我が家にはまだ稼働状態のDAT(Digital Audio Tape)が残っています。既に故障しているものも多くあるのですが、据え置きであればVictor XD-Z909(2台)、ポータブルであればSONY WMD-DT1はまだ何とか使えます。
しかし何とも困るのがDATテープの供給が絶たれているということです。
DAT用のテープは2015年に最後まで供給を続けていたSONYが生産を完了し、その後は流通在庫を残すのみとなりました。そこからしばらくは新品の処分品などを入手することは出来ていましたが、ここ5年ほどはHARD OFF辺りに無駄に高い未開封品が出てくるのがせいぜいで、手頃な価格かつまともなコンディションのものを入手するのは困難になっています。
しかし、DATには意外な抜け穴がありました。DATを物理的にほぼそのまま転用したコンピューター向けストレージデバイス、DDS(Digital Data Storage)が存在していたため、条件付きながらそのメディアを転用することが出来たのです。
具体的には、DDSの初代規格(DDS-1)は、データ容量1.3GB(テープ長60m)のものと2GB(テープ長90m)のものが発売されていましたが、1.3GBはDATであればDT-120(標準モード時120分記録可能)、2GBはDT-180(標準モード時180分記録可能)と同等のメディアとなります。WikipediaでDATの頁を参照すると、音楽用のDATメディアとして代用可能なものはこのDDS-1に限られると記載されていますが、これはDATに公式に存在する規格に適合しているという意味で書かれているものと思われます。しかし実際にはDDS-1とDDS-2のメディアの差異はほぼテープ長だけであり、テープの走行速度が異なるDDS-3以降とは異なりDDS-2もほぼそのまま利用することは出来てしまいます。
というわけで、DDS-2のメディアがアウトレットセールに箱入りで出てきていましたので、オーディオ用として確保することにしたわけです。
標準モードで4時間記録できるという長時間テープ
今回は通販で購入したのですが、店頭在庫の引き上げ品だったようで購入済シールが貼付された状態で届きました。
まあ未開封だったのは確かですので特に問題はありません。
大きく記載されている通りテープ長は120mとなり、オーディオ用DATの120分(DT-120)の丁度2倍となります。テープの走行速度は同一ですから、単純計算で記録可能時間は2倍の240分となるわけです。
5本パックですからこれだけで20時間分です。もっとも、DAPを使うようになった今では20時間分では全く足りないという感覚ですが…。これでもカセットテープの時代よりは長時間記録なんですよね。
DDS-2対応ドライブでのみ使用可能とありますが、それは無視してDATで使います。実際の所家捜しすればDDS-2のドライブは出てくるはずですが、今時圧縮時でも最大8GBしか記録できないメディアではWindowsのブートドライブのバックアップにすら使い物になりませんからね…。
テープ裏面の写真で、右下となっている部分をご覧いただければ見えると思うのですが、DDSではここの3つの穴深さの組み合わせでメディアの種類を識別します。ちなみにこの穴は本物のDATテープにもきちんと存在しています。
一応ですが、Victor XD-Z909で動作確認もしています。
ごく普通に録音・再生と巻き戻しは出来ていますので、テープの走行を含めて問題ないはずです。
DDS-1/2のメディアはまだ時々新品で流通していますし、音楽用のDATよりも安価なことが多いので、代替メディアとしてお薦めできます。音の方は直接比較したことはありませんが、個人的には花王のDATテープよりはこちらの方が「普通の音」で好感が持てる気がします。
なお、下記の購入価格は5本入り箱のものとなります。
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購入金額
990円
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購入日
2024年07月10日
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購入場所
ケーズデンキ
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