レビューメディア「ジグソー」

正直ユニット名は変えて良いと思う…

元シカゴのビル・チャンプリン、TOTOのジョセフ・ウイリアムスという2人の強力なヴォーカリストを擁するユニット、CWF(Champin Williams Friestedt)の久々の新曲が発表されました。

 

元々このユニットを主導するピーター・フリーステットはスウェーデン在住であり、アメリカ在住の2人とそれほど頻繁に活動できるわけではありません。第1作の「CWF」は2016年、第2作の「CWF 2」は2020年と活動ペースは緩やかなものでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、本作は「CWF 2」から約3年の時間を要していながら、新曲3曲に既存の音源3曲を組み合わせるというEP盤としてリリースされています。

 

これまで以上にスローペースな制作となっている最大の理由は、本来「TOTO XIV」を最後に活動終了となる筈だったTOTOが、スティーヴ・ルカサーとジョセフ・ウイリアムスを中心とした新バンドとして存続することになったことにより、ジョセフ・ウイリアムスがCWFの方にほぼ参加できなくなったためでした。この辺りは新生TOTOのライブ盤のレビューに記載しましたので、そちらでご確認ください。

 

 

 

 

 

 

メインヴォーカリストの片方を失った状態となったCWFは、新曲制作にあたり、ビル・チャンプリンのシカゴ時代の同僚にして弟子的な存在であるジェイソン・シェフをゲストに招く形としました。それが今回発表された「Carrie」となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回はアナログ盤が用意されておらず、素直に国内盤のBlue-spec CDを購入しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

盤面のデザインが海外版と異なるのかなど、細かいことは私も把握していません。

 

 

 

 

 

 

 

参加ミュージシャンが記載されていますが、今回新録された前半3曲はジョセフ・ウイリアムスが演奏に一切参加しない楽曲となっています。

 

更新: 2023/05/21
総評

「CSF」として存続した方が…

まずは収録曲を確認しておきます。

 

 

1. Carrie

2. Fly Away Now

3. The Last Unbroken Heart

4. Carry On (Demo)

5. Time Never Stop(Theme Song For Swiss Timing)

6. Pamera (Live)

 

 

前半の3曲が新作、後半3曲は既存曲の別音源となります。

 

まず、リード曲となる「Carrie」についてはYouTubeでMVが公開されていますので、そちらを紹介しておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

このMVはピーター・フリーステットが投稿しているものですが、ビデオ内には「CWF」の名前が表示されているものの、動画タイトルの方は「Bill Champlin Jason Scheff Peter Friestedt」がアーティスト名となっていて、現状の実態を表している表記といえます。

 

ピーターはこの楽曲について「ホーンが入ったらまるでシカゴだよね」と説明しましたが、個人的にはこの2人が在籍していた時代と考えたとしてもシカゴの作風ではないと思いました。むしろ80年代のTOTOのリード・ヴォーカルがビル、ジェイソンの2人になったらこんな感じかという印象の方が強かったですね。

 

2曲目の「Fly Away Now」はビル&タマラ夫妻にピーターが絡んで作られた楽曲ですが、特に詞の部分でタマラの貢献が大きかったと説明されています。

 

3曲目「The Last Unbroken Heart」は新録ではありますが、楽曲としてはかなり古く、1986年の「マイアミ・バイスII」のサウンドトラックに収録された楽曲のカバーとなります。オリジナルはビルとパティ・ラベルのデュエットで、作曲者の1人がジョセフでした。ここではパティ・ラベルの代わりをタマラ・チャンプリンが務めます。

 

4曲目以降は既存曲で、まず「Carry On」はアルバム「CWF」収録曲で、そのデモ音源となります。アルバム収録バージョンと比較すると、オケが打ち込みとなっていること、ヴォーカルスタイルがややラフになっていること、そして結構音が悪くなっていることが違いです。以下のMVは「CWF」バージョンのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Time Never Stop」はインスト曲ですが、これに歌詞が付けられたものが「CWF 2」に収録された「Amanda's Disguise」となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして「Pamera」についてはTOTOのヒット曲をCWFのライブで披露したものです。過去音源を掘り返して無理矢理ジョセフの存在感を残したという印象を受けてしまいますが…。

 

実はこの曲が披露されたライブはパッケージ化されているのですが、その際にこの「Pamera」はTOTO(主にスティーヴ・ルカサー)への配慮だったのか、削られていたのです。音源としては価値があるのは確かでしょう。

 

 

さすがに実力・実績共に十分なメンバーが作っている作品だけに、クオリティはきちんと確保されているのですが、正直この作品が「Champlin Williams Friestedt」だとは思えません。少なくともジョセフは明確にTOTO優先で動いていますし、現在制作中の3作目となるフルアルバムではジェイソン・シェフが他の楽曲でも参加しているということですから、ユニット名を「Champlin Scheff Friestedt」に変えた方が良いような気がします。その上でこのメンバーで来日公演でもしてくれれば文句ありません。

  • 購入金額

    1,980円

  • 購入日

    2023年05月10日

  • 購入場所

    楽天ブックス

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