先日中野サンプラザで開催された「ヘッドフォン祭り mini」に足を運ぶついでに、FURUTECH試聴会に軽く参加して最後に秋葉原にたどり着きました。
元々はPCパーツを見て回っていたのですがあまり収穫は無く、帰宅前にeイヤホンを少しだけ覗きました。
土曜の夕方ともなると出物の類はほぼ消え失せているわけですが、ジャンク箱の中は比較的豊富でした。その豊富なジャンク箱の中で目にとまったのが、こちらのSong's Audio Universe 2pin - 3.5mmです。ジャンクの理由はこちらをご覧いただければ解るでしょう。
中国製のリケーブルなどでは意外とある、逆相接続というものです。逆相であっても音は出てきますが、定位が不自然だったり音場の密度が薄くなったりと、きちんと音を楽しむには障害となる不具合です。
このジャンク品の場合逆相であることを確認できているということは、少なくともCIEM 2pin端子側の±が入れ替わっていること以外は正常ということの証明ではあるわけです。そうであれば色々と使い途はありますので、早速購入してきました。
恐らくそこそこ古い品だと思うのですが、その割には外観は結構綺麗でした。3.5mmコネクター側のくすみで古いんだろうなと想像が付く程度です。
qdc用になら普通に使える
ある程度イヤフォンのケーブル関連で知識がある方はおわかりと思いますが、一般的なCIEM 2pinと物理的に同じピンを採用していながら、極性が逆になっていてケーブルの互換性が半端なqdc製イヤフォンの存在をご存じと思います。厳密には一時期のUltimate Ears製カスタムイヤフォンや、日本以外の国で販売されているUnique Melody製品の大多数も同様です。
これらのイヤフォンで一般的なCIEM 2pinケーブルを利用する場合、所謂逆差しをすれば良いわけですが、ケーブル耳掛け用の癖が最初から付いていたり、方向性のあるコネクターカバーを備えているものの場合は逆差しが困難で事実上利用できません。
このUniverseは一般的なCIEM 2pinとして逆相ということは、qdcタイプであれば順方向として使えるということになります。そして私の手元には以前購入したもののしっくりくるケーブルが見つけられていなかったqdc 3SH SEがあるわけです。
500円で3SH SE用のケーブルを試せるのなら悪くないと思い、早速組み合わせてみました。なお、純正ケーブルやBrise Audio SHP-001(逆差し)と比較試聴をしています。DAPは写真の通りAstell&Kern A&Futura SE100を使いました。
他のケーブルとの比較試聴を行った上でUniverseの音質傾向について述べますと、まず音場はそこそこ広く、バスドラムの輪郭やハイハットの金属感などは純正ケーブルよりも数段向上します。ただ、SHP-001と比較するとヴォーカル帯域のヌケがやや悪く、若干鼻声っぽく感じられる面があります。
元々が実売1万円程度のケーブルですから、その価格帯として順当な性能はきちんと備えていますが、逆にそれを大きく超える部分があるわけでは無く、グレードに対して至極順当な実力というべきでしょう。
qdc純正ケーブルでは主にハイハット等高域方向の癖が結構強く出るのですが、Universeに替えることで質感が向上してリアルっぽく感じられるようになります。個人的には高域方向の癖が3SH SEの最大の弱点と思っていましたので、この方向性は好意的に見ることが出来るものでした。
より高価なケーブルを使えば3SH SEもより良くなる(Luminox Audioの試作品で試したときにはかなり良い鳴りっぷりでした)訳ですが、この価格で純正ケーブルの明確な弱点を補うことが出来るのであれば十分に選択肢となり得る製品と言えるでしょう。
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購入金額
500円
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購入日
2023年02月11日
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購入場所
eイヤホン
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