少し前に秋葉原の情報サイト等で話題になった、「今更何に使うのかわからないSSD」です。というのもSATA接続の2.5インチSSDであることは良いとして、容量が僅か64GBしかないのです。
SSDの黎明期には30GBクラスをOSぬブート用に使うこともありましたが、今時のOSや肥大化したアプリケーションを使うのに64GBではあまりに狭すぎて使い物になりませんし、データドライブとして使うのなら単純にもっと容量が大きいものが望ましいわけです。
私が買ったのも単純なネタ用途だったのですが、通じる相手であればUSBメモリーの代わりに渡すのもありかな、と思ったわけです。適当にUSB 3.x対応のUSBメモリーを買ってもこれより高価な場合が多いですからね。というわけで、早速実物を確認してみましょう。
実はこの製品の型番「RBU-SC180S37/64GJ2」を調べても、販売サイト以外は殆ど見つかりません。Kingstonの命名ルールで「SC180S37」の中の「SC180」がシリーズ名の筈ですが、SC180で調べても同様です。
ただ、よく見ると「MSIP-REM-K98-SA400S37」という文字列も印刷されていて、これから判断するとコンシューマーでもラインナップされている「SA400」シリーズの製品なのでしょう。ただSA400には64GBモデルは存在しておらず、恐らく特定OEM向けに用意された通常ラインナップ外の製品だったということのようです。
この類のSSDを活用するためにはツールレスタイプの外付けケースがあると便利です。今回は以前新品500円で買った玄人志向 GW2.5-KRU3と組み合わせて使うことにします。
大抵のUSBメモリーよりは速度性能は良い
このSSDを今更PC内蔵用として使う可能性は低いということで、前述のGW2.5-KRU3との組み合わせで速度を計測してみましょう。
私のメインPC(Ryzen 9 5900X+ASUS PRIME X370-A)にUSBハブを介して接続して、ベンチマークテストを実施します。
ベースモデルと予想されるKingston SA400シリーズはシーケンシャルリード500MB/s、シーケンシャルライトは容量ごとに可変という製品ですから、リードの方はUSB接続していることで頭打ちとなっている可能性があります。ライトの方は案外SATA接続でもこの程度かも知れません。というのも、SA400の120GBモデルは320MB/s、240GBモデルで350MB/sですから、120GBモデルからNAND容量が半減して、プロビジョニング領域も残されていない(公称容量が60GBではなく64GBとなっている)と考えれば260~270MB/s辺りが妥当と考えられるためです。
安価なSATAのSSDとして妥当なパフォーマンスといったところですが、実際にGW2.5-KRU3に詰めてファイルコピーを行ってみると、さすがにUSBメモリーとは速度が全く違います。大量転送しても急激に転送速度が落ちるようなこともありませんし、小さいファイルを大量書き込みしても引っかかりも起こりません。USBメモリー代わりとしては納得行く性能は示してくれました。
SSDとして評価するとお世辞にも高性能とは評価できないわけですが、価格を考慮してmicroSDXCやUSBメモリーがライバルと考えれば十分高速で、使い方次第ではなかなか面白い製品といえると思います。
店頭では予想以上に売れなかったようで、当初1人2台までの購入制限が付いていたのですが、私が買った時点では「何台でもOK」に変わっていました。
幅広くお薦めできるものでもありませんが、使い途を見出せる人にはお勧めできるものと思います。
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購入金額
640円
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購入日
2023年09月02日
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購入場所
PC SHOP ARK
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