしても“仮の収納”や“とりあえず感”を想像してしまうのですが、この WJP-768M は少し違います。
天井と床にかかる垂直方向の力が、2本のスチール支柱を芯から安定させ、揺れやたわみを最小限に抑える設計。接地部にはエラストマー製の滑り止めが仕込まれ、摩擦力と衝撃吸収を同時に確保しています。
有孔ボードは、穴径5mm・ピッチ25mmという、汎用フックやマグネットとも互換性の高い規格。工具掛けにもキッチン収納にも、あるいはワークスペースのディスプレイにも自然に馴染みます。
耐荷重はボード1枚あたり6kgと控えめながら、縦の力をしっかり受け止めるので、日常的な小物やツール類には十分。揺れ止めボルトや安全ピンの配置も、商社である山善らしく「事故を未然に防ぐ」配慮が見えます。
そして何より、この製品の魅力はモジュール性です。3分割式の支柱は高さ200〜280cmだけでなく、140〜188cmにも対応。引っ越しや模様替えのたびに、空間の条件に合わせて再構成できる──これは長く使える収納具の条件をきっちり押さえています。
派手さはない。でも、物理法則に沿った合理性と、使う人の変化を想定した柔軟性。その静かな設計思想が、このラックの本当のデザインだと思います。
たぶん活用している人が少ないからだと思うのですが、あまり流通していないようなので今回は山善のオンライン公式サイトから購入。わりとコンパクトな梱包で送られてきました。
部品はこれくらい。すごく少ないので女性でも簡単&1人でできます。
この製品は、スチール(粉体塗装)、ポリプロピレン、ABS樹脂、さらに滑り止め部に熱可塑性エラストマーを使用しているようです。
粉体塗装されたスチールは、耐湿性と耐腐食性を付与しつつ、温度変化に対しても比較的強い安定性を保つ設計です。スチール、樹脂、エラストマーの間には熱膨張係数の差がありますが、室内使用を想定した温度範囲では極端な応力は発生しにくいと想定されます。非常に高温や多湿環境では、エラストマーの硬化や緩衝性低下に注意が必要です。
説明書。日本のメーカーなので、日本語で丁寧に書いてあります。
部品点数が少なく組み立てが直感的なことは、かなり良いです。支柱は3分割式で軽く、突っ張りの力加減もネジを回すだけで調整できるので、設置場所を変えるのも苦になりません。
仮組し、設置テスト。良いかんじ。まだビニールシートにくるんでます。
有孔ボードの位置は自由に変えられます。穴径5 mm、ピッチ25 mmという設計により、汎用の市販フックやマグネットフックとの互換性も高いです。このような互換性設計は、構造とユーザビリティの両立にも貢献していると思います。
天井と床に垂直方向に力を伝える突っ張り式構造により、ラック全体が壁面に固定され、横方向の変位を制限します。この構造は、地震や室内の影響で横揺れがあった場合にも構造変形を最小化する傾向がありますが、最大で2cmほどの揺れが発生する可能性ありと取扱説明書に記載がありました。
これはポリプロピレンやABSの緩衝性による影響も関与した柔軟性ともいえます。
天井・床に当たる接地部にはエラストマー製の滑り止めが装備され、設置時の摩擦力確保と床へのキズ防止を考えられています。万一の地震や外的振動刺激が加わっても、簡易なダンパー機構が振動吸収に寄与し、構造的破壊や振幅の増幅を抑える効果が期待できます。
有孔ボード1枚あたり6 kg、専用フック1個あたり0.5 kg、製品全体で約12 kgの耐荷重設計です。
固定ピン、安全ボルトがパイプ同士のずれや落下を防ぎ、構造の安定性を確保しています。
顔認証パッドの設置治具に、マグネットを付けて、この有孔ボードに貼り付けるだけ。
市販のマグネットで大丈夫です。
実際に工具類と文房具を掛けてみると、有孔ボードの穴ピッチが規格通りなので、市販のフックやバスケットも問題なく使えます。耐荷重はそれほど大きくありませんが、日用品やツールの整理には十分。スチール製のボードはマグネットも効くので、メモや小型ライトも貼り付けられて便利です。
突っ張りの安定感は想像以上で、横から軽く力を加えてもぐらつきはほとんどなし。エラストマーの接地面が滑らず、床や天井に傷も付きません。設置後しばらく使ってみても、ネジの緩みや傾きはなく、安定性は維持されています。
見た目はシンプルで、白い壁にも木目の部屋にも違和感なく溶け込みます。収納具というより、壁面を機能的な道具に変える「仕掛け」としての存在感があります。
総じて、見た目・安定感・拡張性のバランスが取れた、長く付き合えるラックだと感じました。
この「WJP-768M」は、突っ張り構造による空間固定性、高い設置適応力、素材や安全装置のバランスに優れた設計例といえます。構造力学、環境応力への耐性、振動制御、安全性を統合した製品設計は、ホームセンター製品としては非常に洗練されたアプローチです。
収納を増やす他、壁に穴を開けたくない方、開けられない方でも、ガジェットを設置することが可能になるアイテムでもあるため、ぜひ利用してみてほしいです。
アイデア次第で収納以外に使える!
シンプルなスチール支柱と有孔ボードの組み合わせが、収納具でありながら空間の一部として馴染むミニマルデザイン。機能寸法や穴ピッチも汎用規格に合わせ、見た目と使い勝手を同時に整えています。
ブラックな金属製という質感は、ブルックリンスタイルとも相性が良いです。ちなみにホワイトのカラバリもあります。
突っ張り棒のアイデア活用は、DIY界隈でも工夫の仕方のあるところです。
突っ張り棒+有孔ボードで顔認証パッドに代表されるガジェットの設置場所を新設するという考え方も、これから流行していくかもですね。
工具いらずの再調整
設置後も高さや位置を容易に変えられ、必要に応じてパーツの締め直しや清掃が可能。
特殊工具を使わずに長期運用できるメンテナンス性があります。
長く使える納得価格
複数環境に対応するモジュール構造と十分な耐久性を備え、価格帯は手頃。買い替え頻度を抑えられるため、総合的にコストパフォーマンスが高い製品です。
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購入金額
4,999円
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購入日
2025年07月27日
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購入場所
山善オンラインショップ







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