現在のメインPCを組み立ててから、CPU等のパーツは何度も入れ替えているものの、ビデオカードはGeForce RTX 2070を使い続けていました。
5年近く使ってもそれなりには満足できていたというのも大きな理由ですが、PCパーツの中でもビデオカードの値上がりが特に激しく、RTX 2070と同じような価格帯ではGeForceであればRTX 4060すらなかなか買えませんし、RADEONでもRX7600が買えるかどうかというところですから、買い替えても目に見えるレベルでの性能向上は難しいということが最大の理由となっていました。
RTX 2070の直系の後継モデルというと現時点ではRTX 5070です。しかしこれは特売をうまく見つけても8万円台後半という価格帯ですし、外部電源コネクターの仕様が12V 2×6pin(12V HPWR)となるため電源の互換性も難しくなります。
※現在使用している電源はThermaltakeTOUGHPOWER GROUND RGB 850Wで、Thermaltakeでは純正の12V HPWR変換ケーブルを発売しているが、この製品はサポートリスト非掲載
その1つ下位のRTX 5060 Ti 16GBであれば電源はPCI Express 8pinで済みますが、RTX 5070との価格差が小さく、その割にパフォーマンス差が大きいという弱点があります。
そこで現実解としてはRTX 5070がもう少し安くなったら電源とセットで買い替えるのがベターと考えていたのですが、とある特価品を見つけて急遽方針転換してしまったわけです、その特価品がASUS DUAL GeForce RTX 4070 EVO OC Edition 12GB GDDR6Xという、NVIDIA GeForce RTX 4070搭載製品でした。
元々GeForce RTX 5000系はフレーム補間技術DLSSでフレームレートを稼ぐ設計となっていて、非対応のソフトで使う限りRTX 4000系からそれほど大きくは進歩していないという評判で、実際非対応のゲームでフレームレートを見る限りはRTX 4070 Super ≒ RTX 5070 > RTX 4070で、過去シリーズほど世代間の性能差が無いと言われています。
そしてRTX 4070が特価ということでRTX 5060 Tiよりも安価に販売されたわけです。しかも都合の良いことに長さ約227mmのショート基板モデルであり、長いカードが入らない私のケースでも全く問題なく収まってくれます。こうなると即決でした。
中身が小さめですから、箱のサイズもこのグレードのビデオカードのものとしては割合コンパクトです。
添付品は小冊子のみと至ってシンプルです。
クーラー部には全て保護フィルムが貼付されていました。変なところにこだわるなぁ、と妙に感心してしまいます。
マイナーチェンジモデルRTX 4070 Superに対しては見劣りする
個人的に有難かったのは、補助電源コネクターがPCI Express 6+2 Pinという従来形状であったことです。RTX 5070を導入するために電源を更新するのも覚悟しなければと思っていましたので、RTX 4070はよりコストパフォーマンス面で優位に立ちます。
映像出力端子は最近のビデオカードとして標準的な構成で、Display Port × 3とHDMI × 1です。
少しだけ残念だったのはクーラーの厚みで、所謂2.5スロット厚となります。2.5だろうと2.7だろうと
3だろうと、どのみち隣の2スロットは使えないわけで、2スロットに収めるか2.7程度にして余力を稼ぐかの方が正しい気がします。実際今まではRTX 2070がスロット厚だったため、3スロット目にPCI Express x1形状の小さなIEEE1394aカードを挿していたのですが、これがギリギリ入らない程度に張り出していました。幸いPCI Express x1スロットはもう1本空いていたので、IEEE1394aカードを移動して事なきを得ました。
RTX 4070自体の仕様については簡単にまとめましたが、主要機能の世代(DLSSやNVENC等)は全て1世代ずつRTX 5070比で古いものとなります。
但し、RTX 5070 とRTX 4070 Superで比較してみるとRTX 4070 Superの方がスペック的に上回る部分もあるという程度の、何とも微妙な差となります。RTX 4070はむしろ消費電力が200Wに収まっているという実用性の高さを評価したいところです。
対応バスもRTX 5070でPCI Express 5.0をサポートしましたが、今回組み合わせて使うマザーボードはPCI Express 4.0すらサポートしないAMD X370採用のASUS PRIME X370-Aですからね…。私が使うという前提であれば、それほど決定的な差は付かないものと予想されます。
自分の用途であれば不満はない
まだ換装してそれほど使い込んだわけではありませんが、現時点での印象ではやはりRTX 2070比でかなり速くなったと感じます。
RTX 4070を導入してからSteamで「英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-」を遊び始めたのですが、画質設定を最高に設定してもRTX 2070でプレイした前作「英雄伝説 黎の軌跡」よりも重さを感じません。RTX 2070では一部画質を落とした状態でも少し重さを感じる部分がありました。
一応RTX 2070のレビューで利用したベンチマークテストは実行してみましたので、その結果を貼っておきます。
スコア自体RTX 2070比で約1.6倍を記録していますが、実際の描画を見ていると数字以上の差を感じました。RTX 2070ではさすがに現代的な水準と言うには厳しいところですが、RTX 4070はまだ十分現役といえると思います。
但しCPUこそRyzen 9 5900Xではあるものの、PCI Express 3.0止まりのX370環境で使っていますから、Ryzen 9 5900X+GeForce RTX 4070としてはやや低めの数字が出ているはずです。恐らくX570搭載のマザーボードで使えばあと1割程度はスコアが伸びるものと思います。
続いてリアルタイムレイトレーシング性能を計測するPort Royalのスコアです。
こちらはRTX 2070比でほぼ2倍の数字が出ています。Fire Strike以上に実際の描画の差は顕著で、RTX 2070では終始カクカク動いて実用的とは思えなかったものが、ごく普通に動いていると感じられる程度になりました。私自身はレイトレーシングを利用する機会は滅多に無いと思いますが、この辺りは世代なりの進化が十分に感じられます。
CINEBENCH R15でOpenGLテストを行った結果です。RTX 2070では98.17fps(CPUはRyzen 7 2700)を記録していましたが、RTX 4070(Ryzen 9 5900X)では約2.5倍の249.58fpsを記録しました。ここまで来ると体感速度はまるで違っていて、別のPCを使っているような感覚になります。
実はまだ動画やオーディオのエンコードなどは試せていないのですが、どのような使い方でもRTX 2070よりは大幅な進化が見て取れるものと思います。RTX 2070→RTX 3070→RTX4070はそれぞれ一足飛びといえる進化でしたので、2世代遅れてしまうとこの程度の差が付いてしまうのもやむを得ないでしょう。
ミドルハイクラスとしては圧倒的にコストパフォーマンスが高い
現時点でRTX 5000系は随分価格がこなれてきて、RTX 5070は9万円を割り込む程度、RTX 5060 Ti 16GBも7万円台には下がってきています。
それでも7万円以下ではRTX 5060 Ti 8GBを買うのがやっとであり、RTX 5060 Ti 8GBとRTX 4070との比較ではほぼ全てにおいてRTX 4070の優位は動かないでしょう。その意味ではこの価格で手に入るのであれば現時点でミドルハイクラスで最もお買い得といえるのはRTX 4070であるといって良いでものと思います。
マイナーチェンジモデルで同一GPUコアのAda Lovelace AD104を採用したRTX 4070 Superとの性能差は正直結構気になるのですが、実売価格の差を考えればむしろRTX 4070の優秀さが際立つといえるでしょう。ちなみにこのレビューの執筆時点ではこちらのRTX 4070は既に完売していますが、同じツクモでPNY製のRTX 4070 Superが1.5万円高で在庫有りとなっています。RTX 4070 SuperとRTX 5070の販売価格が割合近いところにあるため、こちらの選択はなかなか悩ましいところです。
電源ユニットも含めて新たに用意するのであれば世代が新しいRTX 5070で良いと思いますが、既存PCのアップグレード用としては電源をそのまま使えるRTX 4070 Superの方が導入へのハードルが低い分有利に思えます。
-
購入金額
69,980円
-
購入日
2025年06月22日
-
購入場所
ツクモ ネットショップ













ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。