以前、紹介した『ヘリウム充填Ultrastar(*5ちゃんねるでは””ヘリウムスター””と呼ばれていた時期があった)』がかなり安くなり、2022年7月末にHC560(20TBモデル)がオリオスペックなどで税込59,980円と投げ売りされていました。買いましたか?
そんなヘリウム充填Ultrastarの最新型HC560と俺の購入したHC550の大きな違いは『OptiNANDテクノロジー』という最新技術の採用の有無及び『ディスク1枚あたりの容量の違い(HC560の20TBモデル:2TB/プラッタ、HC550の16TBモデル:1777GB/プラッタ)』だけです。
俺としては”エネルギーアシスト磁気記録”、”トリプルステージアクチュエータ”が気になっていたのと、OptiNANDテクノロジーは出たばかりでまだ早いよね!!(*2年~3年は様子見をしたい、)って事で今回はHC550を選択しました。
検証環境
今回の検証環境は以下の通りです。
前回のUltrastar HC520 HUH721212ALE604(容量:12TB)の時との違いは”Ultrastar HC550を増やしたこと・HDDの大幅な整理(MG03ACA100、HMS5C4040ALE640、HDS5C3030ALA630を抜いた)”です。
PC構成
【CPU】AMD Ryzen7_3700X
【Cooler】Scythe 無限5 Rev.B + A-DATA VENTO PRO 120 PWM
【Memory】センチュリーマイクロ CE32GX2-D4U3200(DDR4-3200/32GBx2)
【M/B】ASRock X570 TAICHI(UEFI ver3.60)
【NIC】OnBoard(Intel I211AT)
【Wi-Fi+BT】OnBoard(Intel AX200)
【VGA】ASUSTeK DUAL-RTX2060S-O8G-EVO(GeForce RTX2060Super)
【SSD(OS用)】キオクシア SSD-CK1.0N4P/N(EXCERIA PRO・1TB)
【SSD(データ用)】SanDisk SDSSDXPS-480G-J25(Extreme PRO・SATA/480GB)、Lexar LNM610-1TRBJP(NVMe/1TB)、WD WDS200T3X0C(WD Black SN750・NVMe/2TB)
【HDD】東芝 MG07ACA12TE(12TB・ヘリウム充填)、MD03ACA300V(3TB・通常型)、WD HUH721212ALE604(12TB・ヘリウム充填)
WUH721816ALE6L4(16TB・ヘリウム充填)
【Optical Drive】パイオニア BDR-S11J-BK
【Case】FractalDesign Define R6 USB-C(TITANIUM)
【CaseFAN】Noctua NF-A14PWM x2、NF-P14s redux-1500PWM、
【PowerSupply】Seasonic SSR-650TR(80+TITANIUM)
【OS】Windows10 PRO_64bit
WD製HDDは色で区別しろ!
HDDの事、よく分からない・・・そんな人のためにザックリ説明すると”WDのHDDは色別に機能が別れています” 分け方とちょい注意した方がいいかなぁ~って所は以下の通りです。
・青(Blue):標準モデル。
多くが5400回転なので速度が遅い、一部7200rpmモデルもある。SMR(瓦記録)モデルが多いので避けた方が無難。
・赤(Red/Red Plus/Red Pro):NAS用モデル。
24時間駆動対応、一部5400rpmモデル。”EFAX”の型番のモデルはSMR(瓦記録)モデルなので注意。
・紫(Purple/Purple Pro):監視録画用モデル。
24時間駆動対応、一部7200rpmモデルあり。24時間駆動対応かつSMR(瓦記録)モデルは混ざっていない点が特徴。
・黒(Black):標準モデル。
全モデル7200rpmかつSMR(瓦記録)モデルは混ざっていない。ちょっと存在感が薄めのシリーズ。
・金(Gold/Ultrastar DC):データセンター用モデル。
24時間駆動対応、全モデル7200rpmで常に新しい技術を採用するWDのフラッグシップモデル。
今回のUltrastar HC550は『金(Gold/Ultrastar DC)』の中でも第6世代(←WDの製品データシート・pdfファイル)に分類されています。
24時間365日使用できるので、自分の用途だとどれ使えばいいのか分からないなら『予算と相談』して下さい。
俺の場合は多少高くてもデータセンター用のHDDを買っています、秘蔵のデータが消えてからでは手遅れなので・・・。
Ultrastarの製品型番の読み方について
俺が購入した””WUH721816ALE6L4””ですが、製品型番の読み方は昔(名HDD・0S0 3361販売当時)と殆ど変わりません。
・W → ウェスタンデジタル
・U → Ultrastar
・H → ヘリウム
・72 → 7200rpm
・18 → 最大容量(18TB)
・16 → このモデルの容量(16TB)
・A → 世代
・L → 高さ(厚さ26.1mm)
・E6 → 512e・SATA 6Gbps
・L → 電源無効化サポートなし
・4 → 暗号化なし
WUH721816ALE6L4は『WD製ウルトラスターのヘリウム充填型、容量は16TB、A世代で512e採用のSATA接続の標準モデルですよ!』という意味となっています。
昔(2014年頃まで?)売っていた『0S0 3361』こと、HMS5C4040ALE640・HMS5C4040BLE640の時代は以下のようになっていました。
H → HGST
M → MegaScale
S → スタンダード(=空気充填)
5C → CoolSpin(→CDIだと5700rpmと表示された)
40 → 最大容量(4TB)
40 → このモデルの容量(4TB)
A → 世代
L → 高さ(厚さ26.1mm)
E6 → 512e・SATA 6Gbps
4 → キャッシュ64MB
0 → 暗号機能なし
HMS5C4040ALE640は『HGST製MegaScaleの空気充填型、容量は4TB、512e採用のSATA接続、A世代のキャッシュ64MBの標準モデルですよ!』という意味となっていました。
見ての通り、ウルトラスターに関しては”製品型番の読み方を殆ど弄っていない”ので企業やHGST製HDD愛好者にはありがたい・・・かもしれません。
WUH721816ALE6L4の主な仕様(*1777GB/プラッタです!)
WDのカスタマーサポートのページ(←リンク付き)から入って、当該製品の『製品マニュアル』をDLすることができます。
コレを見ると16TBモデルは『ディスク9枚・ヘッド18本構成』という記載があるので電卓を叩くとディスク1枚あたりの容量は”1777GB(=1.777TB)”とHMS5C4040ALE640の2倍以上の容量となっていました。
その他、主な仕様は以下の表通りです。
赤字の物が『HC550から採用された技術(エネルギーアシスト磁気記録、トリプルステージアクチュエーター)』となります。
俺の持っている主力HDDとHC550の比較表を(ザックリした物ですが)作ってみました。
①、HC550とHC520の比較
ヘリウム充填HDDの世代としては 『HC520は第4世代』『HC550は第6世代』と公式資料で謳っていました。
その世代の差は「ディスク1枚あたりの容量」だけでなくエネルギーアシスト磁気記録、トリプルステージアクチュエーターという新技術の有無という形で見ることが出来ます。
②、HC550とMG07ACAの比較
MG07シリーズからヘリウム充填HDDが出始めたので、”第1世代”と記載させて貰いました。
さて、東芝のHDD部門の弱みは『何をするにも1週遅れてしまうことが多い』です。目に見えやすい物だとHDDの大容量化(2022年7月末に市販されている最大容量はWD及びSeagateの20TBモデル)です。
1プラッタあたりの容量で先頭を走るくらいは・・・頑張って欲しいですね。
③、HC550とMega-Scaleの比較
Mega-Scaleはカタログスペックなど全て劣る上にヘリウム充填でない通常型HDDですが、枯れた技術を採用した低速モデルとなっているので安定性だけは抜群のモデルとなっています。将来、ヘリウム充填の低速モデルとして復活してくれたらいいな~と思っています。
持っているだけで満足出来る(故障のしやすさ云々は評価できる段階ではない)
いつものBackblaze社のデータです。
①、2021年(1/1~12/31)に故障したHDDの数です
②、3年間で故障したHDDのパーセンテージ
③、何ヶ月したら故障したか(2013年4月20日~2021年12月31日)
困るのが『WUH721816ALE6L0(WUH721816ALE6L4の兄弟モデル)が導入5ヶ月くらいしか経っていない』ことです。
これでは””ニアラインHDDなのにポンコツ””/””性能的にバッチリだからお薦めだよ!!””とも言えない、困る状態になっています。
評価が出来ないので、古いケースでの使いやすさを評価することにする(*一般人が使用することをほぼ考慮していないのが残念仕様のHDD)
これでは評価が出来ないので、古いケースでの使いやすさを評価することにしました。
手っ取り早いのは『横面中央にネジ止めできるようにされているか』です。
そこで、HDDを確かめてみます。
左から順に「HGST HMS5C4040ALE640(4TB)」「東芝 MG07ACA12TE(12TB)」「WD HUH721212ALE604(12TB)」「WD WUH721816ALE6L4(16TB)」です。
「WD WUH721816ALE6L4(16TB)」は中央部分がネジ止めできない構造なので古いケース(*例えば星野金属のアルミケース・ALTIUM X S-TUNE)だと使えない可能性があります。これは真面目に優しくない・・・
更に優しくないのが裏面です。 Define R6ではピッタリ収まりますが古いケースには収まりが悪く優しくない仕様です。
Define R5のような底面固定型のケースでは、対応してたとしてもこのようにでっぱってしまうので、俺は好きでは無いです。
UltrastarとCloud-Scale Capacityでの比較
WD Ultrastar、東芝 Cloud-Scale Capacityでの比較をしてみます。
5TBほどのデータをSSDからHDD(HC550・HC520)へ送ってみたところ、10分~20分ほどの差が出ました。キャッシュ容量の差かもしれません。
掛かった時間の順番としてはHC550>>>HC520≧MG07(早い>>>>>遅い)でした。
また、書き込み時に俺の耳に聞こえてくる大きさはMG07>>>>>HC520>HC550(書き込み時のガリガリ音が・・・大きい>>>>>小さい)のような感じでした。
次にCDMの結果です。
①、Ultrastar HC550
②、Ultrastar HC520
③、Cloud-Scale Capacity(MG07)、NAS(MN04)
キャッシュ容量が大きいモデルはCDMの結果も良い・・・と思われる結果となっています。
ここ最近の大容量HDD(12TB以上)は殆どがヘリウム充填モデルになっていますがピンキリですので注意して下さい。・・・どれとは言いませんけど。
とにかく、俺としては””ヘリウム充填形なら何でもいいというのは大きな間違い””です。
各社フラッグシップモデルなら安心!!大丈夫だよねwと油断して痛い目(=データが消えた)に遭ってからでは完全に手遅れです。
そうなる前に、自分の用途に合った『安心してデータが保存出来るHDD』を見つけて・使用するようにして下さい!
・参考HP
Backblaze Hard Drive Data and Stats
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購入金額
44,000円
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購入日
2022年07月頃
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購入場所
ツクモ本店
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