「芋づる式洲崎綾 Part10」。Webラジオのキャラクターの面白さと、天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連レビュー。12月といえばあやちゃんのバースデイがあるということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲や書籍、イベントグッズなど、幅広く芋づる式におよそ一ヶ月にわたりご紹介するシリーズレビューの10回目...の番外編。
そして所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アニメの劇伴音楽には色々な方向性があります。勇壮なもの、リリカルなもの、コケティッシュなもの、コミカルなもの....ただほとんどが「陽」の領域で、「陰」に根ざしたものは多くありません。テクノ系楽曲で、COOLで「熱くない」劇伴音楽を提供しているバンドの作品をご紹介します。
TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND、日本のテクノ系バンド。基本機械演奏を主とするならではの冷たい肌触りの楽曲と、生の弦をフィーチャリングしたオーケストラルな音色を取り入れることが多く、その退避の鮮烈さからか、熱烈なファンを持つ音楽ユニット。
キーボードとプログラミング担当の石川智久、ベースのフジムラトヲル、サンプリングとアレンジの松井洋平を核にして(ちな、全員がヴォーカルは執れる)、半固定のサポートメンバーを加えて奏でられるのは、クラシカルな薫りを感じる昏い音のテクノポップ。淡々とした温度の低い感じの進行でいながら、ヴァイオリンの湿度を感じる音色が合わさった楽曲は、魔法系の作品には合う。
彼らがアニメの劇伴に本腰を入れるようになったのが、あやちゃんも主要キャラを演じた「トリニティセブン」。
本作“TRINITY SEVEN : MAGUS MUSIC ARCHIVE”は、TVアニメ「トリニティセブン」のサントラで、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの3人と、サポートメンバー(ヴァイオリン:浅井眞理、リズムアレンジ:よしうらけんじ)に加えて、「トリニティセブン」の主役、7人の魔書使いを演じた声優達を入れた作品。
冷たく、昏い機械臭が強い楽曲に、悲壮感すら漂わせる生の浅井のヴァイオリンが切り込み、独特な世界を創り出している。
「TRINITY SEVEN MAIN THEME」。不協和音っぽいピアノがポロポロと奏でられる中、無機質なリズムと、複数が重ねられたヴァイオリンの切ない調べが切り込んでくる。人間の欲と七つの大罪をテーマにした魔法をあやつる7人の魔書使いを取り上げたアニメの昏さを表している。途中歌...というかヴォイスが入るが、それはトリニティセブンを演じた7人の女性声優(原由実、内田彩、佐倉綾音、日笠陽子、柚木涼香、村川梨衣、東山奈央)による。彼女たちにより、唯一の歌詞?♪Date et dabitur vobis.♪(=求めよ、さらば与えられん)が呟かれる。
「MAGUS MODE」。メインテーマよりもメインテーマらしい、盛り上がったところで流れる音楽なので印象深い。リズムが凝っていて、打ち込みのパーカッションとハイハットの16ビートが流れる中、ときどきシンドラ(エレドラではなくピューンピューンといういにしえのテクノ時代の音)のフィルインが挟まれる。ベースはシンベを併用しつつ、エレベでは細かいスラップを挟み、複雑なリズム。そこにトリニティセブンの声優たちとコンビューター合成音声のようなヴォイスで♪Connect to Archive, Magus Mode. -Run-♪とつぶやきが入る、「激しない緊迫感」とでも言ったようなものがある。
「Nervous Sightseeing」は、このサントラの中で唯一のガッツリヴォーカルソング。これはサントラには、トリニティセブンたちが2人ずつに分かれて歌った4種のエンディングテーマは含まれないため⇒7人は奇数のため、なおぼうこと東山奈央が演じたリーゼロッテ=シャルロックは役上で双子の妹であるセリナ=シャルロック(CV.あやちゃん)と組んだ。
つまりヴォーカルも、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのメンツが担当。ちょっちヘタウマ系の薫りがあるのがテクノっぽい(なぜだか伝統的に?プログレとテクノ系は「正統派」の方向性で「上手い」ヴォーカリストがほとんどいないような気が....←偏見?)。
サントラは、映像に合わせて1分程度の曲の断片が並べられただけ、という感じで、単体鑑賞はきびしい作品もあるが、これは3分台の曲が多く、曲として単体鑑賞ができるものが多い。
昏く無機質な音楽と、セリフに近いような熱の無いヴォーカルが、「トリニティセブン」の昏い面を表しているようで、原作漫画を読みながら鑑賞すると、結構雰囲気が出る作品です。
【収録曲】
<DISC1>
1. RUINA
2. TRINITY SEVEN MAIN THEME
3. Fickle Butterfly
4. Passageway
5. Alea iacta est!
6. TURN THE TABELS
7. MAGUS MODE
8. EX-CITING
9. Eternal Darkness
10. IS-CARIOT
11. Sensusu
12. sonatina (Violin Solo)
13. The “THEME”
14. Sign of Problem (異変の兆し)
15. Close Call
16. CHASE ACCELERATE
17. LUCIFER’S HANDS (虚無魔法)
18. IMPER
19. LAST CREST
20. Vespers in the tender silence
<DISC2>
1. Date et dabitur vobis.
2. sonatina
3. Ab Imo Pectore
4. Ubi spiritus est cantus est.
5. Ordinary School Road
6. The Royal Biblia College
7. MISCHIEF!
8. Dum Spiro Spero
9. Relax
10. Voice of solace
11. Chrono Calculation
12. Spell Succeed
13. memories archive
14. PALADIN
15. Kyrie eleison
16. ADMINISTRATOR
17. LOST TECHNICA
18. peace of mind
19. Nervous Sightseeing
20. MAGUS MODE “SATAN FORM MIX”
「TRINITY SEVEN MAIN THEME」
「Nervous Sightseeing」
あやちゃんは全く関わっていないため...
あやちゃんが参加した作品の「関連商品」に過ぎない。
サントラにしては、曲として起承転結があるものが多い
サントラ集と呼ばれるものに収められる曲としては、SEとかジングルに毛が生えたような、曲としての収まりが悪いものもあるが、本作に収められているのは3分以上の長さがあるものがかなりあり、曲として起承転結があるものが多い。
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購入金額
3,564円
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購入日
2015年頃
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購入場所
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