今までイヤホン類やケーブル類、特に大切なCIEM類は、タッパーのような保存容器に入れ、乾燥剤を入れて保管してきた。
乾燥剤自体は百均等でも安く売っているので、当面それで足りていたのだが、さすがにかなり増えてくると乾燥剤の管理が大変。
食品にもよく使われている生石灰乾燥剤は、湿気てくると膨らんできてパンパンになるので、寿命は把握しやすいが、再生できないためゴミは増えるし、そもそも使用していくと膨らむので、小さめの保存ケースの端など狭いところに仕込みづらい。粒状シリカゲル乾燥剤はインジケーター(青⇔ピンクのつぶ)入りのものは寿命が掴みやすいが、それがないと使用前/使用後の外形・外観が変わらないので、寿命判断がかなりムズカシイ(そして百均にあるようなものはインジケーターなしのものが多い)。こちらは再生は出来るものの、外装素材や再生法によっては一度袋を破らなければならないので、袋から出して⇒再生して⇒別の袋を用意して⇒再生済のものを小分けにして入れて⇒また閉じて...というのも結構面倒。百均にも売ってるし、都度新しくすれば...となると結局ゴミの問題が...
自分も、イヤホン類収納箱がケーブル含めて10箱越えたあたりで、このままじゃダメだ、とw
そこで、電源入れておけば永い間湿度が保てる&湿度がメーターやデジタル表示で直読できる防湿庫を入手することにした。
この防湿庫、一般的なコンシューマー用途ではカメラ用というのが一番多い。市場には大小さまざまな防湿庫が販売されていて、選択に迷うが、ヘッドホンはともかく、イヤホン・CIEM・ケーブル類くらいであれば、カメラより小さいので、とりあえず手ごろなものを入手して使って見ることにした。
ネットで調べて、比較的安価な割には、使い勝手や性能の面であまりネガ情報を聞かないapollotechの防湿庫のうち、たっぷり目の容量40Lを入手することにした(だいたいレンズ付き一眼レフカメラ+交換レンズ1~2本+αくらいで20Lくらいらしいので、CIEM10種、イヤホン無数、ケーブル数十本ならそれくらいあればよいかと←ケース付きのものもあるので、結果的には不足するwww)。
このapollotechというメーカー(もしくはブランド)、メーカーホームページがなく、ネットで調べてもめぼしい情報にヒットしないのだが、ほぼ同容量のものを防湿庫としては有名どころの会社のものと比較すると、東洋リビング製のものの1/3少々、トーリ・ハンの約半額、カメラ小物で名が通っているHOKUTOの防湿庫の2/3の価格で購入できるので、お試しにはよいかと。
組み立て後(右においてある書籍収納BOXは室内の惨状風景写り込み防止用w)
脚はねじ込み式なので、多少の水平調整はできるが、回しやすくする工夫は特になし。
鍵はこんな感じの簡易なもの。矢印の方向に閉まるので、カギ状の部分がかみ合うわけでもない。
本体と脚、ACアダプタ、説明書類、キー2本が内容物。前面はガラス製で、扉を閉めていてもある程度中身が見られるようになっている(なおこのガラス、少し暗めに作ってあって著しく反射するため、撮っているcybercatをはじめ、周りの風景が大々的に写りこむので、今回のレビューには正面写真はほぼない)。鍵がかかるようにはなっているが、その鍵はかなりチャチな造りで扉も中身丸見えのガラス製なので、防犯効果はほとんどなく、子供のいたずら予防や地震などで防湿庫が倒れたときの中身離散防止効果程度。
レンズが転がらないように、引き出しには逆カマボコ型のスポンジが敷いてある
中は2段の引き出しがあり、レンズを横置きしたときに転がらないようにか、3列の逆カマボコ型に成形された硬めのスポンジがセットしてある(このスポンジは脱着可能)。側内壁面には、その2段の引き出しのレールが取り付けられているが、段の高さも変えられるようになっている。なお、ここの造りは若干チャチ。最初の開封時には、テープで輸送用固定されていた引き出しのトレイと、扉の周囲のパッキンとが干渉していて、上手く扉が開かず、不良品かと焦った。ただ、すべての仮固定用のテープなどを取り去ると、ソコソコスムーズに動くようになった。
表示部分と操作ボタン。中央のSETボタン長押しで湿度設定モードに。
この程度の光量なので明るくはないが、暗いときにモノを探す助けにはなる(↑は暗闇で撮影)。
照明は操作盤の裏にLEDが5灯ついているだけなので、照射範囲と光量は限定されている。
湿度と温度がデジタル表示できるようになっていて、目標湿度はボタンでセットできる。あと防湿庫の中は、部屋の天井光源との位置関係次第ではかなり暗くなってしまうが、室内にライトが点けられるようになっているので、多少の補助にはなる(操作盤の裏の基板にLEDが5灯ついているだけなので、引き出しの下の段や奥の方まで煌々と照らされるわけではないため、過信は禁物)。
ただ、乾燥剤管理が必要なくなり、湿度も目視できるのはかなり精神衛生上楽。この会社の他機種を使っているひとのネット記事を見ると、湿度計はある程度誤差があるようだが、扉を開けると見る見る表示が上昇するので、反応はしているし、故障していないかの判定の「目安」と考えれば十分。また電気代は1日2~3円程度とか。百均で買ったシリカゲルで、この大きさのボックスの除湿を担保しようと思うと、一袋=百円(複数の小袋が入った一梱包)では済まないし、2ヶ月も経てば再生もしくは再購入が必要な時期になるのでランニングコスト的にも悪くない(もちろん防湿庫購入という最初の投資は必要だが)。
一応形式としてはペルチェ式と呼ばれるもので、原理的に半永久的に使えるものではないらしく、寿命が10年ほどのようだが、それだけあれば当面大丈夫かと。あとで独立したアナログ式の湿度計でも追加して湿度管理を強化して、その湿度が一定以下に保てなくなったら交換しますかね。電気回路部分の保証は5年付けてくれるみたいなので、それまでにヘタれば修理対象だし。
この防湿庫、安いわりにはキモを押さえていて、「マイファースト防湿庫」としては悪くないチョイスだと思うのだが、いくつかイマイチポイントも。
一番問題と思うのが後ろの電源線の出し方と、それに連動しての背面側の造り。ACアダプタから伸びるコードの先のコネクタが、L型ではなくI型なのだが、本体に挿した時にかなり出っ張る。後ろのファン部分に繋ぐので、通風のため壁にベタつきせないように、ということなのかもしれないが、それを忘れて防湿庫を押すとプラグ部分に負荷がかかるし、背面はその一点だけが突出して後ろに飛び出しているので、壁に並行して置くのに厳密には定規などが必要だしとイマイチな構造。設置時に壁側を空けさせたいなら、最低必要な隙間を担保する「脚」を背面四隅につけるか、ファンの部分に必要な隙間が確保できるようなフードをつけて、プラグは「その範囲の中で」処理できるようにした方がスマート。そこが「設置しづらく」「設置後も押し込み防止などに注意が必要」と工業デザイン的に×な部分。
電源アダプタのソケットはここにあり、プラグが奥に入る造りでもないため...
結果、一番壁に寄せてもこの程度しか壁につけられない(後ろに隙間が必要)。
あと、トレイを引き出すには、扉のパッキン部分が引っかかるため、扉を90度以上開けなければならないので、右側面も壁につけて置くことができない(右開き扉なので)。そこも「置き方」に制限がある部分。
扉を90度以上開かなければならないため、右側にこの程度のスペースが必要
あと欲を言うならサイズ的にはもう少し底面積が欲しかったかな(同じ内容量で削るなら高さ)。高価格帯のイヤホンの一部、およびCIEMは結構ゴツイケースに入ってくることが多いのだが、トレーの内枠がおよそ24cm□のしかも正方形なので、結構置き方が限られる。
使ってみると、若干の不満は出てくるものの、価格と保証を考えると納得の範囲内で、乾燥剤管理とゴミの問題から解放されてかなり楽になった。
ただ、そろそろ入りきらないものも出てきているので、もう一つ買うか、他のメーカーを試してみるか、悩ましいところです(イヤホン類買うのを自重するというセンは...ww
【仕様】
材質:スチール、強化ガラス
容量:40L
消費電力:5W
湿度設定範囲:25%~60%(±3%)
除湿方式:ペルチェ式
サイズ:横290mm×奥行320mm×高さ490mm
重量:7.8kg
生産:中国
底面積がちょっと足りないのと、電源線の出し方がイマイチ
トレーは一辺約24cmの「正方形」なので、CIEMやオーダーイヤホン類のソコソコ大きなハードケース(だいたいペリカン系の「長方形」)ごと入れるのは結構辛い。
電源線は背面の一番飛び出ている部分についているので、どうしてもあの場所から出すなら、プラグが奥まで刺さるように台座をえぐるか、せめてL型プラグにするべき。
最初に扉が上手く開かなかったり、カギは更衣室ロッカー並みの造りだったり
輸送時破損を防ぐためか、二段の引き出しのトレイがそれぞれ本体内壁にテープ固定されていたが、扉のパッキンに引っかかる状態で固定されており、「テープを取らないと全開放できない」「全開放しないとテープが取りづらい」と二律背反状態w 隙間から何とか手をさし入れて、トレイ固定テープを取り去ったが、使用する前にかなり萎える。
またロックは、扉につけられた鍵の金属の突起が回って本体と噛みあうのだが、金属の突起が単なる単純鉄板で最低限の造り(ま、扉のガラスを割れば中のものは取り出せてしまうので、防犯性という意味では厳重なロックである必要性は薄いが)。
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購入金額
11,980円
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購入日
2023年06月04日
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購入場所
日生商事(Amazon)
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