Panasonicの高級オーディオブランドであるTechnics。
2014年にブランドが再始動しホームオーディオとイヤホン・ヘッドホン、DJターンテーブルがラインアップされています。
完全ワイヤレスイヤホンに参入したのは2020年。
Panasonicブランドの下位モデルと同時発売されたEAH-AZ70Wは初号機ながら音質面で高い評価を受けるなどその先の展開にも期待を持たせるものでした。
そしてそれから1年後の2021年、今度はハイレゾワイヤレスの規格になるLDACに対応したEAH-AZ60がデビュー。
当時LDACの開発元のソニーすら対応していなかったLDACでのマルチポイント接続対応を実現するなど一部で大手ブランドを凌駕するポイントもあり、Technicsの完全ワイヤレスイヤホン業界における立ち位置を確立させました。
そして時は流れ2023年。
年初に行われたCESにて突如「AZ60が好きな方は楽しみにしておいて欲しい」という文言と共に金色のTechnicsロゴが入ったワイヤレスイヤホンがティザーされました。
当初春発売予定だったそれは少し延びたものの梅雨に入ろうかという6/15にその姿を現しました。
それがEAH-AZ80。
EAH-TZ700でも採用されたアルミニウム振動板(※)など音質重視の設計を継続しつつ、業界初の3台マルチポイント対応、ケースのワイヤレス充電対応など機能面でもしっかり進化を果たした最上級モデルとして堂々デビューしました。
※EAH-TZ700ではアルミニウム振動板+ボイスコイル部の磁気ギャップに磁性流体を使用した「プレシジョンモーションドライバー」が採用されているがAZ80ではボイスコイル部の磁性流体は採用されていないため完全に同じではありません。
一部メディア等にて「TZ700と同じ」などと書かれていますが、これはアルミニウム振動板が採用されている点を指しているものと思われます。
フラッグシップらしさ
Technicsのワイヤレスイヤホンの中でもフラッグシップモデルとしてAZ70Wの正当な後継モデルとなるのがこのAZ80。
それだけにケースもAZ60,AZ60M2と違ってフタ部分にアルミが使われています。
ここからAZ60とは一味違うぞという所を醸し出していますね。
いざ開けてみると新形状になった筐体がお目見えします。
この新形状の筐体は奥行き方向には大きくなった代わりに全体的にはかなり小さく見えます。
筐体の全体的なデザインテイストは今までのTechnicsのワイヤレスイヤホンと同様にタッチセンサーがあるフェイス面はサーキュラー加工されていてそこに金色のTechnicsロゴが入ります。
今回のAZ80が従来機と違うポイントは所々に入る金色のポイント。
ケースのロゴ、本体のロゴ、通話用マイクの開口部に金色が入ってるのがフラッグシップ感を演出しています。
写真で見る分には結構金色が目立つなと思っていたんですが、実物だと思ったよりはさりげない印象です。
「乗せるだけ」な感じが大事
今回AZ80では『コンチャフィット形状』と呼ばれる新しい形状を採用しています。
同じく10mmのドライバーユニットを採用していた従来機のAZ70Wで筐体の大きさと装着感という課題があったみたいでそこを解決する形状になります。
AZ60までのTechnicsのイヤホンはティアドロップ型になっていてイヤーピースでイヤホン本体を保持する格好でしたが、AZ80ではコンチャ(耳甲介ともいう耳の中央部分にあるくぼみ)にフィットさせる本体形状によって保持するようになりました。
この変更によってイヤーピースを奥に突っ込むというよりは本体を耳に乗せるように装着するだけで安定した装着を実現しています。
乗せるだけという感覚なので圧迫感が全然なく長時間の装着にも耐えられそうです。
もう有線のイヤホンなんて必要ない!
「ワイヤレスは音質良くない」、「有線の方が絶対いいに決まってる」。
そんな言葉がもう過去のものになる。
AZ80で音楽を聴いているとそんな感覚すら覚えるほどにワイヤレスもこの音が出るのかぁと感心してしまいます。
このレベルの音が出てしまうとなると正直ヘタな有線イヤホンはもういらないですね。
感動レベルで言うと個人的にはMDR-EX1000を買ったときに感じたものとかなり近い感動を覚えました。
今までこれと同じ感覚になったのはIER-Z1Rを試聴した時とT3-02を買ったときくらいですね。
細かく解説していきましょう。
Pixel 6aでLDAC接続し音質優先(990kbps)モードで聴いています。
低域は明らかに質勝負の鳴らし方をしています。
量感を重視される方だと物足りないくらいですがアタックのスピード感などを重視するならかなり高いレベルになっています。
僕は低音過多は嫌いなのでこれで十分です。
続いて中域。
アルミニウム振動板に変わったことで進化したと思う帯域はまさにここから上。
よりクリアに、よりリアルになりました。
そして高域。
しっかり出てるんですけど刺さらない。
心地いい抜け感がまたたまらない…
ワイヤレスイヤホンって高域が詰まりがちな製品が結構多い気がするんですがその詰まりを感じないほどによく出ています。
全体的に見ていくととても優等生な鳴り方をしています。
どの帯域も過不足なく出ていてどこかの帯域が他をマスクするようなことになっていないし空間の表現も巧いし…
逆に所謂”ドンシャリ”を好まれる方には個性が薄いとかつまんない音とか言われるような感じではありますね。
そしてこれはAZ60の時もだったのですが、純正イヤーピースとの相性がバッチリでこれで全然十分だと感じられます。
ヘタにイヤーピースをとっかえひっかえしてあーでもないこーでもないと悩むくらいなら純正を使いなさいと推奨できます。
安定感抜群
スマホ連携アプリはAZ60などのほかのTechnicsのワイヤレスイヤホンと同様に「Technics Audio Connect」(iOS/Android)を使います。
こちらも従来と同様に安定感は抜群です。
ノイズキャンセリング、外音取り込みのコントロールはもちろんタッチセンサーのカスタマイズなども今までと全く同じ操作でできるのでAZ60などからの乗り換えなら何も戸惑うことなく使うことができます。
さらに今回のAZ80ではイヤホンを取り出したタイミングでのケースのバッテリー残量を表示する機能が追加になっています。
タッチ操作のカスタム内容を従来機から引き継ぎできる機能などがあるとなお良いのかもしれませんが、これは贅沢な悩みというやつです。
ちなみにですが初期設定ではLDACが無効になっているのでAndroidやPCでLDAC接続を使いたい場合は先にアプリ上で有効にする必要があります。
AZ60からでも乗り換えの価値あり!
私の以前のメイン機は同じくTechnicsのEAH-AZ60。
こちらも機能面もしっかりしているし音質もかなり高い評価をした1台でした。
そんなAZ60と比較してもAZ80は様々な点で圧倒的に上回っており積極的に乗り換える価値があると思います。
AZ60のレビューにてLDAC接続にして聴くと中高域の粒立ちがいいと書きました。
それに対しAZ80は同じくLDAC接続で聴くともう一段、いやもう二段くらい中高域のキレイさが向上しています!
一度AZ80を味わうとAZ60でも物足りなく感じるほどです。
さらにAZ60と比べて違うのが音場の広さ。
AZ60はどちらかと言うと音がダイレクトに来る感じが強く音場は少し狭めですが、AZ80はより空間までも再現する鳴らし方に変化したように感じます。
音質以外に目を向けてみると外音取り込みモードは圧倒的に自然になっています。
AZ60でも十分だなぁと感じていたんですが、AZ80だとホワイトノイズを全然感じませんでした。
逆にAZ80を試してからAZ60で外音取り込みをしてみると「サーッ」というようなノイズを感じます。
実は今回のAZ80と同時にAZ60も進化版になるAZ60M2が発売になっています。
こちらは従来のAZ60とほぼ同じ形状で3台マルチポイント、ケースのワイヤレス充電、アプリ上でのケースバッテリー残量表示対応などのAZ80と同等の機能性をまとった準フラッグシップモデルという立ち位置になりました。
機能面だけ見るとAZ80とほぼ同じなのでお値段の安いAZ60M2の方がお得じゃないか!となりそうなんですが、ドライバーユニットが違うなど音質面で差がみられるのでここはお好みでということになると思います。
こちらは試聴していないので何とも言えないのですが、ほかの評判を見ているとAZ80で低音の量感が足りないと感じる方はAZ60M2を選ぶといいかもしれません。
ワイヤレスでも、高音質をあきらめない。
このタイトル、AZ80のキャッチコピーです。
でも諦めていないのは音質だけじゃない。
NCも、マルチポイントも見た目の高級感も…
そんな欲張りな方にどんどんおすすめしていきたい1台です。
現在大人気で在庫がない店舗も結構あるんだとか…
7/31までの購入でえらべるPay3000円分のプレゼントキャンペーンもあるしお早めがおすすめ!
対するソニーももうそろそろWF-1000XM5が発表予定のはずなんですがリーク画像やスペック情報を聞いている限りだとAZ80が勝っていそうな点が普通にあるので個人的にはAZ80推していきたいですね。
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購入金額
36,630円
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購入日
2023年07月08日
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購入場所
ヤマダ電機
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