現在ユニバーサルタイプのWestone製イヤフォンの代理店となっている完実電気はオンラインショップを運営していて、割合頻繁に格安アウトレット品が放出されます。
以前紹介したAM PRO10もそれで購入したものですが、今回は現行モデルであるMACHシリーズのMACH 30、MACH 20が各1個ずつ、付属品無しで放出されました。それが異様に安かったので思わず買ってしまいました…。
Westone MACHシリーズは商品構成上は以前のWシリーズの後継と捉えられるのですが、Westone自身の説明では両者はあくまで別シリーズであるといいます。
Wシリーズはゆったりとしたトーンで中低域に厚みがあるという傾向でしたが、MACHシリーズはそれよりもレスポンスやキレの良いサウンドに仕上げていると説明されています。
付属品はイヤーチップ1組のみです。まあ、価格が価格ですから特に期待していませんでしたが…。
ケーブルは動作確認用に調達したものです。これについては別の機会に解説するかも知れません。
実売価格からすればもう少し頑張って欲しい
試聴は私のメインDAP、Cayin N6ii/R01で行います。4.4mmバランス出力に接続しています。
まず第一印象としては「やっぱりWestoneだな」というものです。以前から所有しているW40と比べれば低域方向の解像度や締まりは明らかに上なのですが、高域方向に独特の曇りが出て樹脂臭い音色に染まってしまうのは全く変わりません。私は以前から「SHUREやWestoneのような細軸ノズルのイヤフォンは絶対に高域の質が低い」と主張しているのですが、MACH 30でもやはり本質は変わりません。
実は以前MACH 70など上位モデルは試聴しているのですが、MACH 30ほどでは無くてもやはり高域の質には限界はありました。正直細軸のメリットが私には理解できません。音の特性として周波数が高いほど指向性が強くなり、ドライバーが発した音が出口まで直進できなければ必ずどこかで反射や屈折して質が変わってしまうはずです。実際私が高く評価するイヤフォンは必ず一定以上の太さを持ったノズルの製品です。
話をMACH 30の音に戻しますが、トーンバランスとしてはやや低域寄りでハイ落ちではないものの高域方向の伸びを欠きます。
そしてトーンバランスよりも気になるのが表現が極めて表面的で、聴かせる部分がないということです。モニター系製品であるPRO Xシリーズであれば解るのですが、どちらかといえばリスニング製品であるMACHシリーズでありながら、ただ淡々と出ているだけの音というのはちょっとしっくりきません。この辺りは上位製品であるMACH 70辺りでは随分改善されていましたので、MACHの中でも下位シリーズに当たる10~30ではちょっと厳しいということでしょうか。そうはいってもMACH 30でも実売価格は7万円台で決して安物というわけではないのですが…。
さすがに3万円以下の他社製品と比較すれば質の高い音ではあると思いますが、同じ3BAであれば私が長年愛用しているJH Audio Michelleの方が質の高いといって良いでしょう。さすがに為替相場の差はあるにしても5年も後に発売されている製品ですからもう少し頑張って欲しかったなというのが本音です。
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購入金額
14,300円
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購入日
2024年04月16日
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購入場所
完実電気オンラインショップ
harmankardonさん
04/18
jive9821さん
04/18
まさに「Westoneの音」で片付いてしまうんですよね。Wシリーズよりはもう少しレスポンスが良くなっていて解像度も上がるのですが、その分高域方向の弱点も余計気になることになり…。