中国HiBy Music社製のオーディオ機器は、元々飯田ピアノが日本の正規代理店でした。しかし、色々とあったようで今年1月に代理店契約が終了し、3月からはミックスウェーブが新たな正規代理店となりました。
これにより飯田ピアノが用意していた展示機やデモ機が各所から引き上げられた結果として、その処分セールが飯田ピアノのオンラインショップで始まっています。
個人的にはRS6が安くなれば欲しいと思っていたのですが、外装難ありで安かった個体は買い逃してしまいました。まあ、RS6では現在使っているCayin N6ii/R01とそれほどレベル差があるわけではなく、使い分けは難しいかも知れませんが…。
そうなると遊べそうな安いプレイヤーを1つ買って終わりにしようと思い、目にとまったR3を買うことにしたわけです。
箱は残っておらず、本体と添付品入りの巾着が届きました。なお、実際には同時に購入した純正PUレザーケースも同梱されていました。
デモ機上がりですが、先着順で状態の良いものを出していくと告知されていて、私が買った個体はそこそこ大きめの傷がありましたので、割合在庫が少なくなっていたと言うことではないかと思います。
一見すると表面も裏面も結構綺麗なのですが、底面の角などが削られたような傷になっています。
巾着の中身はよくわからないオリジナルキャラクターのグッズや、シェルカバーでした。
底面側にはmicroSDカードスロットとUSB type Cの端子があります。
一方、本体上部は音声出力端子が用意されていて、3.5mmシングルエンド、2.5mm4極バランスが各1系統となります。
高音質ではないが、音楽の美味しいところはきちんと鳴らす
R3用のメモリーカードはまだ用意していませんので、取り敢えずCayin N6ii/T01(N6iiのサブ機)から拝借して試聴してみましょう。
初回起動時には楽曲データのスキャンを実施するよう指示されます。
これが終わると再生が可能となります。
今回は最初私のメインイヤフォン、64AUDIO U4を使って聴いていたのですが、R3にはちょっと荷が重いかと思い、結局JH Audio Michelleを使っての試聴となりました。
予め断っておきますが、R3はDAPとしてローエンドクラスの製品であり、これまで取り上げたDAPではHIDIZS AP80やPioneer XDP-20辺りと比較するべき製品です。それほどシビアな評価をしてもあまり意味はないという考えで評価しています。
主に「Forgotten Toys / David Paich」や「Born For This Moment / Chicago」を聴いたいたのですが、R3だけを聴いていれば、それなりにちゃんと鳴らせているのですが、と感じる程度にはまとまっています。
とはいえ、オーディオ的に見れば帯域の両端はあまりきちんと伸びてはいませんし、分解能も決して高くはありません。ただ、何となくそれっぽい雰囲気で鳴らしているというか、音楽を聴いていて不快感は感じられません。
Pioneer XDP-20は価格も近く、2.5mm4極バランス対応という意味でも直接的なライバルといえるのですが、基本性能が高くなく出せない部分を無理矢理強調感でごまかそうとしているように感じられるXDP-20に対して、出せない音は出せないから出ている音をきちんとまとまりよく出そうとするR3という印象です。どちらも分解能の低さやレンジの狭さは近い水準ではあるのですが、XDP-20のようなわざとらしい演出は、R3には感じられません。「決して高音質というわけではないんだけどなぁ…」と思いつつも聴き続けていられるのがR3の良さといえます。XDP-20だとしばらく聴き続けていると「もういいや」となってしまいますから。
もっとも、R3からメモリーカードを抜いて、N6ii/T01に戻して同じ曲を同じイヤフォンで聴いてしまうと、全く別物というほどに全ての音が変わります。N6iiが10万円超のDAPであることを再認識させられることになります。
R3は小型軽量かつ安価ですし、普通のスマートフォンにイヤフォンを繋ぐよりは明確に良質な音を楽しむことが出来ます。そこに価値を見出せるか否かで評価が決まる製品といえるでしょう。
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購入金額
6,600円
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購入日
2023年04月13日
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購入場所
飯田ピアノ
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