Bluetoothでオーディオを接続することに抵抗がある私にとって、最近流行っているTWS(完全ワイヤレスイヤフォン)はなかなか縁が無い分野でした。最近はかなり安いものも出てきていて、一応2つほど買ったのですが、買ってしばらく試してそのままお蔵入りという感じです。
とはいえ、TWSは機能的には素晴らしく便利な存在であることは間違いなく、音質で有線接続に勝てないまでも取り敢えず使用に耐えるものがあればあって良いとは思っています。
先月になりますが、たまたまtwitterで見かけたのが主に中国製の比較的安価なオーディオ機器を中心に輸入している代理店、伊藤屋国際のアカウントで送料込み2,000円というTWSを販売するという告知がありました。それだけならあり得ないほどの価格でもないのですが、そのTWSが近年比較的高価なDAPでも好評を博しているSHANLING製だというのです。
そこで紹介されていたMTW100というTWSは、同じ型番でBA(バランスドアーマチュア)ドライバーモデルとダイナミックドライバーモデルがあるということでしたが、BAドライバーが定評あるKnowles製、DDがグラフェン振動板採用型と、どちらもそこそこ凝った内容です。ただ、本体色が白だとDD、それ以外がBAということで、色の好みでBAモデルのブラックを選択しました。
処分品ということで外箱や説明書は欠品です。外箱はともかく、説明書はタッチコントロールの内容が記載されているので欠品は意外と痛いのです。伊藤屋国際のサイトでは公開されていないようですので、本国のSHANLINGの方で探す必要があります。これも見つけにくいところにありますので、以下にリンクを貼っておきます。各国語対応で日本語のページもきちんとあります。
一応アンビエントモードも備える製品なのですが、思った以上に小型軽量でした。片側4.7gでケースもかなり小さめです。
連続再生可能時間は7時間で、ケースを満充電にしておくことでさらに17時間分再生が可能となります。
Bluetooth 5.0対応ですが、コーデックはSBC、AACのみのサポートとなります。周波数特性は公称値で20~20,000Hzとなっていますが、はっきり言ってそんなに出ているとは思えません…。
レンジは狭いが強調感や刺激が少なく聴きやすい
それでは音質を確認してみましょう。DAPはちょっとクラスが合いませんが、Astell&Kern A&futura SE100を使います。
シングルBAなので当然ではありますが、レンジは狭い方です。低域は80Hz辺りからかなり下がっているはずですし、高域も5~6kHzより上はダラダラ下がった感じと思えます。
ただ、SE100ではコーデックはSBC接続となりますが、ヴォーカルの質はまずまず良好ですし、変に強調感も無いため5千円クラスの有線イヤフォンよりもむしろ音楽の質は高く表現されています。
LPから取り込んだ「ARTISAN / 山下達郎」を聴きながらこの文章を入力していますが、Bluetoothらしい声のいがらっぽさは多少ありますが、山下達郎のヴォーカルを十分楽しめるレベルには達しています。
AAC 320Kの「stars we chase / ミア・テイラー(CV.内田秀)」だと声のいがらっぽさがもう少し強調される感じで、この辺りにBluetooth、特にSBC接続の限界は感じますが、外出時の騒音の中であれば我慢できる程度でしょう。
やはりLPから取り込んだ「Lucy / David Paich」は思ったほど粗が目立たず、レンジの狭さを除けば納得できる程度の音は出てきます。普通に格安クラスのイヤフォンとして優秀なレベルの音は出ているでしょう。
ここでアンビエント(外音取り込み)モードを試してみました。左右どちらでも良いので、フェイスプレート中央上部(SHANLINGのロゴの上辺り)のタッチセンサーを4連続でタップすることでON/OFFが出来るのですが、反応する範囲が狭いので、この4連続タップに意外と失敗します。
上手く動作すると電子音と共に音楽の音量が下がり、外部の音が混ざって聞こえるようになります。ただ、外音の品質がさほど高くなく、内容は把握できるという程度ですので過度な期待はするべきではないでしょう。それでもこの価格帯でアンビエントモードを備えているというのはなかなか有難いといえます。
元々1万円クラスの製品なのですが、その価格帯として十分によくまとまっていて、SHANLINGらしいコストパフォーマンスの高さは光ります。今回はこれを送料込み2,000円で買えたということでかなり高い満足度といえます。
-
購入金額
2,000円
-
購入日
2023年03月26日
-
購入場所
伊藤屋国際直販
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。