所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。打ち込みの技術モデリング技術が上がってくると、ドラムやベースといったリズム系の楽器だけでなく、ピアノやギターなどのソロでさえ、「録音再生」ではなく、リアルタイムプレイでPCでとられることも多くなってきました。そんな中でも、ギターのカッティングプレイだけは、今でも機械モノと人によるプレイが容易に聴き分けられます。そんな切れの良いギタープレイをフィーチャリングしたシングルをご紹介します。
森広隆。21世紀初頭にメジャーデビューしたが、その後インディーズに潜って長く活動しているシンガーソングライター。ジャンルとしては、主にファンク系J-POP。生ギターファンクが守備範囲の1つで、深くて良い詞を書くところなども含めて、スガシカオっぽい立ち位置。そもそも、そのスガとも親交があり、かつて東京キネマ倶楽部で行われたJAM ADDCITでセッションしたり、2017年のスガのデビュー20周年記念ライヴ=スガフェス EXTRAのオープニングアクトを務めたりした。
そして、曲作りが巧みで、歌も上手いが、ギターも結構上手いのもスガに似ているか。
それもどちらかと言えば、リードよりもリズムギター。レコーディングでは、ソロは他のギタリストに任せることも多いが、リズムギターはほぼ自分で弾いている。
そんな彼のリズムギターが堪能できるのが、2008年の6thシングルである本作、“MY☆GIRL”。題名に「☆」が入っている曲らしく?、ポップでキャッチー。
その表題曲「MY☆GIRL」。バンド仕立てで、ギターは森自身。ベースは紺野光広、キーボード河内肇と言う「馴染みの」メンツ。ドラマーは、矢沢永吉からRIP SLYME、石川さゆりに家入レオ...と超絶節奏のないエリアレスな活躍をする中村優規。なんにせよ、キレッキレの森クンのギターカッティングが気持ちいい。キーボードソロは、今時(と言っても10年以上前の曲だが)シンセ音丸出しのちょっとレトロな感じで、そういう部分もファンキィか。
一転して、「愛に満ちあふれる島」は生ギターバックの弾き語り(ギター1本ではなくて、アルペジオ主体のコード担当のアコギに、オブリ中心の生ギのダビングあり←どちらも森本人)。一時期移住状態になっていたというほど長期滞在していた、沖縄の波照間島を想いながら書いた曲だろうか、♪夜空を照らす星たちへ/はるかな海のむこうへも/この想いは/この想いは/届くだろう/あなたと/日々をすごしてゆこう/愛に満ちあふれる/この島で♪切々と歌う森の声が、感情のままに緩急をつけたギターに乗って届く。
今は、名ギタービルダー川畑完之氏が製作した、使い勝手が良い(本人談)オリジナルギターGroovecaster(シェイプとピックアップ配置からすると、Mustangベースと思う)を駆る森だが、当時はまだ入手していなかったはず。でもカッティングのキレは当時から素晴らしい。
実はこのあと森は、アルバムは複数リリースしているものの、シングルはこれがラスト。そして、新型コロナウイルスの広がりに合わせて、活動自体縮小していて、SNSなどで確認できる限りは、ライヴも2020年2月以降開催していない感じ(2020年4~5月のライヴは「延期」表示となっているが、開催されていないと思う)。
最近はインスタへの風景写真の投稿が唯一の生存確認みたいになってきているけど、そろそろ森クンのキレッキレのカッティングが聴きたいなぁ...
【収録曲】
1. MY☆GIRL
2. 愛に満ちあふれる島
3. MY☆GIRL(-1)
「MY☆GIRL」(音源はスタジオ版だが、MVは最初にライヴ調の音の演出があり、曲は28秒目から)
カッティングが上手い人は玄人好み
森クンがスガシカオに認められているのも、そのあたりにあったりして(スガも結構カッティング上手い)
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購入金額
1,000円
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購入日
2008年頃
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購入場所
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