年末年始のホリデーはみんな業務を休むので、サーバなどの端末や LANケーブルをひっこぬいて止めることもできるので、ネットワーク業務関連の見直しに最適な時期です。
基本的にメカやロボットは人間が休んでいる時に働いているものなので、稼働が逆なんですよね。
会社の財務データに予算書・従業員の情報など機密性の高い情報を取り扱えば、データの完全性の確保の他にもデータ保護にも気を使う必要があります。
機密文書は法律で保存期間が定められていることもあり、定期的な保存期限の確認はもちろん、期限を過ぎた文書においては戦略的破棄をするなど管理の仕方にも設計があります。
製品メーカーになれば、膨大な数の部品を使った 3D-CAD など、ファイルデータサイズの大きい設計データがあるのですが、常にストレージを圧迫し増え続けることで毎年毎年予算が発生するコストにもなっています。
あとは販促ツールのデザイン制作データもサイズ大きいですね。高解像度の写真、4K動画、プレゼン資料……。圧縮しにくいバイナリデータも容量問題を発生させる要因となっています。
企業や組織にとって、データ保護は業務継続性を確保する上で欠かせない要素です。
特にバックアップは、災害復旧やセキュリティ対策の根幹をなすものですが、その作業には時間とリソースがかかることが多く、効率的な方法が求められています。
Windows Server OS に標準搭載されている「Windows Server バックアップ」が基本的・一般的なバックアップ手段となるのですが、ハードウェア構成が異なるサーバーへのリストアが失敗すること、データサイズが大きい環境だと時間がかかりすぎること、などを問題視していました。
自分の環境だと、バックアップに要する時間が16日間、つまり元に戻せるのがどうしても16日前のバックアップになるという、はるか遠くの星の光が地球に届くまでに何年もかかるというような宇宙規模のような話にもなってしまっていました。
そこで「Windows Server バックアップ」に見切りをつけ、「Arcserve UDP(Unified Data Protection)」というバックアップツールを導入したというのが経緯になります。
実際に導入し、その効果を実感しています。ここまで長い話でしたね。
Arcserve UDP について
Arcserve UDPは、データのバックアップ、復旧、複製、アーカイブを一元管理できる統合型データ保護ソフトウェアです。従来のバックアップツールでは、さまざまなプロセスや異なるアーキテクチャを統合するのに手間がかかることが多かったのですが、Arcserve UDP はそれらを1つのソリューションで完結できる点が大きな特徴です。物理、仮想、クラウド環境のどれに対しても対応しており、柔軟なバックアップ管理ができるようになります。
経験上、最もバックアップする時間が短かった
Arcserve UDPの最大の魅力は、そのバックアップ速度です。
いろんなバックアップツールを使ってみたのですが、Arcserve が一番バックアップ速度が速かったです。
バックアップデータの重複排除(デデュプリケーション)
フルバックアップを毎回行うのではなく、増分バックアップを繰り返しているのでバックアップの時間を短縮し、ディスク容量を節約しているのですが、さらに複排除(デデュプリケーション)機能を使用して容量をもっと小さくしています。
これは、同じデータが複数ある時に(例えば社員全員が同じ設計データファイルを共有するなどしている時に)1つのデータだけ残し残りは全て残像になっているようなイメージです。
復旧ポイントサーバ(RPS:Recovery Point Server)
データマージや各種処理をサーバ側で行います。この機能も長所ですね!
データ保護と復旧の効率性を向上させるための中核的な役割を担っており、中心的な要素として、ストレージの効率化、データ転送の最適化、迅速な復旧を実現しています。Arcserve UDPの導入効果を最大限に引き出すことができるのが、この機能といえます。
RPS を支店など遠隔地に複数設置することで効率的に遠隔地にデータ複製でき、災害時に備えることができます。WAN に流れるデータも少なくなります。
エージェントレス
ユーザ PC 端末側で行う処理は極力少なくなっており、バックアップで重くなったり他の業務タスクを邪魔しない設計も良い! 時短につながります。
バックアップの時間が短縮される点は大きなメリットです。以前使用していたバックアップソリューションでは、バックアップの実行時間が長く、システム全体への影響が出ることがありました。しかし、Arcserve UDPではインクリメンタルバックアップを効率的に行うことができ、完全バックアップと比べてもバックアップの時間が大幅に短縮されるため、業務時間中でもバックアップ作業を進めることが可能です。これにより、システムダウンタイムを最小限に抑えつつ、データ保護を実現できます。
要は、過去のバックアップデータとの差分だけをバックアップするので時短できます。
約 14TB のソース データが更新されたデータのみで 205.89 GB となり、合計1 時間 9 分 42 秒 をかけてバックアップされます。バックアップ ジョブのスループットは 2.95 GB/分。平均ネットワーク スループットは 253.01 Mbps。
競合サービスでは2週間かかっていたタスクが1時間で終わっているので、かなりの時短です。
この Zigsow のサーバも(とくに画像サーバが)ネットワーク負荷でかなり重いのを体験していますが、複数アクセスされ常時書き込まれているサーバってバックアップだけでもこんだけ時間がかかるものなんですよね。たとえ無料でもストレージが壊れてデータを失うことになったら利用者が黙っていないし。広告収入によるビジネスモデルだと思うのですが、コストもかかるし大変そう。
Arcserve UDPの特徴
- 使いやすいインターフェース
Arcserve UDPは直感的で分かりやすい管理画面を提供しており、僕のようなネットワーク管理者でなくても簡単に操作できます。設定が簡便であり、複雑な設定を必要としないため、時間をかけずに導入が可能です。
また、インターフェース上で進行状況やステータスをリアルタイムで確認できるため、万が一のトラブル時にも迅速な対応が可能です。 - クラウド対応と複数のバックアップオプション
Arcserve UDPは、オンプレミスのバックアップに加えて、クラウドへのバックアップにも対応しています。これにより、災害時のデータ復旧が迅速かつ確実に行うこともできます。クラウドストレージとの統合により、バックアップ先を分散することができ、リスク分散することもでき、BCP対策としても活用できます。
また、仮想環境(VMware、Hyper-V)にも対応しており、物理的なサーバーと仮想環境の両方を一元的にバックアップできるのも特徴です。 - 強力な復旧機能
Arcserve UDPは、ネットワーク業界ではデータ復旧のスピードと信頼性も高く評価されているそうです(と、スペシャリストであるネットワーク部門が言っていた)。システム全体を素早く復元できる「Bare Metal Recovery(ベアメタル復旧)」機能や、特定のファイルやフォルダを個別に復元できる機能など、柔軟な復旧オプションが提供されています。
これにより、システム障害やデータ損失に迅速に対応することが可能です。 - スケーラビリティと柔軟性
Arcserve UDPは、有料でランニングコストを考えると上場企業向きで SOHO などの小人数規模には向かないかなとは思うのですが、中小企業から大規模企業まで、さまざまな規模の組織でも運用できると思います。大人数を抱える企業の場合はバックアップ対象が増えても、システムのスケーラビリティに優れており、増加するデータ量にも柔軟に対応できます。
成長するビジネスにもスムーズに対応できるため、将来的な拡張を見越した運用が可能です。
実際に導入して感じた効果
実際に、業務環境で Arcserve UDP を導入して良かったと思っているのですが、つらつらと実感で良かった点を箇条書きにしようと思います。
業務時間の効率化
バックアップ作業にかかる時間が短縮されたため、従業員は業務に集中できる時間が増えました。以前は、バックアップ作業が業務のボトルネックとなっていたこともありましたが、Arcserve UDP の導入後はそのような問題が解消されました。
データ復旧の迅速化
万が一のデータ損失やシステム障害時にも、迅速にデータを復旧できる点が非常に安心です。これにより、業務の中断時間を最小限に抑え、ビジネスの継続性を高めることができました。
コストの削減
バックアップ作業にかかるリソースや時間が減少したことにより、運用コストの削減が実現しました。また、効率的なバックアップによりストレージの使用量が最適化され、無駄な容量を削減できました。
バックアップに関する悩みは、多くの企業や IT 担当者が抱えている問題だと思いです。
特に、バックアップの時間やリソースが足りないと感じている方にとって、Arcserve UDP を導入するのは非常に有力な解決策だと思います。スピードと効率性、柔軟性を兼ね備えたバックアップツールなので、導入することで業務の効率化だけでなく、データ保護の強化にも繋がります。
もし現在使用しているバックアップツールに不満がある、または効率的なバックアップソリューションを探しているという方がいれば、Arcserve UDP を試してみてほしいと思います。
Arcserve UDPは、業務のバックアップやデータ保護において、非常に効果的なツールであることは間違いありません。短時間でのバックアップ、直感的な操作画面、柔軟な復旧機能など、多くの利点を提供します。バックアップ作業を効率化し、業務の中断を最小限に抑えるために、Arcserve UDPは最適な選択肢の一つです。
ネットワーク専門家なら使いやすい
ツールの開発思想は「統合」「効率性」「柔軟性」に基づくように思います。
統合された管理コンソールを通じて、バックアップ、レプリケーション、復旧を一元化。重複排除やWAN最適化でストレージと帯域幅を効率化し、オンプレミスからクラウドまで多様な環境に対応する柔軟性を提供しており、良い製品だと思います。
UI については専門用語が多く、ネットワーク専門家以外は設定時点からすでに分からなくなると思います。規模的に専門家が触るような製品なのでこれでも良いと思うのですが、もう少し初心者向きでも良かったかと思います。
バックアップ関連が時短になった
スケーラブルな設計と統合管理により、長期利用に適しています。
重複排除や効率的なデータ管理でコストを抑えつつ、オンプレミスやクラウドを含む多様な環境に対応可能。組織の成長や技術の進化に合わせて柔軟に運用を拡張できます。
統合管理コンソールを通じて設定や監視が一元化されており、シンプルで効率的な運用が可能です。自動化機能も豊富で、メンテナンスの手間を大幅に軽減します。
コストをかけて得られるハッピー
無料版もあるのですが、サーバやワークステーション以外で利用できるライセンスとなっています。つまりノートPCなどでパワフルに業務をしない端末(そもそもデータはファイルサーバに置くという運用がほとんだと思う)になるので、無料での運用機会はあまりなさそうです。
Arcserve UDP 8.x のバージョンから利用しているのですが、保守契約をしていれば最新版にアップデートすることが可能です。現在、最新版の Arcserve UDP 10.x が発表されており、僕も申請中です。
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購入金額
55,660円
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購入日
2024年10月17日
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購入場所
商社
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