たまたま安価な中古を見かけてちょっと試してみようと購入しました。
以前からUSB接続でオーディオ機器を使う際に、USBの信号ラインと電源ラインを分割することによる音質改善効果が大きいといわれていました。実際、例えばACOUSTIC REVIVEのUSBケーブルUSB-1.0SP-TripleCやR-AU1-SPなどは、電源と信号を別々に取ることを想定していて、これによる改善効果は大きいという評判です。
今回購入したのはエーワイ電子のELSOUNDブランドから発売されていたUSB POWERという、USB給電専用アナログ電源ですが、添付品として同社製のバイワイヤータイプUSBケーブル(直販価格7,370円)が付いていて、これが入手できるだけで元が取れるということもあり購入したわけです。このケーブルは前述のACOUSTIC REVIVEのUSBケーブルと同様に電源ライン分割型であり、近い効果が得られるものと予想されます。
本来はバスパワー駆動のUSBオーディオI/Fなどで効果を発揮するわけですが、生憎私が常用するUSB接続オーディオI/Fにはバスパワー駆動のものがありません。仕方ないので、給電する意味は薄いのですがセルフパワー動作のCHORD Hugoを使って効果を確認したいと思います。
理屈で考えればHugoは内蔵バッテリーのみで動作する仕様で、給電しない方がより音質は向上しそうなのですが、試してみたところ給電しないとUSB接続が認識されませんでした。そこでUSB POWERで給電しつつ、バイワイヤータイプUSBケーブルでPCとUSB POWERを繋ぎ、USB POWERの機器用USB端子にHugoを繋ぐ形としました。
分解能が明確に向上
USB POWERはAC 100Vを給電する必要がありますので、電源ケーブルにはaudio-technica AT-PC1500を使います。
また、USB POWERとHugoの接続にはAIM電子 UM-C0015を使っています。
主に「Babylon Sisters / Steely Dan」で聴き比べてみましたが、はっきりとした違いを感じ取ることが出来ました。
ヴォーカルやドラムといった個々の音の音像が鮮明で、音色自体も純度が上がったように感じられます。音場そのものは大きく違うことはありませんが、特にスネアドラムのアタックが明らかに鋭くなっています。またドナルド・フェイゲンのヴォーカルもこれまで少しバックの演奏の中に埋もれていた感があったのですが、それが浮き上がるように分離します。
個人的にはちょっとオーディオ的すぎる表現かなという気もしますが、USBの電源ラインからのスイッチングノイズの飛び込みは馬鹿に出来ないレベルであるということは間違いないのでしょう。
「Layla / Eric Clapton」(LP「Unplugged」より)も聴きましたが、こちらはSteely Danのようなオーディオ的に作り込まれた音ではありませんので、USB POWERによる変化は好ましい程度の鮮明さとなります。聴くソース次第で効果が丁度良いこともあれば、やや過剰になってしまうこともあるということでしょうか。
USB POWERは元々1.3万円程度の製品だったそうですが、その価格できちんとした効果が得られたという意味ではかなり良心的なオーディオアクセサリーだったといえるのではないでしょうか。生憎現在は生産完了となってしまったようですが…。
ある程度質の良いUSB給電が可能であれば、バイワイヤータイプUSBケーブルだけでもある程度はっきりとした効果は得られるのではないかと思います。窒化ガリウムACアダプターなどと組み合わせると面白いかも知れません。
なお、PCとUSB POWERの間にオーディオ用USBケーブル(audioquest CARBON)を使ってみたのですが、この場合はHugoがPCから認識されませんでした。この間には信号線のみのUSBケーブルが必要となる模様です。
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購入金額
3,850円
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購入日
2024年04月04日
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購入場所
HARD OFF
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