レビューメディア「ジグソー」

突き詰めたコンセプトと、妙味のあるシステムでテンポ良く進むハクスラRPG、操作もシンプルで時間が溶けていきます。

  • by
    L2さん
  • 2024/01/12
  • (更新: 2024/01/12)

昨今、レトロゲーム、ハードがまた、注目を集めていますね。

今回のブームは海外からの注目も高く、円安の影響で投機的な熱狂もあって、少し離れた位置から眺めつつ、欲しいレトロゲームが価値を取り戻す以上の高騰をしないように祈る日々です。

 

さて、こういったブームの中で、リメイクや、レトロ風コンセプトのゲームも出て来ています。

いくつかは、実際に購入しましたが、ちょっと復刻させるコンセプトがずれているなあ、とリメイクや復刻風の難しさを感じます。

ここまでテンプレ。

一昨年には、「wizardry外伝 五つの試練」はsteamにリメイクされて、登場。

早期アクセスが解除されるにつれ、ベータ版シナリオエディタの実装や、新しく公式シナリオが追加されたり、五つの試練の前作にあたる「戦闘の監獄」と追加シナリオ「慈悲の不在」も、有料DLCとはいえ、復刻されることとなりました。

いずれ、レビューはしたい、と思いつつ、起動すると熱中しちゃうので画像とか、撮っているいる暇が無いw

 

ちょっとしたwizardryシリーズブームが起きていて、ソシャゲのWizardry Valiants Daphneや、NFTと組み合わせたものも出ているとか。

Daphneは、スマホのみのリリースですし、主人公以外はガチャという事で、パーティメンバーは全員作成したい病の私としては、ちょっと引力足りない気がします。

NFTは、投機と組み合わさって数万円を払ってまでプレイする意味は見つかりませんし、グラフィックは、全くwizardryでもなんでもありません(L2さんの偏見)ので、全く食指が動きません。

wizardryというゲーム界隈は盛り上がってくれればよいな、と思いつつも、Daphneはトレーナー業と被りますし、兼業する気はありませんので、見守る事とします。

という事は、置いておいて。

 

2024年の初買いのこのゲームも、また、wizardryシリーズが好きな人には刺さる可能性のあるDemon Lord Reincarnationと同じように、レトロな雰囲気と上手く選ばれた要素を組み合わせて、良いバランスのゲームとなっています。

 

更新: 2024/01/12

シンプルな操作で、何度も探索を繰り返してしまう中毒性

この作品は、Demon Lord Reincarnationと同じように、wizardryや、3DダンジョンRPGの魅力、面白さを体験してもらう為に作られている、と感じます。

 

という事でゲームの中身に触れていきましょう。

 

オープニングが終わると、冒険者募集のお触れ的なメッセージをみつつ、舞台となる都市ウェルモートの俯瞰図が現れます。

グラフィックは、一部のエフェクトや、イベント、エネミーシンボルを除いて、モノクロアートで構成されています。

酒場娘のデザインは、独特なのですが、いわゆる【人類(友好的種族)】の幅が広い世界観であることが一目瞭然となりますね。

キャラメイクは、シンプルでランダム性の無い仕様。

高ボーナスポイントを何度もリロールして、という時間泥棒はありません。

 

・人間、エルフ、ドワーフ、カリン(ホビット、ハーフリング的な種族)の四種族から選択。

・STR、DEX、CON、INT、WISの五種類の能力値にイント(レベルアップごとに一ポイント)を割り振る。

・ポートレート(キャラクターシートに表示するイラストと探索中の顔アイコンのセット)を選び、名前を決める(自動でランダムネームにもできます)

という三つの操作で、キャラメイク終了。

 

興味深い部分は、能力値の初期値がゼロである事。

冒険者としてのスタートラインが同一であるという意味かな、と思っています。

ただし、耐久力であるHPや、生命力であるLP、戦闘中の行動で消費するモラル、マナの数値は種族ごとに格差がありますので、個人差というか種族差は存在します。

 

ポートレートは八人分、種族というよりは、戦士系、射手系、僧侶系、魔術師系をシンボル風とイラスト風の二種類が用意されています。

これは、同じサイズの画像を用意すれば差し替えが可能ですので、キャラメイクで時間が取られるとしたら、このあたりでしょうか。

名前のランダム設定は、結構良い感じです。

某魔界戦記だと明らかに人名ではないものや世界観がずれているものも含まれていましたが、この作品では世界観を崩すことなく、しっかりとした人名が候補となっています。

もちろん、自分で名付けることも可能ですし、後々変更することもできます。

 

パーティメンバーは4人まで編成可能。

キャラメイクはシンプルですが、能力値は、多彩です。

 

・左上の四角の中は、冒険者レベルです。上昇時にHPが上昇し、能力値ポイント、アビリティポイントが1ずつ入手できます。

・HPは戦闘時の耐久力、LPは探索中のHP回復などに使用、戦闘不能時に0になるとロスト。

・モラル、マナはパーティの総合値で、戦闘中にスキル使用で消費され、()内は回復量となります。

・クールダウンはスキル使用後に次の行動が開始できるまでの時間。

・マナ汚染は、戦闘を繰り返すことで上昇、高いほどに敵が強化され、戦闘後の報酬のレアリティや品質が上がります。また、高汚染時に戦闘不能になると装備が破壊されたり、高額な治療が必要な状態に陥ります。

・アイコンで表示されているのは各種状態異常への抵抗力、装備や変異、スキルなどで強化可能。

・戦闘能力は、能力値からの算出値と装備からの補正が表示されています。スクロールすると更に表示されるほどに多岐にわたっています。

 

また、装備欄も、武器、盾(両手持ち武器と併用不可)防具(頭部、胴、腕、ベルト、脚部)装飾品の8種類を装備可能。

アイテムには、ノーマル、エンチャント、エピック、ユニークのレア度と、アイテムレベル、アイテムランク(二つ名の有無で性能が上下する)があります。

イベント入手のみのユニーク以外のアイテムの各種能力やボーナス数値は、レア度、アイテムランクなどで個体差が出る為、「ぼくのかんがえたさいきょうのそうび」が出るまで探索を繰り返すことになります。

 

アビリティポイントの使い道は、クラスアビリティの取得です。

戦闘、策略、斥候、狩人、信仰、魔術、医術、呪術の八種類から選択します。

一ポイント使用毎に一レベル上昇し、修正値を取得、特定レベル毎に新しいスキルを使用可能になります。

一旦は投入したポイントは降り直しが出来ませんが、特殊アイテムで可能になりますので、進行度合いによって振り直す事が必要かも。

 

初期装備は、無いよりマシ、というwizardry系伝統のものになりますので、与えられたお金を使って店売りのものを買うことが出来ます。

ただし、数度、探索に出てドロップアイテムを入手すると大抵のアイテムは店売りよりも強いことが多いので、購入品に頼ることは無くなるかな。

 

また、商店には売却したアイテムは入荷されません。

進行度によって、アイテムが解放されることと、ランダムで「+」付のアイテムが売られることはありますので、店売りを頼らないか、というと、そうでもないですね。

消耗品については、その限りではないのですけれども。

 

初めての探索では下水道をお勧めされますので、下水道へ。

迷宮も、モノクロアートで構成されていますね。

MAPはオートで記録されますが、イベント等は自分でマーカーを置いていくスタイルです。

 

探索時の移動は、キーボード操作の他にも、マウス操作でもストレスがありません。

前スクロールで前進、後ろスクロールで振り向き、画面の右半分、左半分をクリックで平行移動、

中央をクリック&ドラッグすることでドラッグ方向に90度向きを変更。

慣れると、キーボードを使わなくてもサクサク進行出来る為、もっぱらマウスオンリー操作です。

 

戦闘は、アクティブバトルとなっています。

スキルを九つのパネルに配置して、その中から、クリックすることで発動開始、或いは即行動となります。

スキルの配置は探索開始前や戦闘中以外のタイミングで可能です。

上から、前列、中列、後列となっていて、スキルによっては配置する場所の指定が存在します。

隣り合うことで影響を与えるスキル(一番上の画像でマスの間に=が付いている状態)があることや、配置場所によって攻撃を受けるシステムとなっているので、配置は上手く組み合わせないと効果が薄かったり、耐久低いキャラが攻撃を受けることになるので、頭を悩ませます。

この配置、空欄があると、ランダムでパーティメンバーが狙われるため、全て埋めておかないと困る事もあるので、最序盤は配置可能なスキルが少ないために苦戦しやすいです。

 

また、いつでも一時停止が可能なこと、戦闘ログを見ることが出来るので、戦況に応じてスキルを選択することで戦闘を有利に進めることが出来ます。

 

この操作も、マウスだけで可能になっていて、探索も含めてマウスのみで完結するのは素晴らしいですね。

 

探索可能な迷宮は、下水道の他に三か所。

・古き王の霊廟

・モガス鉱山

・監視塔

下水道で戦闘が安定してきたら、本格的な探索の開始です。

 

若干のネタバレですが、イベント戦闘の内、いくつかは、すぐにでも再戦可能なため、レベリングに苦しむ事はあんまりないように思います。

 

更新: 2024/01/12
総評

アクティブバトルはちょっとだけ苦手な人にはハードルですが、サクサクとハクスラを楽しめる良作です。

キャラメイクに時間を取られることがなく、すぐに本編に入れる手軽さ。

マウスだけで、名前入力以外のすべてが可能であるというシンプルでストレスを感じにくい設計。

 

ちょっとだけとっつきにくいアクティブバトルですが、ある程度慣れてくると放置でもドンドン進めることが出来るのでむしろ、サクサク進行で軽快です。

 

ハクスラとして、考えられている部分として、アイテム欄を重要アイテム、イベントアイテムで圧迫しないように別枠管理されているのも◎ポイント。

 

800円という価格で、このクオリティ、ボリュームはコスパ最高です。

ダンジョンRPGでハクスラ好きな人にはお勧め出来る良作です。

  • 購入金額

    800円

  • 購入日

    2024年01月01日

  • 購入場所

    steam

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