所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。声やサウンドではなく、メロディを聴いて、「○○らしい」と感じられるほど特徴が出ているアーティストがいます。旋律的に特徴的なラインをとる場合もあれば、リズム的に印象的な場合もあります。サビで選択するリズムを聴くだけで、「ああ」とわかるJ-POPデュオの作品をご紹介します。
コブクロ。黒田俊介と小渕健太郎の音楽ユニット。ジャンル的には、フォーク系のJ-POPで、いにしえの「ニューミュージック」を現代的にしたような、王道ジャパニーズポップス。メジャーデビューは2021年だが、デビュー曲の“YELL〜エール〜”で、いきなりチャート一桁前半を記録、以来2023年の最新シングル“エンベロープ”でも最高3位を記録するなど、その約四半世紀に及ぶ活動の間、一線で活躍し続けるデュオ。
曲を書くのは小渕がほとんどだが、黒田も曲を書く(一部共作もある)。メインヴォーカルは、曲によって変わり、見かけと違って?やわらかく伸びる声が黒田、やや太いのが小渕。どちらかというと黒田が主となる曲の方が多いが、完全に独りで一曲歌いきることはなく、サビの部分ではハモり、一部交互歌いもアリ、というのが彼らの王道パターン(サビと導入で主旋律担当が変更になる曲も多い)。
そして、シンコペーションや二拍三連など、リズム的に凝ったサビが多いのが特徴。
そんな彼らの17枚目のシングル(2009年リリース)が“虹”。JALのCFソングとして、当時街に良く流れていた。
表題曲「虹」。サビ部分のメインヴォーカルは黒田。曲は、サビにシンコペーションリズムを多用し、ハモリと交互歌いもあるコブクロらしい楽曲。バンド仕立てのサウンドに、ゴージャスな生ストリンクス隊(ヴァイオリン×10、ヴィオラ×4、チェロ×4の18人構成)が加わったドラマチックな曲。この曲のピアノはSALTこと塩谷哲だが、ソロなど目立つ部分を弾くことなく、贅沢にもバックに引っ込んでの参加。時折り聴こえる流麗なコードプレイにセンスを感じるが。
カップリングの「Summer rain」は、めずらしい小渕メインの曲。この曲もバンド+ストリングスの曲だが、なんと言っても目立っているのはパーカッション!コンガを中心に、音を「埋める」ように、非常に高速に、そして絶え間なく鳴り響き、この曲にスピード感を与えている。パーカッショニストはコブクロとは長い付き合いの、坂井"Lambsy"秀彰。
3曲目の「ルルル」は打って変わって、非常にフォーキィでシンプルな曲。伴奏もピアノと生ギター、ハーモニカ(ブルースハープ)と最低限。♪何もかも片付けた/この部屋で/最後/僕の心に/君を探した♪と、去った恋人を想う歌に、ハーモニカの音が沁みる。
所持するのは例によって初回限定盤なので、DVDが付属する。収められているのは、この作品のレコーディング風景と、この“虹”の直前のシングル、“時の足音”のカップリング曲「ベテルギウス」のMV。曲名にちなんで(ベテルギウスはオリオン座のα星)、星座を表していような輝点と輝点をつないだ図形や文字から始まり、その後男女が歌詞に沿って演じる傍で、黒田と小渕が歌う。その歌が言霊となって?周囲を漂うような画像エフェクトが加えられていて印象深い。
コブクロにとって典型的なタイプの楽曲を、黒田メイン、小渕メインで聴ける上に、前シングルに採用された人気曲のMVを鑑賞でき、さらに構えず聴ける優しい小品も味わえる、お得な?シングルです。
【収録曲】
<CD>
1. 虹
2. Summer rain
3. ルルル
4. 虹 (Instrumental)
5. Summer rain (Instrumental)
6. ルルル (Instrumental)
<DVD>
1. 「ベテルギウス」Music Video
2. 「虹」レコーディング・メイキング
「虹」
サビでのシンコペのリズムがコブクロらしい
さらにハモリの付け方も含めれば、「ザ・コブクロ」。
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購入金額
1,500円
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購入日
2009年頃
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購入場所
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