昨今、レトロゲーム、ハードがまた、注目を集めていますね。
今回のブームは海外からの注目も高く、円安の影響で投機的な熱狂もあって、少し離れた位置から眺めつつ、欲しいレトロゲームが価値を取り戻す以上の高騰をしないように祈る日々です。
さて、こういったブームの中で、リメイクや、レトロ風コンセプトのゲームも出て来ています。
いくつかは、実際に購入しましたが、ちょっと復刻させるコンセプトがずれているなあ、とリメイクや復刻風の難しさを感じます。
以前レビューした作品も、そういった感じが強いと感じたものでした。
そんな中で、新たにレトロ風ゲームの発売がありました。
それが、この作品です。
レトロ3Dダンジョンゲームとしてフォロワー作品も多い、wizardryやダンジョンマスターを彷彿とさせるイメージだったので、思わず購入。
1000円という金額も、殆ど無料のように感じる価格設定なので、躊躇しませんでしたw
ハック&スラッシュではありません。独特のシステムは戸惑うかも。
タイトル画面はとてもシンプル。
「はじめる」は、新規スタートだけではなく、冒険の再開も兼ねています。
「設定」は、ゲーム画面のウィンドウ化とフルスクリーンの選択、音量調整、セーブデータの削除(初期化)が行えます。
セーブデータは一つだけで、戦闘中以外ならば、どこでもセーブ可能です。
ストーリーは、マニュアルPDFの冒頭に記されています。
個人的には、wizardry IVの冒険者側のストーリーっぽい流れですね。
スタート地点の焚火。
冒険者が4人になるまでは、ここで候補者が出てくるのでパーティに加入するかどうかを選択できます。
冒険者は、名前も職業も決定した状態で登場します。
上記画像は、結構進んだ状態の能力なので、もともとはもっと弱いですし、スキルも一つだけです。
探索中のコマンド画面は、こちら。
「パーティ」は、冒険者の能力値確認。
「状況確認」は、迷宮の階層と向いている方向、現在座標が表示されます。
「セーブして終了」は、その名の通りにセーブしてゲーム終了。タイトルで「はじめる」を選べば再開できます。(セーブデータは一つだけです)
冒険者の能力は、生命力(表記上はHP)、スキルポイント(同SP)
腕力(STR)、器用さ(DEX)素早さ(MOB)、耐久(VIT)、知力(INT)、意思(WIL)
それぞれ、物理攻撃、命中率、回避率&行動順、防御力、魔法攻撃力、回復、付与能力量に関係します。
スキルは、能力確認時には消費スキルポイントは表示がなく、名前の横の数値はレベル、高い程に威力、効果が高まります。
迷宮はワイヤーフレームでは無くて、テクスチャ式。
メッセージも、いかにも、な感じでワクワクと緊張感があります。
戦闘では、「戦う」を選んで使用するスキルを選ぶ、「防御」で回避率を少し上げる、「繰り返す」で前のターンの行動リピート、「逃げる」の4つ。
スキル消費行動は効果が高い事が多いですが、攻撃相性があるので必ずしも、SP消費量=威力では無い事もあるので注意が必要かな。
さて、これまで見て来て、キャラクターレベルというか、経験値の表記が無い事にお気づきになられましたか?
そう、このゲームの成長はレベル式ではありません。
HP、SPも含め、能力値は基本的に戦闘終了後に上がります(上昇能力は示されますが、上昇した数値は表示されません)
また、スキルも戦闘中に新しいものを閃く事で入手し、スキルレベル上昇も同じように戦闘中に行われます。
どちらも、完全なランダムではなく、敵の強さに応じて判定されているようです。
能力値は、探索中の宝箱からアイテムを入手する事で増加或いは減少する事もあります。
そして、装備、アイテム欄もありません。
武器、防具、アイテムなどは存在しません。
宝箱から出現するアイテムも、その場で消費されるという表現をされるフレーバーに過ぎず、ストックして任意に使用する事も出来ない訳です。
つまるところ、このゲームは、戦闘と成長、探索(マップ蒐集)のみに特化したRPGという事なのです。
ハック&スラッシュではなく、ワンダリング&スラッシュといったところでしょうか。
アイテムが存在しませんので、経験値だけではなく、お金もありません。
そうなると、お店、宿屋、神殿も存在しないのです。
回復手段は、スタート地点の焚火に戻る(全快)、探索中に休憩(esc押す度にエンカウント判定と引き換えにHP、SPを少量回復、時間経過で状態異常回復)の二種類。
探索中にスキルの使用は出来ません。
なんというストロングスタイルな探索と戦闘のゲーム、痺れますね。
全滅した場合は、焚火から再開して、改めてパーティメンバーを募ります。
スキル数は一つになるものの、能力値は全滅時を参照するという事なので、一からスタートではないのが良い所?でしょうか。
冒険者はHP0になったら死亡して、パーティから除外されます。その場に放置されていると考えると恐ろしく、そして冷徹な判断だなあ、と思わなくもないですが、お店も神殿もありませんので、復活する事が出来ない為、仕方がないかもしれませんね。
といっていたら、敵の中に見知ったネームドキャラクターが出てきました。
どうやら、迷宮内で倒れたキャラクターは闇に操られて怪物と化すようです、HP0になった瞬間に闇に飲まれて連れ去られると考えれば、パーティメンバーが救助する暇もないと納得出来る、かも。
お金と経験値を貯めて、装備を調え、レベルを上げて強化する、という通常のRPGと比べると、戦闘中のHP管理はシビアですし、成長以外の戦力強化は出来ません。
この点を十分に理解していないと、「クソゲー」と呼ぶ事になると思います。
ご注意下さいませ。
レトロな雰囲気と、レトロなコンセプト。そして、ストイックなシステムで緊張感を作りだしている名作、かも
戦闘と成長、そして迷宮のマッピング。
この三つだけにフォーカスして作られた意欲作です。
そこに、レトロな雰囲気を纏わせる為に、モノクロのシルエットフレーバーなキャラクターたち、懐かしいデザインの迷宮とシンプルながらも拘った造りが加わりました。
wizardryのようなダンジョンRPGながら、スキル閃きシステムというロマンシング・サガの妙を加えられて、唯一無二、とはいいませんが、オリジナリティのある作品になっていると思います。
1000円というお値段もあって、結構おススメ出来る作品です。
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購入金額
1,000円
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購入日
2023年09月20日
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購入場所
Steam
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