アモルメット(Amormet)コアとは、東静工業株式会社が開発した特殊合金アモルファステープを、株式会社中村製作所がトロイダルコアに仕立てて製品化された、オーディオ用ノイズフィルター製品です。
(製品写真はいずれもメーカー公式サイトより)
以前から話には聞いていたのですが、アモエルメットコアは内径部分にケーブルを通して使うものであり、本来の線径よりもかなり大きなものを使わなければ大抵のケーブルを通すことが出来ませんし、内径の大きさと価格はかなり極端な相関関係があるため使えそうなものは気軽に試せるほど安くありません。
ところが先日、期間限定でアモルメットコアが全製品40%となるセールが開催されると告知があったのです。取り敢えず試してみるなら良いかということで、ラインナップの中からいくつか選んで購入してみることにしました。今回取り上げるのはNST-271という、本来は主力製品NSシリーズに追加で利用することを想定したNSTシリーズの内径13.5mmモデルです。
実は2回に分けて購入したのですが、先に到着した方はパッケージがなかったので、後から購入した方の写真を掲載しておきます。
アモルメットコアは簡単に言うと信号以外の電流エネルギーを、トロイダルコアを通すことで磁束を発生させ、磁力に変換することで除去するという原理で、NSシリーズは超Hiμ材により透磁率を高めたもの、NSTシリーズはそれよりは透磁率が下がるものの安価ということになっています。
元々メーカーでは単独で使う場合にはNSシリーズのみを使うことを推奨していて、NSTシリーズ単独では大した効果は得られないとしているのですが、実際に使ったユーザーはNSTのみでも効果がある、下手をすればNSシリーズ単独よりはNSTシリーズ単独の方が望ましい変化としている例もあり、この辺りは使ってみないと何ともいえないところです。
個人的には、NSTシリーズは割合安価なので、これ単独で効果があってくれれば有難いなということで、まずはNST-271単独を試してみることにしたわけです。
電源には確実に効く
今回内径が13.5mmとかなり太いNST-271を購入した理由は、原理的に大電流が流れる電源ケーブルが最も確実に効果を発揮するだろうと考えたためです。
もっとも、電源ケーブルで使う場合には、両端ともプラグが大きいため、分解できる構造のケーブルであることが絶対条件です。実際のところは自作の電源ケーブルで使うべきということでしょう。
幸い私も以前1本だけ自作したケーブルを使っていますので、これを使って効果を確認してみます。
Purist Audio Design AC-IOTAの両端にAET製端子を組み合わせたものです。長さは約85cmで、電源タップKOJO Force Bar 6.1への給電に使っています。Force Bar 6.1にはアナログ系の機器(Technics SL-1200GやPhasemation EA-200など)が接続されていますので、レコードの再生音で比較すれば分かりやすく効果が判定できる訳です。
このケーブルは端子内で圧着端子を使っていますので、分解しても再組み立ては全く手間ではないことも幸いでした。加工が終わったのがこちらの状態です。
写真では電源プラグ側に付いていますが、メーカーの説明ではケーブルの何処につけても構わないとのことです。
装着前、装着後に同じ環境で同じレコードを再生して、念のためMOTU HD192を使って両方の音を記録しておいてそれを聴き比べることで確認しています。
装着後に明確に向上したのは低域方向の明瞭度です。より低い周波数まで明瞭度が増し、沈み込みの深さも向上しています。反面、高域方向はハイハットの金属感が少し向上したかな、という程度でそれほど大きな変化は感じられませんでした。この辺りは本来NSシリーズで向上させるべき部分なので仕方ないということでしょう。
ただ、元々SL-1200Gは高域方向のクリアさや解像度は優れていますし、どちらかというと低域方向に弱点があるターンテーブルですから、NST-271はその弱点を補ってくれる方向性の変化で、このシステムにはNSシリーズ単独で使うより望ましかったのかも知れません。
なお、後日買い足した中にNSシリーズのNS-295があり、これはAC-IOTAで使える内径がありますので、両方使った結果もそのうち試してみたいと思います。
追記:
AmazonのリンクはNST-271の2個入りとなっていますが、今回の販売分は全て1個単位の販売であり、購入価格も1個分(通常価格2,200円の40%Off)となっています。
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購入金額
1,320円
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購入日
2023年03月15日
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購入場所
中村製作所直販
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